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茨城の古民家リノベスポットがおもしろい!「江口屋」「旧小林邸ひととき」「藤右ェ門」取材レポ

2020年11月13日

今注目の古民家へ行ってみよう!

「都道府県地域魅力度ランキング2020」で、今年ついに最下位を脱した茨城県。都心から車や鉄道で1〜2時間というアクセスのよさもあり、コロナ禍のマイクロツーリズム先としても注目されています。実は茨城には32,000戸もの古民家があり、近年空き家となった古民家をゲストハウスやレストラン・カフェなどに活用する動きが活発化しています。なかでも今年オープンしたばかりの古民家ゲストハウス「江口屋」と「旧小林邸ひととき」、さらに地元で人気の古民家レストラン「藤右ェ門」をご紹介します!

【江口屋】築110年超、元造り酒屋のゲストハウス

2020年7月に開業以来、満室続きの古民家ゲストハウス江口屋

日本で2番目に大きい湖、霞ヶ浦のほとりに佇む「江口屋」は、明治後期に建てられた造り酒屋をリノベーションしたゲストハウス。昨年かすみがうら市に寄贈された家屋を、市の第三セクター「かすみがうら未来づくりカンパニー」運営のもと、ゲストハウスとして生まれ変わらせ、今年7月にオープンしました。

「江口屋」という名前は、造り酒屋時代の屋号です。鬼瓦にも屋号が刻まれた立派な門をくぐると、タイムスリップしたかのような風情ある平家がお出迎え。館内にさりげなく飾られた看板や農具が、歴史を今に伝えています。

この辺りでは昔から杉が多く生育し、建材としても使われてきました。江口屋の梁や建具もなるべく元の杉の木を生かした造りになっています。客室は8畳ほどの広さで木のぬくもりを感じる落ち着く空間。お風呂、トイレ、ダイニングスペースなどは共用です。現在はコロナ禍ということもあって、宿泊予約は週末に2室のみと限られていますが、1棟貸しもできるので、仲間で借り切って、別荘気分で過ごすのもよさそうですね。

セルフサービスで使える食器類。造り酒屋気分で呑みたい♪
地酒3種飲み比べ(1,400円)も楽しめる

江口屋は造り酒屋のあとに郵便局としても使われていた時代があり、この建物は地域の人々が集まるコミュニティ的な役割を担っていたといいます。歴史ある家屋なのに仰々しさはなく、アットホームな雰囲気なのは、そんな背景があるからかもしれません。

【江口屋】羽釜ごはんや石窯ピザ作り、湖畔でサイクリングも!

10〜15分強火で炊いて、10分ほど蒸らせば完成!

中庭には竈屋(かまや)があり、毎朝羽釜で炊き上げるふっくらごはんがいただけるのもこのお宿の魅力。お米はかすみがうら市産の特別栽培米「ふくまる厳選米」を使用し、一粒一粒がしっかりして噛むほどに甘みを感じます。

おこげができるのも釜炊きならでは

お米を炊くというありふれた日常の行為が、屋外で、しかも羽釜で炊くとなったときの特別感って不思議ですよね。釜と蓋の間から細く登る蒸気に、まだかなと心躍らせ、蓋を開けると湯気とともに広がるお米の甘い香りにうっとり…。旅館やホテルでも羽釜のごはんを提供するところはたくさんありますが、炊き上がりの様子を間近に見られるのはうれしい体験です。

おかずも茨城県産の食材を使ったご飯に合うお供がずらり
楽しい石窯ピザ作り

竈屋のそばには石窯もあり、ピザ作り体験も楽しめます(2,000円)。地元の野菜がふんだんに載ったピザは、生地がモチモチで絶品! サッと釜に入れ、火の位置に合わせて回転させれば、数分で焼き上がります。アツアツの釜焼きピザと、かすみがうらのクラフトビールでチルアウト…なんていう午後の過ごし方も最高ですね。

日本一平坦で走りやすいサイクルロード

霞ヶ浦湖畔の「つくば霞ヶ浦りんりんロード」はナショナルサイクルロードに指定され、サイクリストからも熱い視線を注がれています。江口屋では宿泊者には無料で自転車の貸し出しも行っているので、体を動かしたくなったら、サイクリングに出かけましょう。

