【スペイン 旅の最新事情】どんな書類が必要?飛行機は混んでる?日本からスペインまでの移動の様子をリアルレポート

公開日 : 2021年09月30日
最終更新 :
コロナ禍での海外渡航は必要書類をしっかり調べることがポイント
コロナ禍での海外渡航は必要書類をしっかり調べることがポイント

昨春は新型コロナウイルス感染者数が世界一になったこともあるスペインですが、ワクチン接種が迅速に進んだこともあり、現在は比較的安定した状況です。それに従い観光客も増え、厳しいロックダウンで人気の消えていた観光地にも活気が戻ってきています。私はこの夏日本に里帰りをしたので、今回は経験をもとに日本からスペインへの移動についてレポートいたします。

渡航前には自分で確実な情報を収集すべき

渡航前には自分で確実な情報を収集すべき
現在スペインに行く直行便は運休中で乗り継ぎは必須

日本とスペインをつなぐ唯一の直行便はイベリア航空ですが、現在日本線は運休中。欧州か中近東で乗り継ぎをしないことにはスペインに来ることはできません。私の場合、エールフランス航空でパリのシャルル・ド・ゴール空港での乗り継ぎでした。私は里帰り前にスペインでワクチン接種済み。同行の15歳の息子は未接種。PCR検査と英文書類作成にかかる費用はスペインの3倍以上と高い上、日本滞在の貴重な時間を無駄に使いたくなかったので陰性証明書が必要かどうかを調べる必要がありました。スペイン在住者が多く利用するネット掲示板は頻繁にチェックしていましたが、やはり自分で調べるのがベスト。私はネットで外務省海外安全情報、在日スペイン大使館、在日フランス大使館、在西日本大使館、在仏日本大使館、エールフランス航空のHPを読み、スペイン大使館とフランス大使館、エールフランス航空に電話やメールで問い合わせをしました。

スペイン大使館のHPには、『乗継国の空港から出ないで(入国手続等をしないで)日本から直接スペインへ行かれる場合、COVID検査の陰性証明書の提示は必要でなくなりました』と。電話でも確認したかったものの、いつかけても混みあっていて繋がりませんでした。スペイン入国時には“SpTHスペイン・トラベル・ヘルス”というQRコードの入った用紙が必須です。このSpTHは専用ページか専用アプリのフォーマットに記入して送信すると、QRコードが届きます。

乗り継ぎ国での必要書類も要確認

乗り継ぎ国での必要書類も要確認
フランスでの乗り継ぎには特に必要な書類はありませんでした。

フランス大使館に電話をすると、「その内容は領事部あてにメールで問い合わせてください」と言われたのでメールを送りました。数日後『基本的にトランジットのみでフランスへの入国手続きがなければ、陰性証明書は不要です。しかし、搭乗場所が変更になる等、急遽入国手続きが必要になった場合は必要です』と返信がありました。エールフランスに電話で問い合わせても同じ回答でした。

エールフランスのHPに、必要書類に関してはTRAVELDOCを参照するようにと書いてあったので、羽田からシャルル・ド・ゴール、シャルル・ド・ゴールからバレンシアと調べ、パリでの乗り継ぎにもスペインの入国にもワクチン証明書もPCR検査の陰性証明書も必要ないことがわかりました。

スペイン大使館HPにあった記述とその内容が記されたスペインの官報、フランス大使館からの返信、TRAVELDOCの結果は、空港で何かあったときのためにプリントして機内持ち込み手荷物に入れました。というのも、前述のネット掲示板や私より数日前にエールフランスでスペインに戻った日本人の友人たちの話では、空港職員によっては正しい情報をわかっておらず、問題になることがわかっていたからです。陰性証明書がなく搭乗拒否にあった人がいて、友人からはパリの空港であちこちたらいまわしにされて不安だったと聞きました。ルールは状況によって変わり、また各国それぞれ違うので、空港職員も常に最新の情報を頭に入れておくのは不可能なのでしょうね。

人気もまばらで静まり返った空港ロビー

人気もまばらで静まり返った空港ロビー
パリ行きの機内はガラガラに空いていました。

さあ、いよいよ出発当日。22:55羽田発のフライトだったので、出発ロビーは人気もまばら。コロナ禍なので、普段は夜でも開いているお店も全部閉まっていました。搭乗手続きの際にワクチン証明書やPCR陰性証明書の提示を求められるかと思ったものの、何も聞かれませんでした。セキュリティコントロールもパスポートコントロールも並ぶことなくスムーズに通過。搭乗ゲート付近には前日が閉会式だったパラリンピック関係者が大勢いたので、「もしかして機内は混むのかしら?」と不安を感じましたが、いざ乗ってみるとガラガラ。ほとんどの人が3席か4席を使って横になっているほどでした。

パリやバレンシアの空港の喧騒はコロナ前と変わらず

パリやバレンシアの空港の喧騒はコロナ前と変わらず
コロナ前と変わりのない様子だったシャルル・ド・ゴール空港

シャルル・ド・ゴール空港のバレンシア行きフライトが出るターミナルは、コロナ前と変わらない様子。お店はどこも開いており、どのゲートもそれなりの人がいます。唯一以前と違うのは、誰もがマスクをしていることだけ。搭乗前、係員に「ワクチン証明書かPCR陰性証明はお持ちですか?」と聞かれましたが、「日本からスペイン入国にはどちらも必要ありません」と答えると、「OK」のひとことで済んでしまいました。私より数日前にスペインに飛んだ友人2人にはここでいろいろ苦労したと聞いていたので構えていたものの、実にあっけないものでした。バレンシア行きのフライトはほぼ満席。日本からのフライトとの違いに驚きました。

実家を出て24時間後、無事にバレンシア空港に到着。荷物をピックアップする前にはSpTHの提示が必要でした。持っていない人がいるのにびっくりでしたが、その場で携帯を使ってQRコードを取得すれば問題ないようでした。

入国に関するルールは状況によって変わるので要注意

入国に関するルールは状況によって変わるので要注意
欧州からの観光客の足が戻ってきたバレンシア

私がスペインに戻ってまだ3週間経っていないのに、その間に状況は変わっています。日本は再びスペイン保健省が定める危険国・地域のリストに含まれてしまったのです。私のような居住者や留学生などはスペイン入国にあたってワクチン証明書か陰性結果証明書、感染後の回復証明書のいずれかが必要になりました。ノービザ、いわゆる観光での入国の場合はワクチン証明書がないといけないのですが、現時点ではスペイン政府から日本のコロナワクチン証明書が使用可能との確認が取れていないそうです。

今後も状況によって変わりますので、移動の際には必ずご自分で最新情報を入手するようにしてください。

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※当記事は、2021年9月20日現在のものです

〈地球の歩き方編集室よりお願い〉
渡航についての最新情報は下記などを参考に必ず各自でご確認ください。
◎外務省海外安全ホームページ
・URL:https://www.anzen.mofa.go.jp/index.html
◎厚生労働省:新型コロナウイルス感染症について
・URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html

筆者

スペイン特派員

田川 敬子

東京生まれの東京育ち。オリーブオイル専門家としてスペインと日本で活動するほか、複数のウェブサイトにスペイン情報を寄稿。

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