キャンプのプロに聞きました!キャンプ初心者が気をつけたいwithコロナ時代の楽しみ方

公開日 : 2020年09月25日
最終更新 :
これからキャンプを始めたい人も必見! ©iStock
これからキャンプを始めたい人も必見! ©iStock

新型コロナウイルスをはじめとした感染症のリスクとどう向き合い、これからどのように旅をしたらよいのか? 「新しい生活様式」につづき、「新しい旅のスタイル」を模索するべく、編集部がその道のプロにインタビューし、withコロナ、アフターコロナ時代の旅スタイルをさぐっていきます。今回はキャンプ用品やアウトドアグッズでおなじみのコールマンさんに、今ブームになっている“キャンプ”の楽しみ方と注意点をうかがってきました。

ブームの影でトラブルも!キャンプ初心者が気をつけるべきポイントは?

ブームの影でトラブルも!キャンプ初心者が気をつけるべきポイントは?

密を避けて屋外で楽しめるキャンプは、コロナ禍のレジャーにぴったり。この夏キャンプデビューした人も多いのではないでしょうか? 感染症対策も含め、特に初心者が心得ておきたいあれこれを、キャンプのプロ、コールマン ジャパン株式会社マーケティング本部PRマネージャーの梅園さんに教えていただきました。

編集部:キャンプを楽しむ人が増えていますね。実は私も今年キャンプデビューしたのですが、新型コロナウイルス対策などキャンプ初心者が注意したいポイントを教えていただけますか?

梅園さん:キャンプは密を避けながら楽しい時間を過ごしたり、リフレッシュできる遊びとして見直されていますが、新型コロナウイルスに対して一概にキャンプが安全ということも、キャンプが危険ということもないので、「距離を保つ」「手洗いをする」「マスクをする」「体調が悪ければ中止する」「ケガや病気をしないように特に気をつける」といった基本的な対策を忘れず、常に心がけていただきたいです。

編集部:日常生活における外出時と同じような注意が必要ということですね。

梅園さん:コロナ対策に気を取られがちですが、熱中症や日焼け、虫刺されの対策や、水辺で遊ぶ場合は救命胴衣を着用するなど、アウトドアで遊ぶために必要な安全対策も万全にお願いします。

編集部:たしかに、敵はコロナだけではないですものね。

火を使う道具は特に安全に注意しよう ©iStock
火を使う道具は特に安全に注意しよう ©iStock

編集部:初心者キャンパーが増えているなか、キャンプ場でこれは危険だなと思われた行為などはありますか?

梅園さん:カセットコンロの上に大きな鉄板を置いたり、テントの中でガスやガソリンのランタンを使用したりと、基本的な道具の使い方をご存知ない方は危ないですね。経験者なら知識としても感覚的にも危険だと分かっていますが、初心者の方のなかにはあまりそういう意識がないまま使われていて、事故につながりかけたりするのを見ると、怖いなと思います。

編集部:カセットコンロのボンベ部分が熱くなって起きた爆発事故もありますよね。火災や一酸化炭素中毒を防ぐためにテントの中ではLEDランタンを使うなど、道具の選び方や使い方の知識が必要ですね。

音の鳴るものや騒ぎすぎはNG! ©iStock
音の鳴るものや騒ぎすぎはNG! ©iStock

梅園さん:それに加えて、実はキャンプのマナーを知らないまま来られる初心者の方が増えていまして、ベテランキャンパーたちが眉をひそめていると聞いています。

編集部:具体的にはどんなマナー違反行為でしょうか?

