近未来型総合施設「セールスフォース・トランジット・センター」がオープン(アメリカ・サンフランシスコ)

公開日 : 2018年10月04日
最終更新 :
筆者 : Katie M
ターミナルのメインエントランス
ターミナルのメインエントランス

2018年8月、サンフランシスコのダウンタウンに、3ブロックの広さを誇る新しい公共交通機関施設「セールスフォース・トランジット・センター(Salesforce Transit Center)」がオープンしました。本施設は、サンフランシスコ市内にある交通網をつなぐ巨大なターミナルです。今回は、サンフランシスコの新名所となった「セールスフォース・トランジット・センター」の全貌を紹介します。

サンフランシスコ市内にできた最新大型ターミナル

サンフランシスコ市内にできた最新大型ターミナル
ターミナルの外観

総工費用22.6億ドル(約2,450億円)、着工から8年の歳月をかけて完成したのが、「セールスフォース・トランジット・センター(Salesforce Transit Center)」です。長さ440メートル、幅50メートルの大きさを誇る、地上4階、地下2階の巨大な建物です。

「セールスフォース・トランジット・センター」は、1階部分がメインロビー、2階部分がレストランやショッピングスペース、3階部分がバスターミナル、4階部分が空中庭園となっています。

1階エリア:メインロビー

1階エリア:メインロビー
1階部分となるメインロビーの様子

「セールスフォース・トランジット・センター」の1階部分は、メインロビーになっており、市内の公共交通機関であるMUNI(ミュニ)にアクセスしたり、バスの到着時刻を大きな電光掲示板で確認したりすることができます。

こちらの施設の大きな特徴は、自然の光がどこからでも入り込むように、明かり取りの仕掛けがふんだんに使われていること。1階部分のメインロビーには光がようようと差し込み、明るく開放的な雰囲気が漂います。古めかしくて暗いイメージが多かったアメリカのバスターミナルの雰囲気を一新させる斬新なデザインが見どころです。

ターミナルの新しいアイコン
ターミナルの新しいアイコン

メインロビーの中央部分には、建物のアイコンでもある、筒型の大きな明かり取りが設置されています。巨大ターミナルの隅々まで自然光が行き届くように、深く計算された緻密なデザインが施されています。

天井を仰ぐとスカイライト
天井を仰ぐとスカイライト

「セールスフォース・トランジット・センター」は縦に長いため、メインとなる筒状の明かり取りの両脇に、写真のようなスカイライトが取り付けられています。

屋上にある空中庭園に植えられた木々や、スカイライトを歩く人々のシルエットが浮かび上がるように、遊び心のある仕掛けが施されています。

2階エリア:テナント街(現在工事中)

2階エリア:テナント街(現在工事中)
現在工事中の2階部分

「セールスフォース・トランジット・センター」の2階部分は、現在(2018年9月末)工事中です。近々、こちらには、複数の飲食店や小売店などが入店する予定となっています。完成すると、ここで食事をしたり、ショッピングを楽しんだりすることができます。どのような店舗が入店するのか、今から楽しみです。

3階エリア:バスターミナル

3階エリア:バスターミナル
バスターミナルの様子

「セールスフォース・トランジット・センター」の3階部分は、バスターミナルとなっています。こちらには、長距離バスを運行する「グレハウンド」をはじめ、近郊から市内への通勤バスの役割を果たす「ACトランジット」や「サムトラム」などが乗り入れています。バスターミナル一帯には、電光掲示板が使われたパネルが並んでおり、近代的でミニマルなデザインに目をひかれます。

サンフランシスコでは、このバスターミナルの登場によって、通勤時間帯の渋滞が暖和されると期待されています。

バスターミナルに施された透し模様のパネル
バスターミナルに施された透し模様のパネル

バスターミナルの側面部分は、レースのような透かしの入った幾何学模様の白いパネルで覆われています。直射日光を避け、やさしい自然光がターミナル内に入るようになっています。

縦9.14メートル、横13メートルの大きさからなるこのアルミニウム製のパネルは、なだらかに波打つような流動的なデザインが施されています。外側から見ても、バスターミナルの内側から見ても、エレガントで上品な印象を与えてくれます。

4階エリア:空中庭園

4階エリア:空中庭園
大都会の真ん中に緑の木々

「セールスフォース・トランジット・センター」の4階部分(屋上)は、サンフランシスコ市民がもっとも注目しているのではないかといわれる空中庭園です。総合面積5.4エーカー(約21,853平方メートル)の広さを誇り、600本の木々と 16,000本の草花が植えられています。

こちらの空中庭園は、気分転換を兼ねた休憩に利用するのはもちろん、芝生広場や遊具場もありますので、レクリエーションやピクニックなどの用途にもぴったりです。

公園の周りに設置された小道
公園の周りに設置された小道

空中庭園には、園内をぐるっと一周できる、全長880メートルにおよぶ小道が設けられています。小道の脇には多数のベンチも設置されているため、好きなポイントで座って、休憩したり景色を眺めたりすることが可能です。

不規則に動く噴水レーン
不規則に動く噴水レーン

北側の小道の脇には、真下を通るバスにセンサーが反応して、瞬時に稼働する噴水が備え付けられています。不規則に動く噴水は、見ているだけでも楽しいのですが、子供達にとっては、噴水を追いかけっこして楽しめる絶好の遊び場にもなっています。

子供達が集う中央広場
子供達が集う中央広場

空中庭園の入り口の隣には、中央広場があり、小さな図書館やゲームコーナーが設置されています。充分な数の椅子やテーブルが用意されていますので、小さな子供を中心に家族で楽しめる場所として人気です。

空中庭園の西側の様子
空中庭園の西側の様子

空中庭園の西側には、広い芝生広場が設置されています。ここでは、芝生の上でのピクニックをはじめ、毎週行われている無料のヨガクラスやズンバのクラスに参加することができます。

また、芝生広場には小さなステージが備え付けられており、今後はさまざまな屋外イベントが催される予定となっています。

アメリカ西海岸で一番高い「セールスフォースビル」

アメリカ西海岸で一番高い「セールスフォースビル」
青空に映える「セールスフォースビル」

大きな関心を集めるターミナルの隣には、アメリカ西海岸で一番の高さを誇る「セールスフォースビル」も建設され、同じく話題を呼んでいます。なお、「セールスフォース・トランジット・センター」は、これから2階部分の開発をはじめ、将来的には地下部分に、ベイエリアを結ぶ「Caltrain(カルトレイン)」や、現在開発中の「カリフォルニアハイスピード線」などの乗り入れも予定されています。今後の発展が見逃せません。

いかがでしたか。2018年8月にオープンした、アメリカ・サンフランシスコの新しい公共交通機関施設「セールスフォーストランジットセンター」を紹介しました。サンフランシスコを訪れたら、今もっとも注目されている話題のスポットに足を運んでみてください。

筆者

アメリカ・カリフォルニア州特派員

Katie M

18歳での留学をきっかけに渡米。現地で役立つライフスタイルやトレンドなどを紹介します。

【記載内容について】

「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。

掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。

本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。

※情報修正・更新依頼はこちら

【リンク先の情報について】

「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。

リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。

ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。

弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。