居心地のいい古民家で、ごはんを作ったり、湖畔サイクリングを楽しんだりと、がんばりすぎない非日常体験が楽しめる「江口屋」。日々の忙しさに疲れたらまた戻ってきたいと思わせてくれる、すてきなお宿です。

■ ゲストハウス古民家江口屋
・住所: 〒300-0214 茨城県かすみがうら市坂895番地1
・アクセス: JR常磐線「神立駅」より車で20分
・URL: http://www.kasumigaura-kankou.jp/eguchiya/
※Go Toトラベル事業支援対象(詳細はウェブサイト参照)

【旧小林邸ひととき】のんびり古民家はワーケーションの最適解!?

次にご紹介する古民家は、筑波山の中腹、筑波山神社の大鳥居にほど近い「旧小林邸ひととき」。今年10月にオープンしたばかりのゲストハウス&コワーキングスペースです。表札に掲げられている旧小林家は、江戸時代から続く米問屋で、明治時代には筑波山のケーブルカーや筑波鉄道の敷設にも尽力した、この地域の実業家。1,600坪の広い敷地には母屋、ハナレ、3つの蔵があり、庭からは関東平野が一望できる見晴らしのいい立地です。

庭では畑作りの準備中
母屋1階のフリースペース

人口が減っていく地元地域を活性化したいという思いで、旧小林邸の古民家再生に着手した株式会社GoUpの野堀真哉さん。商家造りの建築を活かし、あえてフルリノベーションは行わず、田舎の親戚の家のような落ち着ける空間づくりを心がけたそう。アウトドアや登山客の利用はもちろん、小規模の合宿やワーケーション目的での利用も促します。

景色を眺めながら仕事ができるハナレ

コワーキングスペースとして時間貸しの利用も可能なハナレはWi-Fi完備。その他、プロジェクター、ホワイトボード、マイク、Bluetoothスピーカー、サブモニター、有線マウス、USBケーブル、延長コード、プリンター(1枚/10円)など備品も充実。

ハナレの外観

旅先で仕事(ワーク)をしながら休暇(バケーション)をとる「ワーケーション」というスタイルは、はからずもコロナ禍で脚光を浴びていますが、ワーケーション体験者からは、旅先の観光に時間を取られたとか、豪華なホテルに泊まってしまい施設を堪能するために仕事どころではなかったとか、ずっと宿にこもりきりでリゾート地に来た意味があったのか…などといった声も聞き、ちょうどいいバランスの場所選びに悩んでいる人が多い様子。

緑いっぱいの裏庭を案内してくれたオーナーの野堀さん

「旧小林邸ひととき」は、周囲の観光要素が多くない分、仕事に集中でき、疲れたら庭や筑波山を散策をしたり、古民家でゴロゴロしたりと、都心の喧騒から離れてほどよいリフレッシュができるという点で、ワーケーションスポットの最適解かもしれません。

【旧小林邸ひととき】おしゃれなインテリアやアートもチェック

土間のレセプションスペース

広々とした母屋は築126年。歴史ある立派な建物を活かしつつ、チョークアートで迎えてくれるかわいい土間や、鶴が印象的なふすま、地元つくばのアーティストの絵画などが彩りを添え、伝統とモダンの調和がとれたおしゃれな空間になっています。1階のフリースペースはミーティングや地元のイベントごとなどにも利用されており、この地域の若い力の発信地になりそうな予感!

つくばのアーティスト飯泉あやめさんの作品が飾られた2階客室
美しい壁にも注目

客室は2階で、ダブル、ツイン、和室ドミトリーの3タイプ。ちなみにツインの室内の壁は、オックスフォード大学の茶室も手掛けた左官職人、江原久紀さんによるものなんだとか。なめらかで美しい壁や内装、そして窓から広がるおだやかな自然を愛でながら、ゆったりとしたひとときが過ごせます。

レトロな階段箪笥を上って2階へ

栗林や竹林、柿やビワの木などが生い茂る広大な敷地は今後3年ほどをかけて整備していくそうで、庭の畑で野菜収穫体験なども計画中。ワーケーションにおすすめしたい古民家スポットです。