梅園さん:基本的なことなんですが、別グループのキャンプサイトを横断したり、夜遅くまで騒いだり、ほかのキャンパーへの配慮のない行動が目立っているようです。

編集部:大きな音で音楽を流している人もいますよね。

梅園さん:キャンプを始める方が増えるのはうれしい一方、マナーや基本的な知識を知らないままでは危険ですし、ほかの方への迷惑にもなります。自分たちの安全の確保と、まわりの人への配慮をしていただきたいなと思いますね。

編集部:コロナ対策のことばかり考えていましたが、当然ながらまずはマナーや基本知識を心得ないといけませんね。

梅園さん:最近は各キャンプ場のウェブサイトにもルールが細かく書かれています。消灯時間や車の移動時間、手持ち花火はいいけど打ち上げ花火はダメだとか…、まずはそういった注意事項を事前にしっかり読んでください。コールマンではこれまでキャンプの楽しさを伝えるイベントや情報を発信してきましたが、これからはキャンプのマナーやルールについてもお伝えしていく必要があるなと思って準備しているところです。

コロナ禍でのキャンプ場の選び方

コロナ禍でのキャンプ場の選び方
QRコードでのチェックインや消毒の徹底など運営側の対策も充実

編集部:全国にはたくさんのキャンプ場がありますが、コロナ禍におけるキャンプ場選びのポイントはありますか?

梅園さん:現在キャンプ場では、「使用するサイト数を減らす」「1サイトの定員を減らす」「チェックインをオンラインにする」「消毒・清掃作業を徹底する」など、お客さまに安心して来ていただくためのさまざまな努力をされています。

キャンプに不慣れな方は、コロナ禍であってもなくても、自宅からあまり遠い場所は避け、炊事場などの設備が比較的整ったキャンプ場を選ぶほうが安心です。今はイベントやサービスを一時的に中止しているキャンプ場も多いので、気になる方は事前に確認し、マナーを守って利用してください。

編集部:なるほど、まずは近場にある感染症対策のしっかりしたキャンプ場を探したいと思います。混み具合は事前にキャンプ場に確認してもいいですね。

1グループごとに消毒液の貸し出しを行っているキャンプ場も
1グループごとに消毒液の貸し出しを行っているキャンプ場も

キャンプ中の衛生面はこんなところに注意!

キャンプ中の衛生面はこんなところに注意!
共用部ではマスク着用を心がけよう

編集部:不特定多数の人が集まるキャンプ場では、やはり衛生面が気になるのですが、どんなことに気をつければいいでしょうか?

梅園さん:炊事場やトイレなどはどうしても共用になるので、手洗いをいつもよりこまめに、ていねいにするようにしましょう。ふだん一緒に生活していない仲間や親戚とキャンプをする場合は、テンションが上がっておしゃべりの声がどんどん大きくならないように気をつけてください。チェアやテーブルで距離をとったり、共用部でのマスクを心がけましょう。

編集部:チェックイン・アウト時もマスク着用のお願いが書かれたキャンプ場は多いですよね。ちなみに梅園さんはどういった除菌アイテムを持って行かれますか?

梅園さん:私はスプレータイプのものを持って行きます。手を洗う回数は以前よりかなり多くなりましたね。

食器の混同は避けて楽しい食事時間を ©iStock
食器の混同は避けて楽しい食事時間を ©iStock

編集部:衛生的におすすめの料理や調理道具はありますか?

梅園さん:同居家族以外の人と一緒にキャンプをする場合ですが、大皿に盛った料理やBBQの鉄板を直箸でつつくようなことは避け、小皿に取り分けたりホイル焼きなど、ひとり分ずつ調理できるレシピをうまく取り入れましょう。マイ食器を持ち寄ったりグラスマーカーや缶マーカーを使うと、混同を避けることができるかもしれません。

編集部:回し飲みや直箸はついやってしまいがちですが、とにかく他人と食器や食べ物を一緒にしないことが大事ですね。

コールマン社員が使って本当に便利だったアイテム3選

コールマン社員が使って本当に便利だったアイテム3選
人気のアウトドアワゴン。赤以外のコラボバリエも豊富

編集部:キャンプグッズを見ていると、あれもこれも揃えたくなってしまうのですが、コールマンさんのグッズで実際に使って便利だったおすすめアイテムを教えてください。

梅園さん:ひとつは「アウトドアワゴン」ですね。これがなかった頃はどうやってキャンプに行ってたんだろうと思うくらい必需品です。私は2台持ってまして、マンションの部屋から車まで往復しなくてもいいように、2台に荷物を乗せていっぺんに運んでいます。100kgまで積める頑丈な作りでたくさん入りますし、使わないときは小さく収納できるので、本当に便利です。

