自然の中にシェアハウス 長野・原村 豊かな心を取り戻す

公開日 : 2019年03月10日
最終更新 :
平川浩之さん(前列左端)と、リングリンクに集まった平川さんの仲間たち=菅原宏さん提供
平川浩之さん(前列左端)と、リングリンクに集まった平川さんの仲間たち=菅原宏さん提供

 長野県原村のペンション群に2016年、会員制シェアハウス「リングリンク」が誕生し、年齢性別を問わず人気を集めています。平川浩之さん(54)が「多世代が暮らせる健康長寿村を実現したい」と試験的に経営。写真展や講演会などのイベントも開催し、地域の活動拠点にもなっています。


 平川さんは東京の商社に勤務していました。しかし、仕事を通じて「健康的に生きるには、魅力的な地域で仲間と楽しく、異なる世代と暮らせる場所が必要」と気付き、コミュニティー事業の運営を決意。15年に退社しました。

 同年、フリーアナウンサーの小林節子さん(73)と出会い、小林さんの所有するミニホール「リング リンク ホール」付きペンションを購入します。ホール名には「人の出会いから生まれる輪(リング)を鎖(リンク)のようにつなげて新しい文化を広げたい」などの意味が込められていました。平川さんはその思いに共感し、シェアハウスと運営会社も同じ名前にしました。

 リングリンクはシェアハウス棟とミニホール棟で構成され、共に木造2階建てです。シェアハウス棟の2階には約6畳の個室9部屋があります。また、ミニホール棟では多彩なイベントが開催されています。健康博「ウェルネスタin八ヶ岳」では、整体やマッサージ、セラピーなど心と体の健康維持を体感しました。縄文遺産写真展では縄文時代の生き方、考え方、食生活などを学びました。定期的に持ち物や得意なことを提供しあう「一品持ち寄りの会」も開催され、縁づくりの場ともなっています。

 かつて約100軒あったペンションは時代の流れで半減しましたが、大自然の中で豊かな心を取り戻す活動が、再びこの地で始められています。

 この記事は、全国商工会連合会が地域活性化のキーマンとなる若手経営者育成のため開催した「次世代地域リーダー塾」プログラムの中で、毎日新聞記者の指導を受けて作成されたもので、「地球の歩き方ニュース&レポート」でも掲載しました。
 商工会は、全国1,653カ所の市町村にあり、中小企業の経営支援と地域活性化に取り組んでいる団体であり、全国商工会連合会はその全国団体です。

■全国商工会連合会
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