ハワイ・オアフ島の人気ビーチ、ハナウマ湾の魅力&楽しみ方を徹底調査

公開日 : 2020年01月15日
最終更新 :
オアフ島のなかではカイルアのラニカイビーチと人気を二分するハナウマ湾 ©iStock 
オアフ島のなかではカイルアのラニカイビーチと人気を二分するハナウマ湾 ©iStock 

ハワイのビーチの美しさは、世界的に見ても飛びぬけています。そのなかで圧倒的な透明度を誇り、ハワイを代表する美しいビーチとして知られているのが「ハナウマ湾」です。ここは、ぜひシュノーケリングで遊んでみたいベストスポット。ターコイズブルーの海の魅力と、ここでしか体験できない遊び方をご紹介します!

「全米ベストビーチ」No.1に輝く、世界が認めた美しいビーチ

「全米ベストビーチ」No.1に輝く、世界が認めた美しいビーチ
ハワイはもちろんのこと、全米でも屈指の美しさを誇る ©ハワイ州観光局

ハワイ語で「カーブした砂浜」という意味の名を持つハナウマ湾があるのは、ワイキキから約15km離れたオアフ島の東海岸。いまから3万年以上前の火山活動によってクレーターが形成され、海水や雨水の浸食により馬蹄型の入り江ができあがりました。ハワイ王朝時代には、王族など身分の高い人のみが立ち入ることを許されていた神聖な場所だったそうです。

白砂とターコイズブルーに広がる遠浅の海が美しいハナウマ湾は、毎年5月に発表される「America’s Best Beach(全米ベストビーチ)」のランキングで2004年と2016年の2回、ナンバーワンに選ばれています。これは、アメリカの環境学博士により全米650ヵ所のビーチについて水質や砂質、アクセス、設備など50項目を調査しランキングしているもので、アメリカ本土にある有名ビーチを抑えての快挙というわけです。またハワイ固有種の海洋生物も多く生息し、美しいだけでなくとても貴重な生態系をもつビーチなのです。

過去にはエルビス・プレスリー主演の映画『ブルー・ハワイ』の撮影にも使われたハナウマ湾。1990年代まではオアフ島のほかのビーチ同様、自由に海水浴やシュノーケリングを楽しむことができました。しかし、観光客の増加による環境の悪化が生態系に影響を与える心配が出てきたため、現在はホノルル市によって海洋保護区に指定されています。入場のためにはいくつかの条件とルールがあるので、事前に確認しておきましょう。

ハナウマ湾への入場方法~到着からビーチへ下りるまでの流れ

ハナウマ湾への入場方法~到着からビーチへ下りるまでの流れ
海洋保護区に指定されているため、一般のビーチパークとは異なるルールがある ©iStock

ワイキキからハナウマ湾へ行くには、オアフ島全土をほぼ網羅する公共交通機関「ザ・バス」のほか、レンタカー、タクシー、ウーバーやオプショナルツアーを利用する方法があります。それぞれについては後ほど紹介しますが、すべての入場者に共通するルールは以下の通りです。

●入場料を支払って教育ビデオを鑑賞
ハナウマ湾に着いたら、まず入場券を購入します(13歳以上$7.50、12歳以下は無料)。ビーチに入場する前に、入り口にある「海洋教育センター(Marine Education Center)」内のシアターで上映される、教育プログラムのビデオを見ることが義務づけられています。入場券に刻印されている上映開始時刻になるまで時間がある場合、展望台から景色を眺めたり教育センター内の展示を見たりして過ごします。ギフトショップやスナックスタンドをのぞいてみるのもいいでしょう。ビーチに下りると飲料水や食べ物の販売はないので、必要なものはここで購入していきましょう。

ビデオ上映は9分間。すべて英語ですが、日本語の専用イヤホンが用意されています。再訪の予定がある人は上映終了後に登録をしておけば1年間、次回来場時の教育プログラム(ビデオ鑑賞)が免除されます。

●いよいよビーチへ。荷物が多い時はトラムが便利

教育センター出口とビーチを往復するトロリーは荷物が多い時や、上りだけの利用もOK ©iStock
教育センター出口とビーチを往復するトロリーは荷物が多い時や、上りだけの利用もOK ©iStock

