【オーストラリア 旅の最新事情】日本出発前のPCR検査不要!旅の準備や入国の流れを詳細解説

公開日 : 2022年05月26日
最終更新 :
シドニーではクルーズ観光も戻ってきている
シドニーではクルーズ観光も戻ってきている

オーストラリアはワクチン接種者に対し2021年12月から日本人観光客の受け入れを開始し、2022年の4月半ばには入国前のPCR検査も不要となっています。世界中から観光客受け入れるための旅行商談会ATE(Australian Tourisum Exchange)も開催されるなど、オーストラリアへは世界各国から確実に観光客が増えてきています。コロナ禍前とほとんど変わらない手続きで旅が楽しめるオーストラリア。2022年5月上旬に羽田⇒シドニーへの移動を体験した「オーストラリア編」編集者が、日本での準備からオーストラリア入国までの流れを実体験とともに解説します!

日本出発前に行うこと

日本出発前に行うこと
アプリで登録が基本の「電子渡航認証ビザ」と「デジタル渡航認証」

オーストラリア行きフライトに乗る前に手続きしておかなければいけないのは次の3つ。どの手続きを行うにしても、パスポート情報を読み取ることができるNFC機能付きスマホが必須です。※NFC機能とはかざすだけでその機器と通信ができて必要な決済ができる機能のこと

①公的機関発行のワクチン接種証明書(英文付き)
マイナンバーカードを持っていればデジタル庁による「新型コロナワクチン接種証明書アプリ」利用がいちばん便利。マイナンバーカード、パスポート情報の読み取りですぐにワクチン接種証明書が取得できます。
■新型コロナワクチン接種証明書アプリ
・URL: https://www.digital.go.jp/policies/vaccinecert/

マイナンバーカードを持っていない場合は、居住自治体の役所で紙のワクチン接種証明書を取得する必要があります。自治体によって手続き方法が、窓口申請や郵送申請など異なっているので注意。発行まで1~2週間程度かかるのが普通です。詳細は各自治体に問い合わせましょう。

②オーストラリア入国のための電子渡航認証ビザETA
コロナ禍前は旅行会社や申請代行業者経由で取得できましたが、現在は専用アプリ「Australian ETA」からのみ申請可能。言語が英語のみなのでちょっと難しく見えますが、ゆっくり内容を読みながら行えば大丈夫。途中パスポートの顔写真が写っているページの写真撮影、パスポートのIC情報の読み取り、顔写真撮影などがあります。またオーストラリアでのコンタクトアドレスを入力する画面がありますが、ここは宿泊予定のホテルの住所、電話番号でOK。申請後24時間以内に登録メールあてに入国ビザがPDFで送られてきます(実際には10~30分くらいで送られてくることが多いようです)。なおETAは取得から1年間有効で、1回の滞在につき3ヵ月まで認められています。
■Austraian ETA
・URL: (iOS) https://apps.apple.com/jp/app/australianeta/id1527982364
・URL: (Andrroid) https://play.google.com/store/apps/details?id=au.gov.homeaffairs.eta&hl=ja&gl=US
・料金: システム料としてA$20。クレジットカード支払いでAMEX、VISA、Masterが利用可能。

③オーストラリアデジタル旅客宣言DPD
やはり専用アプリ、もしくはウェブサイトから登録で、こちらは無料。入力画面は最初は日本語ですが、途中から英語。こちらもゆっくりあせらずにやれば問題ありません。基本的にはオーストラリアへのフライト情報、パスポート情報、ワクチン接種証明書の内容、そしてワクチン接種証明書の画像アップロードとなります。すべての登録が終わると登録完了メールが届きます。必ず申請内容のDPD summaryはスクリーンショットを撮っておくようにしましょう。
■Australia DPD
・URL: https://dpd.homeaffairs.gov.au/
・URL: (iOS)https://apps.apple.com/us/app/australia-dpd/id1590788781
・URL: (Andrroid) https://play.google.com/store/apps/details?id=au.gov.homeaffairs.dpd&hl=ja&gl=US