■ 旧小林邸ひととき
・住所: 〒300-4352 茨城県つくば市筑波937
・料金:
 コワーキング 1日2200円/人
 宿泊 1泊10,000円/人 (宿泊当日と翌日のコワーキング利用、朝食付き)
 離れや和室の貸し切りは3時間5000円、1棟貸し切りは100,000円
・アクセス:
 常磐道 谷田部ICから車約35分。
 つくばエクスプレス 秋葉原駅~つくば駅約50分。
 筑波山シャトル つくば駅~筑波山神社前まで約30分 バス停より徒歩約7分。
 茨城空港より車で約1時間
・公式Facebook: 旧小林邸ひととき
・予約URL: https://reserva.be/hitotoki2020
※Go Toトラベル事業支援対象(詳細はウェブサイト参照)
・イベント案内: https://tukuba-goup.peatix.com/

旧小林邸ひとときについてはこちらの記事もチェック
茨城・筑波山に古民家を再生した宿泊型ワーケーション施設「旧小林邸ひととき」が開業!

【藤右ェ門】ハレの日にぴったりな古民家イタリアンレストラン

有形文化財にしてされている古民家

最後にご紹介するのは、同じくつくばにある古民家レストラン「藤右ェ門」。古民家レストランというと、ほっこり田舎の和食屋などを想像するかもしれませんが、ここはちょっと違います。重厚な門をくぐった先にある大きなお屋敷は築190年の茅葺古民家で、国の有形文化財に指定されています。しかも料理は創作イタリアンというギャップ。完全予約制で、記念日に訪れたい特別感のあるレストランです。

樹齢400年の椎の木がそびえ立つ中庭

店内には大きな梁と黒く光る重厚感たっぷりの廊下、中庭には御神木のように佇む樹齢400年の椎の木と四季折々の草木があり、木々を愛でながら赤絨毯の渡り廊下を進むと、奥には隠れ家のようなダイニングスペースが広がります。料理はコースでランチ3,500円〜、ディナー5,500円〜。

高級旅館のような絵になる渡り廊下
細部までじっくり見たくなる店内
料理は創作イタリアン

「藤右ェ門」はこの建物にひと目惚れしたオーナーの広田さんが、家主との3年におよぶ交渉と1年にわたる改装工事を経て2005年にオープン。歴史ある建物だけに改築工事もかなり大変だったようですが、広田さん自身でデザインも手掛けたというほどのこだわりっぷり。メンテナンス箇所や使用している畳、ランプにいたるまで楽しそうに語るお姿にこの邸宅への深い愛情を感じました。結婚式のリクエストが多いというのもうなずけます。

オーナーの広田栄治さん

■ 藤右ェ門
・住所: 〒305-0018 茨城県つくば市金田 38-1
・TEL: 029-857-4020
・定休日: 月曜(祭日の場合は火曜)
・URL: https://touemon.com/shop/touemon

【藤右ェ門】併設のベーカリーカフェ「蔵日和」も人気

蔵を改装したベーカリーカフェ

藤右ェ門と同じ敷地内には、米蔵をリノベーションした和のベーカリーカフェ「蔵日和」が併設されています。1階のベーカリーにはつくばパンコンテストのメロンパン部門で優勝したメープルメロンパンをはじめ、ごぼうチーズフランスや天然酵母のいちぢくくるみなど、毎日夜明け前から手作りしているというパンがずらり。2階のカフェスペースでは、メインが選べてスープとパンが付いた蔵日和ランチ(1,580円)も楽しめます。

1階のベーカリー
メープルジャムがおいしい一番人気のメープルメロンパン

蔵を利用した建物は藤右ェ門に比べるとこぢんまりとしていますが、カジュアルに利用できる「蔵日和」も地元で人気。取材日は平日でしたが、パンを買い求める人やカフェでティータイムを楽しむ人など、次から次へとお客さんが訪れていました。

■ 蔵日和
・住所: 〒305-0018 茨城県つくば市金田 38-1
・TEL: 029-857-4118
・定休日: 月曜・第1第3水曜
・URL: https://touemon.com/shop/kurabiyori

広い敷地のなかで、密を避けてゆったりとした滞在が楽しめる茨城の古民家スポットは、withコロナ、アフターコロナの新しい旅先として、今後ますます注目を集めそう。ぜひ一度訪ねてみては。

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地球の歩き方編集部 上田暁世

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頁数:128
ISBN:978-4-478-82130-5

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