ビーチまでは約200mのやや急な下り坂。少しずつ迫ってくる美しいビーチを楽しみながら、のんびり歩いても5分くらいです。小さな子ども連れや荷物が多い場合はビーチを往復する「ハナウマ湾トロリー(The Tram at Hanauma Bay)」を(片道1.25ドル、1日乗り放題2.50ドル、4歳以下は無料)。ビーチにはシュノーケルのレンタルショップ、トイレと更衣室があります。

●覚えておきたい、ハナウマ湾の禁止事項
ハナウマ湾の自然環境と生態系を守るためにいくつかのルールがあり、以下の行為は禁止されています。
・水溶性の日焼け止めの使用…もしすでに使っている場合、シャワーで落としてから海に入ります
・魚やウミガメなどにエサを与えること
・魚、貝、サンゴなど自然物の採取や持ち帰り
・サンゴが付着した岩礁に触る、座る、歩くこと
・飲酒、喫煙…ハナウマ湾に限らず、ハワイではすべてのビーチ、公共の公園で飲酒・喫煙が禁じられています

ゴミは自身ですべて持ち帰ります。特にビニール袋はウミガメがクラゲと間違って食べてしまうことがあり、これが原因で死亡したと思われる報告が後を絶たないそう。ゴミ箱に捨てても風で飛ばされてしまうことがあるので、必ず持ち帰りましょう。

シュノーケリングに体験ダイビング…ハナウマ湾の遊び方

シュノーケリングに体験ダイビング…ハナウマ湾の遊び方
シュノーケリングでハナウマ湾の美しさを堪能したい ©iStock 

ハナウマ湾を訪れたら、ぜひとも体験してみたいのがシュノーケリング。本格的なダイビングでなくても、水深1~2mの浅瀬でその美しさを十分に楽しむことができます。

●シュノーケリング用具のレンタルには保証金が必要
ビーチに下りるとシュノーケリングのレンタルスタンドがあり、料金はドライシュノーケル、マスク、フィンの3点セットで$20~。マスク&ドライシュノーケル、フィンのみのレンタルもできます。「他人が使ったものはちょっと……」という人は、町中にあるビーチグッズの店や「ドン・キホーテ」「ターゲット」「ウォルマート」などで手ごろな価格のものを購入して持参するといいでしょう。

レンタルの際にはレンタル料金とは別にデポジット(保証金)として$50が必要です。現金、クレジットカードのどちらでも支払いができ、機材返却後に返金されます。レンタルショップにはロッカーがあり、盗難が心配な荷物や貴重品はここに預けておきます(小型$8、大型$10)。

●ハナウマ湾でダイビングを楽しむには?
海洋保護区に指定されているハナウマ湾には観光目的のツアーが入ることはできず、ホノルル市の許可証を取得した一部のダイビング会社だけがオペレーションを許されています。参加できる人数と曜日が制限されているため、旅行の日程が決まったら早めに申し込むことをおすすめします。旅行会社が催行するオプショナルツアーは、現地までの送迎のみのものや途中でバスから乗用車に乗り換える場合があるので、内容をよく確認してから申し込みましょう。

●ハナウマ湾では、こんな海の生きものに会える

ユーモラスな表情と長い名前のフムフムヌクヌクアプアアはハワイ州の州魚 ©iStock 
ユーモラスな表情と長い名前のフムフムヌクヌクアプアアはハワイ州の州魚 ©iStock 

ハナウマ湾はハワイ固有種をはじめとした色とりどりの熱帯魚やウミガメたちが戯れる、いわば天然の水族館。浅瀬でもたくさん見られるのが、ブダイの仲間です。ひらひらと蝶が舞うように泳ぐバタフライフィッシュ(チョウチョウウオ)も種類が豊富。白と黒、鮮やかなイエロー、ブルーのストライプが入った種など、華やかな姿で目を楽しませてくれます。

おちょぼ口と細長い体で、白、黒、黄色の大胆な模様をもつのがハワイ州の魚でもある「フムフムヌクヌクアプアア」。リーフの切れ目から沖には、ハワイ語で「ホヌ」と呼ばれ幸福のシンボルとして大切にされているウミガメがやって来ることもあります。

基本設備と必要な持ち物をチェック!

