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【編集部のこんな旅】アメリカの国立公園 私のおすすめハイキングトレイル3コース

2020年08月02日

大自然の懐に飛び込む旅!

大自然が長い時間をかけて創り上げた、けた外れの絶景にあふれているグランドサークル。 その息を呑む景色を目にするために、誰もが一度は訪れたいと思うアメリカの人気のエリアです。 とりわけブライスキャニオン国立公園、ザイオン国立公園はラスベガスからのアクセスが良く、手軽に定番のビューポイントを訪れる日帰りのツアーがたくさん出ています。しかし、それでは素晴らしいアメリカの国立公園をほんの少し体験したに過ぎません。 この絶景を味わうために、少しでも時間を取って「歩く」ことを提案します。歩くことで、眺めていただけの風景を全身で感じることができるのです。今回は「展望を楽しむ」「谷底へ降りる」「頂上を目指す」という異なる3つの視点で絶景を楽しむトレイルを、実際に歩きながら撮影した写真でご紹介します。

【新連載】地球の歩き方編集部員はこんな旅をしてきた!
新型コロナウイルスの流行で海外旅行の再開の目途がなかなか立たない中、編集部では旅の楽しさを伝えるために何ができるか考えてきました。そこで出たアイディアのひとつが「私たちが今までしてきた旅を紹介しよう」というもの。編集部員がプライベートで行った旅先なので、10年以上も前の体験やマニアックなテーマや旅先も出てきます。こんな旅、あんな旅、こだわりの旅…。百人百様の旅紹介となりますが、待ち遠しい海外旅行計画の旅のヒントになればと発信いたします。

ブライスキャニオンNP/リム・トレイル_展望を楽しむ

ブライスポイントからの風景

リム・トレイルは、ブライスキャニオン国立公園(NP)のフードゥー Hoodoo(特異な形をした岩柱、岩の尖塔)を見下ろす崖の縁に沿って、 公園内北部のビューポイントをつないでいるハイキングコースです。 この外側には、ほぼトレイルに沿って自動車が走れる道路があり、ビューポイントを結ぶシャトルバスも運行されているので、どこからでもスタートすることができます。

ブライスポイントは、広い駐車場とシャトルバスのバス停もある
ブライスポイントの展望台

朝から歩くなら、まずブライスポイントまで行って、そこからビジターセンター方面に戻るルートがお勧めです。 方位の関係で、朝の太陽の光がこの岩の尖塔たちをより立体的に見せてくれるのです。 ブライスポイントは、すり鉢状に湾曲している渓谷の北部を高い位置から見下すところにあります。
オレンジ、ピンク、オフホワイトとさまざまな色を見せる岩壁や尖塔たちをじっくり堪能したら、さあ、ハイキングに出発です!

さあ、リムに沿ってハイキングに出発!

トレイルはほぼ平坦で歩いて気持ちのいい、ほんとうに楽しいハイキングコースです。 きっとあちこちで立ち止まってはこの不思議な自然の造形美を見つめ、写真を撮りたくなるでしょう。 すり鉢の縁(=リム)を移動するたびに、刻々と位置を変える太陽の光と相まって、尖塔たちがさまざまな色や表情を見せてくれるので飽きることがありません。

誰もが立ち止まって、写真を撮りたくなる

しばらく歩くとインスピレーションポイントに到着します。ここから見るフードゥーは、 なぜか他のポイントから見るフードゥーよりもきちんと整列しているようでお行儀がよく、若々しく見えます。 夕日に染まる尖塔たちを見るならサンセットポイントが有名ですが、インスピレーションポイントからの夕景も負けず劣らず素晴らしい眺めだそうです。

インスピレーションポイントから見るフードゥーたち

ひとつのビューポイントに留まって、ひとつひとつのフードゥーの形を何かに見立てて物語を想像ながらじっくり眺めるのも楽しいかもしれません。幻想的なこの自然の造形物のさまざまな表情を味わえば、ブライスキャニオン国立公園の思い出はさらに深く心に刻まれることでしょう。


ブライスキャニオンNP/ナバホループ・トレイル_谷底へ降りる

サンセットポイントからの展望

ナバホループ・トレイルは、サンセットポイントからキャニオンの下へと降りていく1周約1.3マイル(2.1km)の周遊コースです。高低差は167m。1~2時間ほどで回れる気軽なトレイルにもかかわらず、ルートは変化に富んでいて見どころの多いトレイルです。

こんな感じでフードゥーの国へと降りていく

展望台からうねうねとくねった道づたいに狭い尖塔の間に初めて降りるときは、思わず胸がどきどきします。 今まで上から眺めていたフードゥーたちに見下ろされると、 「ようこそ」と歓迎されているような、「何しに来たんだ?」と胡散臭がられているような、岩に見つめられる不思議な感覚に襲われます。 これは行ってみなくてはわかりません。 下から見上げると、ひとつひとつのフードゥーたちが、思いのほか大きい尖塔であることが実感できるでしょう。
ウォールストリートと呼ばれる深く狭いトレイルに出たら、狭い岩の間に背伸びしているモミの木は必見です。

