スイスから大阪へ!コロナ関連渡航体験記

公開日 : 2021年10月18日
最終更新 :
チューリッヒ空港でのチェックイン
チューリッヒ空港でのチェックイン

2020年3月に新型コロナウイルスの影響で渡航規制が開始されてからも、スイスのボーディングスクールに通うお子様の渡航同行で日本とスイスの行き来をしています。本記事では、2021年8月末にチューリッヒから大阪に渡航した際のレポートを紹介します。

日本入国で必要な書類① 検査証明書の提出

日本入国で必要な書類① 検査証明書の提出
検疫所指定の結果証明フォーマット

搭乗時間の76時間前以内にPCR検査を受けたり、日本やスイス入国に必要な書類などを用意したりするのに時間がかかる反面、チェックインに時間がかからず、エコノミー席でも4席を陣取って寝ることができ、航空会社の財政はたいへんだろうと思いつつも、快適な空の旅ができました。
と言いつつも、渡航規制開始から1年が経ち、ヨーロッパの夏のバカンスシーズンや東京オリンピックを契機に渡航客もずいぶんと増えてきています。

冒頭の写真は、8月末に日本に向けてチューリッヒ空港でチェックインを待っていた時に撮影しました。コロナ前であれば、この季節、チェックインの行列で2時間以上待つことも珍しくないのですが、コロナ禍の閑散とした空港に慣れてしまい、30分待つのも長いと感じていた自分がいました。
 
日本行きが決まったら、まずこちらの厚生労働省のウェブサイトを確認することをおすすめします。

■厚生労働省:水際対策に係る新たな措置について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00209.html

必要な書類をひとつずつ説明します。

出国前72時間以内に受けたコロナ検査の陰性証明が必要です。私はいつも同じクリニックで鼻咽頭ぬぐい液を採取する方法でPCR検査を受けています。陰性証明を受け取る方法はここ1年で進化しましたが、当初から陰性証明をネットからダウンロードでき、検査結果証明書を受け取るために出かける必要がなく便利です。
 
クリニックごとに検査結果証明書のフォーマットが違ううえ、地元の言語のみで記載されている証明書に検疫官もずいぶんと戸惑ったのでしょう。今年に入ってからは検疫所指定のフォーマットでの陰性証明書を求められるようになりました。

私は検疫所指定のフォーマットに自身の個人情報などを入力した資料をいつものクリニックにメールで添付ファイルとして送付して、検体の採取日時や医師の署名およびスタンプ欄を埋めてもらうように依頼しています。
 
このクリニックはいつも迅速な対応で、添付メールで返信をしてくれるので、日本政府指定のフォーマットの準備も比較的容易にできています。

日本入国で必要な書類② 誓約書

日本入国で必要な書類② 誓約書
入国時に手渡す誓約書の冒頭

こちらの資料は、日本入国者が水際対策のルールを守ることを誓約し、待機場所(自主隔離場所)と待機場所への移動手段を政府に知らせるのが目的です。

14日間の自主隔離期間中は、国内線の飛行機やタクシーを含む公共交通機関が使えません。空港近くに住んでいる方ならいいですが、地方の方は、1)自家用車を長時間運転する(家族が迎えに来てくれる場合もある)、2)ハイヤーに数十万円払って帰宅する、3)14日間自腹で空港近くのホテルに滞在する、しかないです。いずれにしても気軽に海外旅行に行ける感じではないですね。
 
この書類は、6枚あり、1枚目の表紙には、「誓約書(個人)(2021 年〇月〇日更新)」「本誓約書は、日本入国の空港で検疫所に提出する必要がありますので、必ず入国時に持参してください。The traveler must submit a copy of this “Written Pledge” to the airport quarantine office when entering Japan.」と記載されています。最後の2ページは渡航者へ「〈誓約書の5つのポイント〉」を説明する内容となっていて、事前にオンラインで読んでおけばいい内容です。

きっと、ほぼ全員の渡航者が6ページをそのまま印刷していることでしょう。私は渡航のたびに、紙が無駄に使用されている思いがしてなりません。検疫官に提出しなければならないのは実質3ページであり、それもフォントなどを調整すれば2ページに収まるはずです。SDGsの観点からも、印刷しなければならない「誓約書」の枚数を6ページから2ページに減らしてもらいたいものです。

日本入国で必要な書類③ 必要なアプリの登録

日本入国で必要な書類③ 必要なアプリの登録
日本入国に必要なアプリ

以前はもっとありましたが、現在は、MySOSとCOCOAのふたつのアプリをインストールしておく必要があります。
 
当初は、LINEも必須でしたが、「利用者の個人情報が中国政府にいつでもわたる可能性がある」と今年3月に報道されてから、ほぼ即日LINEは不使用となりました。
 
入国時にアプリがインストールしてあるかの確認のみならず、アプリに正しい個人情報が登録されているかなども確認されます。

スマートフォンが世界中で主流になっているとはいえ、スマホを持っていない入国者はスマホを自費でレンタルしなければならないことになっているので、ガラケー(ガラパゴスケ携帯電話)を愛用の方など、いきなりスマートフォンを使わないといけないとなると海外旅行が敬遠されますね。

なお、スイスへ留学中のお子様の同行で日本へ入国した際には「13歳未満の子供にはアプリは不要」と検査場で言われています。

経由空港、ドバイ空港では……

経由空港、ドバイ空港では……
ドバイ空港内ビジネスラウンジ

コロナ禍では、ドバイ、パリ、アムステルダムのいずれかで乗換をしてきました。今回の日本行きでは、ドバイを経由しました。

スイス・日本間の渡航でドバイを経由する旅行客としては、手続きは通常の荷物検査のみで、コロナ関連で準備するものはありませんでした。

ドバイでの待ち時間はいつも3時間ほどあります。
 
空港ラウンジの多くが営業を中止しているなか、ドバイのビジネスラウンジは私が渡航する際はいつも営業してくれているので助かっています。
 
しかしながら、コロナ対策で、ラウンジスタッフが個々に食べ物や飲み物を手渡してくれるようになっていたり、一部の席は封鎖されていたりします。

ドバイから関空までの渡航

ドバイから関空までの渡航
関空行きの機内でもらう資料

旅のバイブル「地球の歩き方」ガイドブック

旅のバイブル「地球の歩き方」ガイドブック
『地球の歩き方 ガイドブック スイス 2020年~2021年版』

国中が絶景といってもいいスイス。運行時間が正確な公共交通機関を使って、国の隅々まで訪れることができます。本書は個人旅行者のためのノウハウと詳細な現地情報を紹介。

■地球の歩き方 ガイドブック A18 スイス 2020年~2021年版
URL: https://hon.gakken.jp/book/2080128300

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※当記事は、2021年8月31日現在のものです

〈地球の歩き方編集室よりお願い〉
2021年10月11日現在、観光目的の海外渡航は難しい状況です。『地球の歩き方 ニュース&レポート』では、近い将来に旅したい場所として世界の観光記事を発信しています。渡航についての最新情報は下記などを参考に必ず各自でご確認ください。
◎外務省海外安全ホームページ
・URL: https://www.anzen.mofa.go.jp/index.html
◎厚生労働省:新型コロナウイルス感染症について
・URL: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html
旅したい場所の情報を入手して準備をととのえ、新型コロナウイルス収束後はぜひお出かけください。安心して旅に出られる日が一日も早く来ることを心より願っています。

筆者

スイス特派員

田山 貴子

欧州移住を目指して日本から求職し、2000年よりベルン在住。スイスの会社に10年間勤めた後、日本とスイスの架け橋になるべく起業。

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