基本設備と必要な持ち物をチェック!
ハナウマ湾で体験したいシュノーケリング。レンタルもあるけれど、手ごろな価格のものを購入し持参するほうがおトク ©iStock

ビーチ入場前に必ず立ち寄らなければならない海洋教育センターには、ギフトショップとスナックスタンドが併設され、お土産とともにTシャツ、バスタオル、ビーチグッズが揃っています。スナックスタンドのメニューはドリンク類のほかサンドイッチ、ホットドッグなど。ビーチに下りると買い物ができる場所はないので、必要なものはここで調達します。

ビーチにはシュノーケリング用具のレンタルデスクと有料ロッカー、更衣スペース付きのトイレとシャワーがあります。ライフガードも常駐しているので、安心して遊べます。

●これがあると便利! 持ち物とレンタル&購入できるもの
シュノーケリングの用具は現地でレンタル可能ですし、飲み物や軽食も買えますが、価格は高め。ハナウマ湾からの徒歩範囲にコンビニやレストランはなく、必要なものはあらかじめワイキキ周辺の「ABCストア」や量販店で購入して持参するのがおすすめ。以下のようなものがあると重宝します。
・水着、バスタオル、ラッシュガード
・シュノーケリングのセット(レンタルも可能)
・マリンシューズ…岩場やサンゴ礁で足を傷つけないために。ビーチサンダルでは脱げてしまう危険があります
・レジャーシートまたはゴザ
・飲み物、軽食、保冷バッグ…ビーチでの飲酒は禁止されていますが、飲み物とお弁当などは持ち込めます。飲み物を冷やしておく保冷バッグもあると便利です
・日焼け止め…水溶性のものは使用が禁止されています。「Reef Safe」の表示があるものを
・帽子、サングラス…ビーチには日陰が少ないため必須。長時間滞在する場合や子ども連れは、小さなテントかビーチパラソルがあると安心
・防水のスマホケース…カメラやスマホをビーチに置きっ放しで海に入るのは「盗んでください」とアピールしているようなもの。貴重品はロッカーに預けるなど最小限にし、海に入る時は防水ケースを首からかけるなどして、離さないようにします

ハナウマ湾へのアクセス方法と、おすすめの時間帯は?

ハナウマ湾へのアクセス方法と、おすすめの時間帯は?
涼しくて海の透明度が高い、午前中の早めの時間に訪れたい ©iStock

ハナウマ湾へのアクセス方法は、ザ・バスかレンタカー、またはタクシーを使うのが一般的。オプショナルツアーの場合、展望台から眺めるだけでビーチに入場することができないツアーもあります。内容をよく確認してから申し込みましょう。

●海も空気も澄んでいる早朝がベスト!
ハナウマ湾のオープンは朝6時。人気ビーチゆえ、週末やホリデーシーズンになると8時ごろには入場券売り場に行列ができることが珍しくありません。日陰が少ないこともあり、涼しい午前中のうちに訪れ、日差しが強くなるお昼前には帰るのがベストです。午前中の方が海の透明度も高いので、どのアクセス方法にしてもできるだけ早朝に訪れることをおすすめします。

●ザ・バス(The Bus)は、始発バス停から乗車する
ワイキキからはカラカウア通り海側のバス停で22番の「ビーチバス(22: Beach Bus)」に乗車し、「Hanauma Bay」で下車します。所要時間は30~40分。ただし、休園日の火曜日は停車しないので注意しましょう。

22番のバスはワイキキの西端にある「ホテル・ラクロワ・ワイキキ(Hotel LaCroix Waikiki)」向かいのバス停「Kalakaua/Olohana St.」が始発。平日、週末とも朝8時台から出ています。ワイキキ中心部ではロイヤル・ハワイアン・センター前、ワイキキビーチのデューク像前などに停車しますが、満員になると次のバスを待たなければならず、確実に乗車するためにもなるべく始発のバス停から乗るのがいいでしょう。平日は1時間に1本、土・日曜、休日は30分に1本と本数が少なく、ハナウマ湾からワイキキに戻る帰りの終バスも17~18時と早めなので、午後早めの時間に帰ってくるようにしましょう。

