「アロハ(ALOHA)」に込められた意味。シャカとハングルースの違いって?

公開日 : 2019年12月17日
最終更新 :
ハワイを象徴する言葉、アロハ(ALOHA) ©iStock
ハワイを象徴する言葉、アロハ(ALOHA) ©iStock

誰でも一度は聞いたことがあるハワイの言葉「アロハ(ALOHA)」。実は、ハワイの人々の心を表現する、とても精神性の高い言葉なのです。今回は「アロハ(ALOHA)」に込められた意味に迫ってみたいと思います。

ハワイの言葉「アロハ(ALOHA)」はどのように使われる?

ハワイの言葉「アロハ(ALOHA)」はどのように使われる?
ハワイ州は別名「アロハ・ステイト」と呼ばれています ©iStock

「アロハ(ALOHA)」は、一般的に挨拶の言葉として使用されています。ハワイへ訪れて最初に現地の人に声をかけられた言葉は「アロハ~」ではありませんでしたか? また、別れの挨拶や愛を告げるときにも使われています。つまり、日本語で「やあ」「おはようございます」「こんにちは」「こんばんは」「いらっしゃいませ」「さようなら」「またね」「愛しています」と言うとき、ハワイでは「アロハ(ALOHA)」という、ひとつの言葉ですべてを表現しています。

ハワイ語の辞書で「アロハ(ALOHA)」という言葉を調べてみると、挨拶以外には、愛、愛情、思いやり、好意、親切、慈悲、あわれみ、同情、恋人、愛する、など人の気持ちに関する意味が多く掲載されています。ひとつの言葉に複数の意味があるのがハワイ語の特徴ですが、ここまでたくさんの意味を持つ言葉はあまりありません。

「アロハ(ALOHA)」に込められた意味

「アロハ(ALOHA)」に込められた意味
アロハ(ALOHA)は古代ハワイの精神を語り続ける言葉 ©iStock

1986年に「Hawaii Revised Statutes, 5-7.5」に定められた法律は「The Aloha Spirit Law」と呼ばれ、ハワイに住む人々は「アロハ・スピリット」に基づいて行動することが求められています。「アロハ・スピリット」とは、自分自身の心や精神といった内面を整え、他人には思いやりをもって接すること。その精神を表現する言葉がALOHAであり、この5つのアルファベットそれぞれに意味が込められているのです。
A:AKAHAI(アカハイ)思いやり
L:LOKAHI(ロカヒ)協調性
O:‘OLU‘OLU(オルオル)喜び
H:HA‘AHA‘A(ハアハア)謙虚
A:AHONUI(アホヌイ)忍耐

これらのキーワードは、ハワイ先住民の人たちが培ってきた、集団で生きるすべであり、たくさんの民族で構成されている現代のハワイの人々にとっても、とても重要な意味をもっています。

さらにこの法律では、「アロハ(ALOHA)」を以下のように定義しています。
・出会いや別れの挨拶以上のものである
・お互いに尊敬し愛情をもって接することを意味し、見返りを求めない思いやりである
・人が他人と生きていくために重要な人間関係の本質である
・言われていないことを聞き、見られないものを見、知ることができないことを知ることである

自分の心と他人の心を通わせる、人間関係の極意といったらよいでしょうか。それがひとつの言葉に凝縮されていると考えられます。

また、ALOHAは2つの単語から成り立っているという解釈があります。「ALO」は(正面)、「HA」は(呼吸、息)という意味があります。古代ハワイの挨拶は額と額を接し合う(密着する)もので、顔の正面を着けあって呼吸をすることから「ALOHA」となったという説です。

他の単語と組み合わせて使う「アロハ(ALOHA)」

他の単語と組み合わせて使う「アロハ(ALOHA)」
アロハのあとに付ける言葉であいさつも変わる ©iStock

現在「アロハ(ALOHA)」は単独で挨拶に使われていますが、下記のように「Aloha ○○」と他の単語と組み合わせて使用されるのが一般的です。
Aloha kakahiaka(アロハ・カカヒアカ):おはようございます(kakahiaka:朝)
Aloha awakea(アロハ・アヴァケア):こんにちは(awakea:正午)
Aloha auinala(アロハ・アウイナラ):こんにちは(auinala:午後)
Aloha ahiahi(アロハ・アヒアヒ):こんばんは(ahiahi:夕方)
Aloha oe(アロハ・オエ):あなたが愛されますように(oe:あなた)

アロハポーズとは?

アロハポーズとは?
シャカサインとハングルースを使い分けてみよう!  ©iStock

「アロハ(ALOHA)」には言葉だけでなく、ポーズがあるのをご存知ですか? 手を握ってグーの形にして、そこから親指と小指を伸ばした形がアロハポーズです。「アロハー」と言いながら、笑顔でこのポーズを取れば完璧です。実はこのアロハポーズ、手の向きによって呼び方や意味が異なるのです。相手に手のひらを見せると「ハングルース(hang loose)」と呼び、こんにちは、ありがとう、またね、気楽にいこうなどの意味があります。逆に、相手に手の甲を見せると「シャカ(shaka)」と呼び、元気? 大丈夫? 頑張ろう! などの意味があります。友人との挨拶だけでなく、運転中に道を譲ったら窓からハングルースをした腕がすっとのびてきたり、車に道を譲られた歩行者が運転手に向かってハングルースを出したり、別れ際に落ち込んだ友人にシャカサインで励ましたり、ハワイの人たちはその時の気持ちによって、ハングルースとシャカを使い分けています。

ハワイ語

ハワイ語
「アロハ」以外にも使いたくなるハワイ語がたくさん ©iStock

「アロハ(ALOHA)」以外に知られているハワイ語には下記の言葉があります。

・マハロ(mahalo):感謝、謝意、ありがとう 「マハロ」は、ハワイへ向かう飛行機で聞いたことがありませんか? CAがアナウンスの最後に言う「マハロ」です。丁寧な言い方にすると「マハロ・ヌイ・ロア(Mahalo nui loa):大変ありがとうございます」となります。ハワイ滞在中、どこかで使ってみたい言葉ですね。

・オハナ(ohana):家族・親族、一族 「オハナ」は、ディズニー映画「リロ&スティッチ」やジョージ・クルーニー主演映画「ファミリー・ツリー」のテーマとなった“家族”という意味です。古代ハワイでは一族が集まって集落を形成していました。その運命共同体がオハナです。また、血縁関係にはない仲間などにも使われます。精神的な信頼関係に基づく絆が存在する集合体もオハナと言えるでしょう。

そのほか、下記もよく耳にする言葉です。
マナ(mana):超自然的な力、神秘的な力
カネ(kane):男性・夫
ワヒネ(wahine):女性・妻
ケイキ(keiki):子供
マウカ(mauka):内陸側
マカイ(makai):海側
オノ(ono):おいしい
ププ(pupu):前菜、おつまみ

また、外来語をハワイ語にしたものもあります。
メレ・カリキマカ(Mele Kalikimaka):メリークリスマス
カイマナ・ヒラ(Kaimana Hila):ダイヤモンドヘッド

まとめ

まとめ
日本人の美徳の意識にも通じるところがある“ALOHA” ©iStock

いかがでしたか? 「アロハ(ALOHA)」にはハワイの人々の心を表す深い意味があり、とても大切にされている言葉です。ハワイを訪れ、毎日の挨拶で「アロハ~」というときに、本来の意味を思い出してみてください。

TEXT:オフィス・オハナ
PHOTO:istock

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筆者

地球の歩き方書籍編集部

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