編集部:実はこれ私も持っています! キャンプ場でもこの赤いワゴンをよく見かけますね。

梅園さん:2015年の発売以来、ずっと売れ続けているベストセラー商品なんです。キャンプ場によっては車をサイトに横付けできないところもあるので、駐車場から自分のサイトまで運ぶときにも便利ですし、子供でもラクに引けるのでお手伝いもしてもらえます。

編集部:かなりの量の荷物が入りますよね。

梅園さん:チェアやタープなど長いものは縦に挿すように入れると、よりたくさん積めますよ。デイキャンプやBBQでも活躍しますし、野球やサッカーの部活で道具を運ぶときのためにチームで持っていたりとか、キャンプ以外でもさまざまな使われ方をしているようです。

ソロキャンプにもぴったりなツーリングドーム/ST
ソロキャンプにもぴったりなツーリングドーム/ST

編集部:ほかにおすすめはありますか?

梅園さん:1〜2人用の「ツーリングドーム/ST」は、小さくて組み立てやすいので、これまでバイクツーリングやフェスなどで使う人が多かったのですが、昨年秋頃からのソロキャンプの盛り上がりに合わせて、選ばれる方がますます増えています。前室が広くて荷物が置きやすいですし、値段もリーズナブルなので人気ですね。

編集部:女性でも簡単に組み立てられますか?

梅園さん:はい、私もふだんはこれをひとり使いしています。ポールが3本だけで気軽に扱えますし、雨が降って、濡れたまま持って帰らなければいけなかったとしても、家のベランダで広げて乾かせるサイズなので便利ですよ。

編集部:コンパクトでお手入れがラクなのはいいですね。

梅園さん:これまでコールマンのギアは、お父さんがいないと組み立てられないような大きいものが多かったのですが、最近は女性やひとりでも組み立てられる小さくて軽量なものが増えてきています。

編集部:それはありがたいです。

持ち運びも便利なバタフライサイドテーブル
持ち運びも便利なバタフライサイドテーブル

梅園さん:それから、パタンと広げるだけで使える「バタフライサイドテーブル」もおすすめですね。たき火の横にお皿やカップを置くテーブルとしても使えますし、水のタンクやクーラーボックスを置いておくなど、いろんな使い方ができるサイドテーブルです。

編集部:大きなテーブル以外に、ちょっとしたものを置きたいときって結構ありますよね。あぁ、また欲しいものが増えてしまいました…。

梅園さん:2〜3回行くと、要るものと要らないものがわかってくると思うので、最初からいっぺんに買わないほうがいいですよ。何年かかけてちょっとずつ揃えていくほうが長く楽しめますしね。

ソログルキャンも人気上昇中!ディスタンスを保つ楽しみ方とは?

ソログルキャンも人気上昇中!ディスタンスを保つ楽しみ方とは?
たき火を囲む時間はキャンプならではの最高のひととき

編集部:ソーシャルディスタンスが求められるなか、キャンプ中でも距離を保ちながら遊べるゲームや過ごし方はあるでしょうか?

梅園さん:せっかくキャンプに出かけたなら、たき火の炎を見つめながら静かに語り合うのが、一番贅沢な過ごし方ではないでしょうか。

編集部:たしかに、たき火はキャンプならではですし、揺れる炎は見ているだけでも癒やされますよね。コールマンの社員のみなさんは最近どんなキャンプをされているのでしょう?

