海外旅行・観光情報の「地球の歩き方」TOP >ニュース&レポート >旅行形態 >ヨーロッパ >フランス >ディジョン >世界遺産と美食の宝庫! フランス、ブルゴーニュ・フランシュ・コンテ地方のおすすめスポット

世界遺産と美食の宝庫! フランス、ブルゴーニュ・フランシュ・コンテ地方のおすすめスポット

2019年12月10日

丘の上に立つヴェズレーの村

45件のユネスコ世界遺産登録数(2019年12月現在)を誇るフランスのなかで、最も多い8件の世界遺産を有するブルゴーニュ・フランシュ・コンテ地方。さらに、ブルゴーニュといえばワイン、コンテといえばチーズを思い浮かべる方も多いように、フランスを代表する美食エリアでもあります。世界遺産とワインとチーズ……、フランスの旅の楽しみが凝縮されたかのような、ブルゴーニュ・フランシュ・コンテ地方のおすすめスポットをご紹介しましょう!

ブルゴーニュ・フランシュ・コンテ地方ってどこにあるの?

濃いピンクのエリアがブルゴーニュ・フランシュ・コンテ地方

言わずと知れたフランスワインの生産地「ブルゴーニュ」と、その東にスイスとの国境まで広がる「フランシュ・コンテ」は、もともと別の地域圏でしたが、2016年の合併統合により、ひとつの地方になりました。州都であるディジョンDijonは、かつてフランスをしのぐ大国だったブルゴーニュ公国の首都として栄えた町で、現在も華やかな時代を思わせる芸術作品にあふれています。パリからディジョンへはTGVで約1時間35分。この地方を旅するにはディジョンを拠点にするか、パリからTGVで約2時間30分のブザンソンBesançonを出発地にしても世界遺産を巡りやすいです。

コルビュジェ建築から巡礼の聖地まで、珠玉の世界遺産を訪ねよう

カニの甲羅をモチーフにしたユニークな形のロンシャン礼拝堂

オクシタニー地方と並び、フランス最多8件の世界遺産を数えるブルゴーニュ・フランシュ・コンテ地方ですが、なかでも一度は行ってみたい、美しい世界遺産を4件ご紹介します。

● ロンシャン礼拝堂La Chapelle de Ronchamp
「近代建築の父」と呼ばれる建築家ル・コルビュジェによる、1955年建造の小さな礼拝堂で、2016年にコルビュジェ作品群のひとつとして世界遺産に登録されました。正式名称はノートルダム・デュ・オーChapelle Notre-Dame du Hautですが、地名にちなんで「ロンシャン礼拝堂」の通称で親しまれています。小高い丘に立つ礼拝堂は、なだらかな丘陵に共鳴するかのように曲線が多用されていて、直線的な建築物の多いほかのコルビュジェ作品とは印象が異なります。カニの甲羅をイメージしたといわれる独特の形が特徴的ですが、周囲の自然環境に美しく調和していて、不思議と違和感はありません。

光が差し込む季節や時間帯によって表情が変わる礼拝堂内部

窓は、外壁よりも内側に大きく広がっていて、やわらかく差し込む太陽が、光あふれる聖空間を生み出しています。内部はとても静かで、少しの物音もよく響くのですが、実はこの礼拝堂、劇場並みに音響がすばらしいことでも有名で、多くの合唱団がここで歌いたいと希望してくるそうです。光の粒に照らされた神秘的な礼拝堂に響き渡る歌声は、幻想的で美しい光景に違いありません。

■ ロンシャン礼拝堂へのアクセス
・住所: 13, rue de la Chapelle 70250 Ronchamp
パリからTGVで約2時間30分のブザンソンへ。ブザンソンからTERで約1時間15分のベルフォールBelfortで乗り換え、TERで約20分のロンシャンRonchampで下車。駅から礼拝堂までは約2km。
・URL: https://www.collinenotredameduhaut.com

世界の卓越した産業建築例として世界遺産に登録された王立製塩所

● アルケ・スナン王立製塩所Saline Royale d'Arc et Senans
1775年から1779年にルイ16世の治世下で造られたアルケ・スナン王立製塩所。この一帯は岩塩が豊富で、塩は当時のフランス経済を支える産業のひとつでした。アルケ・スナン王立製塩所は、いわゆる製塩所の趣とは異なり、神殿風の建物が半円形に並ぶ美しい形状が目をひきますが、それもそのはず、当初は製塩所だけでなく研究所や住居なども備えた、“円形”の理想都市を造る構想だったそうです。設計をしたのは王室のお抱え建築家クロード・二コラ・ル・ドゥー。残念ながら、半分までできたところで財政上の理由により建設はストップし、理想の円形都市は未完に終わりました。現在は製塩の歴史や模型の数々が展示された博物館になっており、一部はホテルに改装されているので、世界遺産での宿泊体験もできちゃいます。