5月初旬の羽田空港国際線ターミナルは夜間にほとんど店が閉まっている

5月初旬の羽田空港国際線ターミナルは夜間にほとんど店が閉まっている
寂しい雰囲気の羽田空港国際線ターミナル。旅行客が増えればお店もオープンするはず

海外旅行が少しずつ再開されてきていますが、まだ以前ほど多くの人たちが往来しているわけではありません。そのためオーストラリアへの直行便が発着する羽田空港国際線ターミナル(T3)は、以前のようににぎわっていないのが現状です。特に夜間のフライトを利用する場合は注意が必要。日中でも休業してしまうお店が多い中、夕方18:00以降では開いているお店を探すほうが難しいぐらいです。出国審査後の制限エリア内では、さらに開いているお店が限られます。深夜便を利用する場合は、空港到着前に食事をすませておくか、何か食べるものを少し持っておく方がいいかもしれません。

なお空港内の店舗の営業時間は今後変わる可能性が高いので、羽田空港国際線ターミナルのウェブサイトで営業時間を確認しておくのが賢明です。
■羽田空港国際線ターミナル
・URL: https://tokyo-haneda.com/floor/terminal3/index.html

オーストラリア入国はあっけないほど簡単

オーストラリア入国はあっけないほど簡単
入国審査場へ向かう通路に数ヵ所セルフの入国審査機ブースがある。空いているところで済ませよう

オーストラリアへのフライトでは、機内食時以外は、原則マスク着用が義務づけられています。筆者はフライトが全日空シドニー便で羽田22:20発だったこともあり、機内食後はぐっすり眠り、目が覚めたらもうオーストラリア上空でした。ちなみに搭乗したのはGW連休明けの平日。搭乗率は70%以上とかなりに混雑です。なおフライト中にオーストラリア入国カード(日本語版)が配られるので、降機前に記入しておきましょう(記入の仕方は『地球の歩き方オーストラリア編』など参照してください)。

オーストラリアの入国――ウィズコロナでどのくらい面倒なのかと身構えていたのですが、いい意味でびっくり。以前と何も変わりがありません。入国審査場へと続く通路の数ヵ所にセルフの入国審査機ePassport Self-serviceの端末があり、日本のパスポートを読み取らせ、日本語の質問に答えるだけ。入国審査用チケットが出てくるのでそれを受け取り入国審査場へと進みます。

入国審査では入国審査用チケットを機械に差し込んで顔写真撮影をするだけで終了です(チケットは返却されるので取り忘れないように)。あとは荷物を受け取り、税関検査場で入国審査用チケットと入国カードを渡して、特に申告するものがなければそのまま到着ロビーへと出られます。筆者はフライト到着後到着ロビーまでかかった時間は30分ほどでした。

シドニー到着後まずすること

シドニー到着後まずすること
到着したらまず薬局でRAT検査キットを手に入れよう

オーストラリアは州の自治権が強く、入国後は各州のルールに従う必要があります。シドニーのあるニューサウスウェールズ州の場合、5月現在シドニー到着後24時間以内に自分で簡易抗原検査(RAT検査)を行い、陰性を確認する必要があります。検査キットは空港や市内の薬局で簡単に手に入るのでホテルに荷物を置いたら、まず購入しましょう。1個A$20前後、3個セットや5個セットだと割安になります。シドニー以外も旅行する予定ならまとめ買いしておくのもいいでしょう。

検査時間は15分ほど。ホテルの部屋へ戻ってこのチェックをしている時間が、今回到着後にいちばん緊張しました(笑) 陰性であれば何もする必要はありません。陽性の場合は医療機関でPCR検査を再受診し、新型コロナに罹患しているかどうかのチェックが行うことになります(陽性の場合のみ自主隔離となります)。ちなみにPCR検査ができる医療機関はシドニー市内に数多くありますし、シドニー空港国際線ターミナルにも最大90分で結果が出るPCR・抗原検査場があります(日本帰国前の検査にも便利)。