梅園さん:今はあまり遠出もできませんし、大人数で集まることもしにくいので、最小限の道具だけを積んで、近場のキャンプ場に出かけてリフレッシュしています。ベテランの社員は、ソロで気の向くまま好きなところに出かけているようです。

編集部:最小限の道具とはどういったものですか?

梅園さん:お湯を沸かすためのシングルバーナーや小さなお鍋、1人用の小さなテントなどですね。料理も簡単に済ませます。ベテラン社員はバイク乗りも多いので、バイクに積めるだけの荷物になりますね。

ソロキャンプやソログルキャンという楽しみ方も ©iStock
ソロキャンプやソログルキャンという楽しみ方も ©iStock

梅園さん:小さなお子様のいるご家族は別として、これからは大きなテントを大人数で使うよりも、小さめのテントをひとり分ずつ張って、自分のプライベート空間を確保するキャンプスタイルが増えていくと思います。

編集部:最近は「ソログルキャン」という言葉も聞きますよね? テントはひとり用で、料理も基本的に自分の持ってきた道具で作るけど、食べるときはみんなで一緒、というソロとグループのいいとこ取りのような…。

梅園さん:そうですね。以前からフェスなどでは、それぞれ自分のテントを持ち寄って、タープは大きいものをひとつ張って…という楽しみ方があったんですが、最近はソロキャンプも流行ってますし、それぞれソロの装備だけど、一緒に語らう時間が持てるソログルキャンは今のニーズに合っているんだと思います。

編集部:ソロキャンプもかっこよくて憧れますが、やはり誰かと会話したい気持ちもあるので、そんな人にはぴったりなスタイルですね。ディスタンスも保てますし。

紅葉も楽しめる秋キャンプはおすすめ ©iStock
紅葉も楽しめる秋キャンプはおすすめ ©iStock

梅園さん:今までのやり方ですと、道具を持っている人が都合が悪くなったらキャンセルしたりとか、誰が車を出すかとか、まわりの都合に左右されることが多かったですが、各自が自分の最小限の装備で、身軽に動けるという状態が整えば、キャンプ場に入るタイミングも自分次第ですし、先に帰ることもできるし、フレキシブルで、遊びの幅も広がると思うんですよね。

若い人たちにもそういう遊び方をしてほしいなと以前から思っていましたので、ソログルキャンはすごくいいムーブメントだと思います。

編集部:たしかに。でもそれぞれが自立していないとできない楽しみ方ですね。

梅園さん:キャンプに興味はあるけど、誘ってくれたら行くのに…という受け身の方はかなり多いですよね。でもそれではもったいないですし、自分でできるからこそキャンプは楽しいので、その楽しみにぜひ気づいていただきたいです。

編集部:そうですね、私も早く自立したキャンパーになれるよう精進します!

梅園さん:夏にキャンプされる方が多いと思いますが、秋以降のほうが、蚊などの虫も少ないですし、食材が痛む心配も減りますし、たき火のよさも沁みますし、星空もきれいですし…、いいことずくめでキャンプの楽しさを満喫できると思いますよ。

編集部:まさにこれからの季節ですね! 安全とマナーに注意して楽しみたいと思います。ありがとうございました。

お話を伺ったのはこのプロ

お話を伺ったのはこのプロ

コールマン ジャパン株式会社
マーケティング本部PRマネージャー
梅園 あい

2000年の入社以来、メディアやイベントを通じてキャンプの楽しさや魅力を発信し続けている。
趣味は料理とカヌー。

■ コールマン公式サイト
・URL: https://www.coleman.co.jp/

©iStock
©iStock

筆者

地球の歩き方書籍編集部

1979年創刊の国内外ガイドブック『地球の歩き方』の書籍編集チームです。ガイドブック制作の過程で得た旅の最新情報・お役立ち情報をお届けします。

【記載内容について】

「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。

掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。

本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。

※情報修正・更新依頼はこちら

【リンク先の情報について】

「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。

リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。

ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。

弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。