音楽コンサートやガーデンフェスティバルなども開催されている

アルケ・スナン王立製塩所は1982年に世界遺産登録されましたが、2009年に約20km離れた旧製塩施設の「サラン・レ・バン製塩所」を加えて、拡大登録されました。

■ アルケ・スナン王立製塩所へのアクセス
・住所: EPCC Saline Royale Grande rue 25610 Arc et Senans
パリからTGVで約2時間30分のブザンソンへ。ブザンソンからTERで約25分のアルケ・ス・ナンArc et Senans駅下車。駅から製塩所までは徒歩約3分。
・URL: https://www.salineroyale.com

人里離れた森の中に静かに佇むフォントネー修道院

● フォントネー修道院Abbaye de Fontenay
1118年に建てられたフォントネー修道院は、現存する最も古いシトー会修道院です。「シトー会」というのは、ブルゴーニュ出身の青年修道士ベルナールが創設した修道会で、華美な生活を送るクリュニー会への反発から1098年に発足しました。清貧・質素を信条に、祈りと労働を守る生活を送る会派で、修道院の建物も、装飾が排除された簡素な造りになっています。フランス革命後に製紙工場となった時代もありましたが、その後修復が進められ、現在は創建当時の姿を取り戻しました。1981年に世界遺産に登録されています。

■ フォントネー修道院へのアクセス
・住所: 21500 Montbard
パリからTGVで約1時間35分のディジョンへ。ディジョンからTERまたはTGVで約35分のモンバールMontbard下車。駅から修道院は約5km。
・URL: http://www.abbayedefontenay.com

フォントネー修道院の回廊

ちなみに、フランスを代表するファッションデザイナー、ココ・シャネルは、幼い頃(この修道院ではありませんが)シトー会修道院に併設された施設で育てられました。シャネルのシンプルながら美しいミニマルなデザインや、「C」を背中合わせにしたロゴは、シトー会の影響によるものではないかと言われています。フォントネー修道院のEric Viellardさんによると、フォントネー修道院内の建物のどこかにも、「C」を背中合わせにしたマークがあるそうなので、訪れた際には探してみるのもおもしろいかもしれませんね。

サント・マドレーヌ・バジリカ聖堂と丘の上にあるヴェズレーの村

● ヴェズレーの教会と丘Basilique et colline de Vézelay
スペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラに通じる巡礼路の起点として栄えたヴェズレーは、中世の雰囲気をそのまま残した美しい村。「フランスで最も美しい村」にも登録されています。マグダラのマリアに捧げられたサント・マドレーヌ・バジリカ聖堂は、丘の上に立つ村のシンボル。毎年、夏至には太陽の光が祭壇までのびる「光の道」ができ、それを求めて訪れる巡礼者も多いのだとか。サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路自体も世界遺産ですが、ヴェズレーの丘とサント・マドレーヌ・バジリカ聖堂は、単独で1979年に世界遺産登録されています。

■ ヴェズレーへのアクセス
パリからTERで約2時間30分のセルミゼル・ヴェズレーSermizelles-Vézelayへ。国鉄バスに乗り換えて約15分、Vézelay-Champ Foire/RD951下車。


フランスを代表するワインとチーズがお待ちかね!

ドメーヌ・フルーロ・ラローズの白ワイン

ボルドーと並ぶフランスの2大ワイン生産地ブルゴーニュ。ボルドーと違って単一品種のぶどうから作られるブルゴーニュワインは、豊かな香りと高貴な味わいが特徴で、有名なロマネ・コンティをはじめ最高級のワインを多く生み出しています。実は、ブルゴーニュのワイン栽培地も世界遺産に登録されています。2018年には、日仏友好160周年で訪仏された当時皇太子さまだった天皇陛下も、ブルゴーニュのワイナリーを訪問されました。ちなみに、訪れたのはサントネーSantenayという村にある、ニコラさんと日本人妻クミコさんのワイナリー、ドメーヌ・フルーロ・ラローズDomaine Fleurot-Loarose。ぶどう畑やカーヴをご覧になられたそうです。
「黄金の丘(コート・ドール)」と呼ばれる美しい丘陵地の風景を眺めながらワイナリー巡りをするのも、この地方の楽しみ方のひとつ。現地発のワイナリー見学ツアーの情報は『フランス編2020-21』で詳しく紹介していますので、参考にしてみてください。