■空港PCR・抗原検査
・URL: https://www.histopath.com.au/locations/airport

実際に町に出てみると、屋外はもちん、デパートなどの屋内でもマスクしている人はほとんどいません。筆者も最初は気にしてマスクをしていたのですが、現地在住の友人から「マスク着用者は濃厚接触者やコロナ罹患明けの人が多いので、そういう目で見られたくなかったらマスクを外した方がいいかも」と忠告を受けました。ただし、トラムや電車、バス、さらに空港内、オーストラリア国内線フライトなどは、2022年5月現在もマスク着用が推奨(もしくは義務化)されています。なのでマスクは必ず持ち歩くようにした方がいいでしょう。

シドニーの新開発地区バランガルー。平日の昼過ぎでも大勢の人でにぎわっていた
シドニーの新開発地区バランガルー。平日の昼過ぎでも大勢の人でにぎわっていた

旅行商談会ATE(Australian Tourisum Exchange)の会場へ

旅行商談会ATE(Australian Tourisum Exchange)の会場へ
オーストラリア先住民、アボリジナル(左)とトレス海峡民(右)による歓迎セレモニー

5月16日~18日、シドニーの国際会議場ICCで、世界中の旅行会社・旅行関係者、そしてオーストラリア現地のツアーオペレーター、アトラクション、ホテル関係者などが一堂に会して大商談会が開催されました。その数総勢1100人あまり。世界中からメディア関係者も100人近く取材に訪れていました。初日の朝には、まず先住民(アボリジナルとトレス海峡民)によるこの国への訪問を歓迎する踊りと儀式が行われ、スタート。

オーストラリア政府観光局総局長のフィリパ・ハリソン氏
オーストラリア政府観光局総局長のフィリパ・ハリソン氏

ATEプレス発表会において、オーストラリア政府観光局総局長のフィリパ・ハリソン氏が
「コロナ禍の過去2年の間、オーストラリアはさまざまな取り組みを行ってきました。そして今、数多くの新しくエキサイティングな体験や施設が準備され、オーストラリアを旅先にする最高の時期を迎えています」
こう述べ、各州政府観光局による発表では、オーストラリア各地で新たにオープンした数多くの魅力的なホテルから、環境に配慮したさまざまな現地ツアーや体験施設などの紹介がありました。この2年間、オーストラリアの観光関連業は決して黙っていたのではなく、みんなが旅できる時期が来たときによりよい体験をオーストラリアでしてもらうことを目的に、多くの取り組みをしてきたのだということを実感させられました。

2年以上ぶりの海外取材で取材したい場所が尽きません! このあともオーストラリアの取材トピックスを歩き方ニュース&レポートで随時紹介していきます。

商談会は「新しいオーストラリア体験」を旅行商品として旅行客に届けるための重要な場
商談会は「新しいオーストラリア体験」を旅行商品として旅行客に届けるための重要な場

旅のバイブル「地球の歩き方」ガイドブック

オペラハウスのあるシドニー、歴史ある美しい街メルボルン、世界遺産の海と森ケアンズ、珠玉のビーチが続くゴールドコースト、世界遺産ウルル(エアーズロック)。これらオーストラリアの魅力的な街や大自然を自由自在に楽しむノウハウが満載。本書を片手に、さあ、感動あふれる大陸へ出かけよう。

※当記事は、2022年5月25日現在のものです

TEXT: 『地球の歩き方ガイドブック オーストラリア』編集担当 伊藤伸平   
PHOTO: 伊藤伸平

〈地球の歩き方編集室よりお願い〉
渡航についての最新情報は下記などを参考に必ず各自でご確認ください。
◎外務省海外安全ホームページ
・URL:https://www.anzen.mofa.go.jp/index.html
◎厚生労働省:新型コロナウイルス感染症について
・URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html

筆者

地球の歩き方書籍編集部

1979年創刊の国内外ガイドブック『地球の歩き方』の書籍編集チームです。ガイドブック制作の過程で得た旅の最新情報・お役立ち情報をお届けします。

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