ザ・バスの運賃は片道$2.75。$5.50の「ワンデイパス」を利用すれば途中の乗り降りも自由です。始発と最終バスの時間、バス停などの情報はウェブサイトで見られ、スマホの「da Bus 2」というアプリを使えばバスルートや到着予定時刻がわかり便利です。
■The Bus
・URL: http://www.thebus.org/

●レンタカーで行くなら、駐車場の満車に注意
レンタカーの場合、ワイキキからはカピオラニ通り(Kapiolani Blvd.)からH1 Eastに乗ります。途中で道路名がカラニアナオレ・ハイウェイ(Kalanianaole Hwy.)に変わり、ハワイカイを過ぎ、しばらく走ると右側に見えてくるので迷う心配はありません。所要時間は約20分、駐車料金は1台$1です(入場料別)。

時間も往復の寄り道も自由になり便利なレンタカーですが、駐車場の収容台数が300台しかないため、朝7時から8時ごろには満車になり入場制限が行われることも。なるべく開園直後の早朝に訪れるか、駐車場が空き始める午後を狙う方法もあります。

運悪く満車で入場できなかったら、さらに東のラナイ展望台、サンディビーチ、マカプウ岬辺りまでドライブを楽しんだり、ココ・マリーナ・ショッピングセンターを散策してから、空車が出始めるお昼ごろに戻ってくるといいでしょう。

●タクシー、ウーバー(Uber)の場合
ワイキキからハナウマ湾へのタクシー料金は片道約$50(チップ別)。3~4人で割り勘すれば、まあまあの料金です。ただし、ハナウマ湾の駐車場にタクシー乗り場はないので、帰りはあらかじめ予約をしておくか、電話で呼ぶことになります。
タクシーより割安なウーバーは時間帯により運賃が変わり、片道$25~30が目安です。

オプショナルツアーを利用するときに確認しておきたいこと

オプショナルツアーを利用するときに確認しておきたいこと
展望台から眺めるだけで、ビーチに入場できないツアーもあるので気をつけて ©iStock

旅行会社が催行するハナウマ湾へのオプショナルツアーには、展望台から眺めるだけのもの、ビーチに入場してシュノーケリングやダイビングを楽しむものなどがあります。しかし旅行会社のツアーバスが入れるのは展望台までで、停車時間も制限されておりビーチまで下りることはできません。

そのため、途中でバスからタクシーに乗り換えたり、バンによる送迎だけで現地では自由行動となるツアーもあります。スケジュールやガイド同行の有無など、内容をよく確認することをお忘れなく。

●ハナウマ湾を楽しむツアーなど現地ツアーはこちらで
■地球の歩き方×ファーストワイズ アウレアハワイ
・URL: https://arukikata-op.jp/

●ハナウマ湾 Hanauma Bay Nature Preserve
・住所: 100 Hanauma Bay, Honolulu
・電話: 808-768-6861
・開園時間: 夏季6:00~19:00、冬季6:00~18:00 火曜、12/25、1/1は休園
・入場料: 1人$7.50、12歳以下無料
・駐車場代金: 1台につき$1
・アクセス: ワイキキから「ザ・バス(The Bus)」 22番「The Beach Bus」で30~40分、/車の場合、H1 East~カラニアナオレ・ハイウェイ経由、約20分
・URL: http://www.honolulu.gov/parks-hbay/home.html

まとめ

まとめ
ハワイの貴重な自然と生態系がギュッと詰まったハナウマ湾 ©ハワイ州観光局

高層ホテルやショッピングセンターが立ち並ぶ都市型リゾートのワイキキ。ここからわずか30分ほどでハナウマ湾のような美しいビーチがあることに、ハワイの懐の深さを感じます。展望台から眺めるだけでもその素晴らしさは十分伝わってきますが、海洋教育センターの展示やビデオを鑑賞し、実際に海のなかで生きものたちの生態を知れば、この環境がどれだけ貴重なものなのかがよくわかります。改めてハワイの自然の素晴らしさを知る機会にもなりますよ。

TEXT:永田さち子(『ハワイでしたい101のこと』著者)

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筆者

地球の歩き方書籍編集部

1979年創刊の国内外ガイドブック『地球の歩き方』の書籍編集チームです。ガイドブック制作の過程で得た旅の最新情報・お役立ち情報をお届けします。

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