こっくりとした旨味のある12ヵ月熟成のコンテチーズ

ワインとくれば、チーズも欠かせませんね。この地方の代表格といえば、フランスで最も生産量の多いコンテComté。ナッツのような風味をもつハードタイプで、フランスの家庭に欠かせないポピュラーなチーズです。コンテはスイス国境に近いジュラ山脈の一帯で作られ、熟成期間が長いほど旨味成分が強くなります。フランス人は8ヵ月熟成くらいの比較的フレッシュなものを好むそうですが、旨味文化の日本人はもっと長期間熟成させたものを好む人が多いのだとか。ほかにも、コンテから生まれたチーズ、モルビエMorbierや、冬季限定のとろっとろなモン・ドールMont d'Or(スプーンですくっていただきます!)もこの地域の名産です。ブルゴーニュのほうでは、マール酒で洗いながら熟成させたエポワスEpoissesや、ラミ・デュ・シャンベルタンL'Ami du Chambertinなど、香り強めで個性的なウォッシュタイプのチーズがよく知られています。

世界の美食家が訪れるレストランとおすすめホテル

芸術的な料理と客室©Jonathan Thévenet

ワインやチーズだけでなく、ブルゴーニュ・フランシュ・コンテ地方は38軒ものミシュラン星付きレストランを有する美食エリア。なかでも、あるレストランを目当てに世界の美食家たちがこの地方を訪れるのをご存知ですか?それは、ブルゴーニュのソーリューSaulieuという町にある5つ星ホテル「ル・ルレ・ベルナール・ロワゾーLe Relais Bernard Loiseau」のレストラン「ラ・コート・ドールLa Côte d'Or」。 一代でミシュランの3つ星を獲得したフランス料理界の重鎮、故ベルナール・ロワゾー氏のレストランです。フランス料理の概念を変えたと言われる、バターやオイルを使わない「水の料理」を考案したロワゾー氏の精神を引き継いで、彼亡きあとも2つ星を獲得しています。ホテルの客室は木材を多用したあたたかみのあるインテリアで、なんと言ってもおいしい料理を心ゆくまで堪能して、そのままベッドへ直行できる幸せ!一度は体験してみたいですね。

ル・ルレ・ベルナール・ロワゾー©B.PRESCHESMISKY

■ ル・ルレ・ベルナール・ロワゾーLe Relais Bernard Loiseau 
ラ・コート・ドールLa Côte d'Or
・住所: 2 rue d'Argentine 21210 Saulieu
・URL: https://www.bernard-loiseau.com/en/

ホテルリ・セードル・ボーヌのエレガントなレストラン

ブルゴーニュで最も有名なワイン祭り「栄光の3日間」が開催される町ボーヌBeauneにある5つ星ホテル「ホテルリ・セードル・ボーヌHostellerie Cèdre Beaune」もおすすめしたいホテルのひとつ。夏は樹齢100年の樫の木が美しい庭園で、冬は趣のある暖炉の前で、ゆったりとした時間を過ごせます。40室ある客室はバスタブ付きツインが多く、使い勝手も◎。ホテルに隣接する19世紀の邸宅を改装したレストランでは、27歳の若きトップシェフによる地元食材を使った料理を味わえます。2020年3月にはフランスの人気コスメブランド「ニュクス NUXE」のスパもオープン予定だそうです。

緑に囲まれてリラックスした時間が過ごせる

■ ホテルリ・セードル・ボーヌHostellerie Cèdre Beaune
・住所: 10-12 boulevard Maréchal Foch 21200 Beaune
・URL: https://www.cedrebeaune.com/en/

まとめ

世界遺産の「ヴォーバンの要塞」がある町ブザンソンも必見

ミシュランの星を獲得している日本人シェフのレストランもたくさんあるブルゴーニュ・フランシュ・コンテ地方。さらにブルゴーニュには、「ハリー・ポッター」シリーズの翻訳者、松岡・ハリス・佑子さんと夫ボブ・ハリスさんが所有するシャトーがあったり、ブザンソンには隈研吾氏が手がけた「ブザンソン芸術文化センター」があったりと、いろんな場所で日本との縁を感じる地方でもあります。旅のベストシーズンは、ぶどう畑が黄金に輝く秋。この地方の旅行情報は『フランス編2020-21』で詳しくご紹介しています。世界遺産と美食を堪能しに訪れてみてくださいね。

地球の歩き方編集部 上田暁世

お気に入り

※この記事が気に入った方はクリック

関連書籍

地球の歩き方 ガイドブック A06 フランス 2020年~2021年版

地球の歩き方 ガイドブック A06 フランス 2020年~2021年版

地球の歩き方編集室
定価:本体1,700円+税
発行年月: 2019年11月
判型/造本:A5変並製
頁数:560
ISBN:978-4-478-82405-4

詳細はこちら

このニュースに関連する他のニュース

フランスの現地ツアー