左:フードゥーに圧倒される 右:ウォールストリートのモミの木

狭い尖塔の間を抜けて谷底に出ると、明るく開けた気持ちのいいトレイルになります。 痩せてはいるけれど、フードゥーに負けじと木々が空に向かって延びていて、谷底は思いのほか緑にあふれています。天気が良ければ鮮やかなオレンジ色の尖塔と青空とのコントラストがほんとうに美しくゆっくりできるならお弁当でも広げてのんびりしたくなるようなところです。ブライスキャニオン国立公園は標高が高く(最高地点では、2778m。公園全体が標高2000m以上の高さにある)、 全米で最も空気の澄んだエリアのひとつと言われています。空の青さは折り紙付きなのです。

青空とフードゥーのコントラストがほんとうにきれいだ
谷底ではさらにいくつかのトレイルとつながっている

周回コースの後半は、再びフードゥーがそびえる狭い道に入っていきます。 行きと同じようなうねうねとくねった道を上って展望が開けた崖づたいの道に出ると、サンセットポイントの一番の見どころ「雷神のハンマー Thor’s Hammer 」が出迎えるように見えてきます。

再び、フードゥーが目の前に迫ってくる
展望台への最後の上り。左を向くと「雷神のハンマー」が見える

この地に住んでいたネイティブ・アメリカンの人々は、 ブライスキャニオンのフードゥーを人間に化けようとした動物たちが岩になってしまったものだと考えていたそうです。ハンマーと名付けられているけれど、見れば見るほど、この岩がものを言いたげにこちらを見つめているような不思議な感じがしてきます。
サンセットポイントの展望台に戻ってもう一度キャニオンを眺めれば、最初に見たときとは違う感動を味わうことができるでしょう。

「雷神のハンマー」(左)と「三人姉妹 Three Sisters」(右)

ザイオンNP/オブザベーション・ポイント_頂上を目指す

オブザベーション・ポイントからの絶景

オブザベーション・ポイント(標高約1983m)を目指すトレイルは、 往復約8マイル(12.8km)、高低差655m。往復するのに5~7時間ほどかかります。 気軽に歩けるハイキングコースではありませんが、登山道がよく整備されていて、いわゆる「山登り」の経験がなくても、ゆっくり1日かけて歩けば誰でもザイオン国立公園のさまざまな美しさをたっぷり味わうことができます。

ウイーピング・ロック

トレイルヘッド(出発地点)は、シャトルバスの停留所があるウイーピング・ロック。 できるだけ朝早い時間のシャトルバスに乗って到着してください。 また、トレイルには水場がないので、リュックにはたっぷり水を用意しましょう。 なお、ウイーピング・ロック自体も見どころのひとつで、 すぐそばまで行ける停留所から0.5マイル(800m)ほどのトレイルがあります。出発してすぐに九十九折りの上り坂になります。トレイルは急な傾斜がなくよく整備されています。

左:つづら折りの山道 右:一歩一歩着実に

九十九折りの坂道を上りきってフラットな林道をしばらく歩くと景色は一変し、狭く高い岩の壁が立ちふさがる渓谷にはいります。
この川沿いの道は、狭い川原や岩づたいに川の流れを避けながら歩くことになります。 明確な道があるわけではないので、所々に立つ標識を見落とさないように注意する必要があります。

気持ちのいい緑の林道から日が陰るくらい高い峡谷の道へ

渓谷を抜けると、再び一気に視界が開けます。 すでにかなりの高度を稼ぎ、登山道は展望がすばらしい断崖に沿う道に変わります。 とはいえ、道幅はあるので怖くはありません。 ナタで断ち切ったように鋭角にそそり立つケーブルマウンテンとグレートホワイトスローンの姿が見えてきます。坂道を上りきってメサ(岩山の丘)の頂上に出れば、オブザベーション・ポイントはもうすぐです。

手前がケーブルマウンテン、その奥がグレートホワイトスローン
この坂をひと上りすれば、メサの頂上だ

崖づたいに最後の坂道を上りきるとメサの頂上に到着です。ここから道は砂地になって足がとられてちょっと歩きづらいけど、フラットで気持ちのいい草原の道。 頂上に出てからメサの先端へと歩いていけば、オブザベーション・ポイントに到着します。

気持ち良さそうですが、すぐ先は断崖絶壁
眼下に見えるエンゼルス・ランディング

オブザベーション・ポイントからは、ザイオン・キャニオンが一望できます。まさに絶景! ポイントは狭いけど、ここまでたどり着いたハイカーたちは、 みんな譲り合って順番に突端のビューポイントからキャニオンを見下ろし、笑顔で記念撮影です。
絶景を堪能して写真を撮り終えたら、ちょっと腰を下ろして休憩しましょう。帰りにみておく時間は、約2時間半。同じコースを下山します。でも、朝早く出てきたのなら慌てることはありません。 天気が良くてワイルド・フラワーが咲く季節なら、 上りのときは余裕がなくて見落としたきれいな花や途中の風景をたっぷり写真に撮りながら、のんびり下山しましょう。

セイゴー・リリー Sego lily
プリックリー・ペアー・カクタス Prickly pear cactus

DATA

絶景を目に焼き付けたら、さあ、帰りましょう

■ ブライスキャニオン国立公園
・URL: https://www.nps.gov/brca

■ ザイオン国立公園
・URL: http://www.nps.gov/zion

旅行時期:2010年5月

地球の歩き方編集室 三戸良彦

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地球の歩き方編集室
定価:本体1,900円+税
発行年月: 2019年06月
判型/造本:A5変並製
頁数:512
ISBN:978-4-478-82352-1

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