マリトッツォにポルボロン? ヨーロッパの甘~いご当地スイーツを一挙紹介!

公開日 : 2021年08月02日
最終更新 :
スイーツで甘く幸せなひとときを過ごそう
スイーツで甘く幸せなひとときを過ごそう

ヨーロッパ各国にある、その土地で生まれたスイーツたち。食べて幸せな気持ちに浸るのはもちろん、発祥や由来を学べば、より深くその国のことを知ることができるはず。今人気のマリトッツォに続くネクストブレイクスイーツがここから生まれるかも!? 来たる旅の再開に備え、本記事でおいしい脳内予習のお時間をどうぞ♡

「アモーレ」の国、イタリアのスイーツ

「アモーレ」の国、イタリアのスイーツ
たっぷりの生クリームをサンド

マリトッツォ
Maritozzo

現在、日本で話題を呼んでいるイタリアンドルチェといえばマリトッツォです。首都のローマが発祥とされ、軽い食感のブリオッシュ生地にたっぷりの生クリームを挟んだ菓子パンです。イタリア語で「夫」を意味するマリートを語源としていて、男性から未来の妻となる婚約者に送るものであったとされています。現地イタリアではバールやカフェの定番で、おもに朝ご飯として食べる習慣があります。地方により形や製法が微妙に異なります。

濃厚な味わいのアイスクリーム
濃厚な味わいのアイスクリーム

ジェラート
Gelato

新鮮なフルーツとミルクで作るアイスミルク・シャーベットです。発祥はフィレンツェで、イタリアでは氷菓全体のことを指します。日本のアイスクリームよりも乳脂肪分が低く、ヘルシーなのに濃厚な味わいです。映画『ローマの休日』のなかでオードリー・ヘプバーンが食べたことでも有名。ノッチョラ(ヘーゼルナッツ)やピチタチオなどナッツ系からリモーネ(レモン)、メローネ(メロン)などフルーツ系まで、600近い種類があるとされます。

この国なくして語れない、本場フランスのスイーツ

この国なくして語れない、本場フランスのスイーツ
秋の定番スイーツ

モンブラン
Mont Blanc

メレンゲを土台にして、生クリームとマロンペーストを重ねて美しく山なりに仕上げた、見た目もかわいいスイーツ。てっぺんにマロングラッセがのせられることもあります。名前はアルプス山脈の最高峰・モンブランに由来していて、フランス語でモンは「山」、ブランは「白い」を意味します。パリの老舗カフェ、アンジェリーナが考案したという説が有力ですが、メニューに加わった時期が不明なため、日本の自由が丘にある洋菓子店、モンブランが元祖という説もあります。

カラフルな見た目も楽しいマカロン・パリジェンヌ
カラフルな見た目も楽しいマカロン・パリジェンヌ

マカロン
Macaron

メレンゲにアーモンドなどを加え焼き上げた生地に、クリームやジャムなどを挟んで作るマカロン。もともとは、フランス王国アンリ2世のもとに嫁いだフィレンツェのカトリーヌ妃が持ち込んだとされます。最初は、はちみつとアーモンド、卵白のみで作られたシンプルなお菓子でしたが、フランス各地でアレンジされました。「マカロン・ド・ナンシー」や「マカロン・ココ」など種類はいろいろありますが、最もポピュラーなのは「マカロン・パリジェンヌ」。パリの洋菓子店、ラデュレの創設者、ルイ・エルネストの従兄弟であるピエール・デフォンテーヌが考案したとされます。

アーモンドなどをまぶしたものもある
アーモンドなどをまぶしたものもある

クグロフ
Kouglof

フランスのお菓子屋さんで必ずと言っていいほど見かけるクグロフは、アルザス地方に古くから伝わるお菓子です。うねりのある山の形のクグロフ型に生地を流し込み、レーズンやアーモンドを混ぜ込んでふっくらと焼き上げたパンで、現地ではクリスマスによく食べられます。マリー・アントワネットがフランスに嫁いだ際に持ち込んだと言われます。フランスのほか、オーストリア、スイス、ドイツのアルザス地方でも伝統の味です。

みんな大好き、ドイツのあのスイーツ

みんな大好き、ドイツのあのスイーツ
日本でもおなじみの味

バウムクーヘン
Baumkuchen

バターや卵、ラム酒などを使って作った生地を、専用のオーブンに取り付けた棒に少しずつかけて回しながら、じっくりと焼き上げて作ります。ドイツ語で「木の菓子」を意味していて、輪切りにしたその切り口が樹木の年輪に見えることに由来します。古代ギリシアにはほぼ同じ製法の「アベリウス」というパンがありますが、お菓子として定着したのは17~18世紀頃。日本では第一次世界大戦後に伝えられたのが始まりで、当時は「ピラミッドケーキ」と呼ばれていました。

濃厚な風味が印象的、オーストリアのスイーツ

濃厚な風味が印象的、オーストリアのスイーツ
こちらが元祖、ホテル・ザッハーのザッハートルテ

ザッハートルテ
Sacher

濃厚なチョコレートとアプリコットジャムの甘酸っぱさのコンビネーションが特徴のザッハートルテ。オーストリアの美食家・メッテルニヒが見習いシェフのフランツ・ザッハーに命じて作らせたのがはじまりです。レシピは門外不出でしたが、フランツ・ザッハーと王宮御用達菓子店デメルの娘の縁組みの際にレシピが流出、ホテル・ザッハーとデメルとの間に商標をめぐる争い「甘い7年戦争」が生じました。結果、ホテル・ザッハーがオリジナルとなりました。

そーっと口に運びたい、スペインの繊細スイーツ

そーっと口に運びたい、スペインの繊細スイーツ
ひと口サイズのかわいいお菓子

ポルボロン
Polvorón

小麦粉とアーモンドプードルを使って作るお菓子で、お祝いがあるときによく食べられます。スペイン南部のアンダルシア地方の伝統で、現地ではクリスマスや正月に好んで食べられます。口に入れるとほろっと崩れてしまうほどもろく、かろやかな口当たりが特徴です。口のなかで、溶けてなくなってしまわないうちに「ポルボロン ポルボロン ポルボロン」と3回唱えることができた人には幸せが訪れるという言い伝えがあります。

朝食にもおやつにも、デンマークの万能スイーツ

朝食にもおやつにも、デンマークの万能スイーツ
デンマーク人はそれぞれお気に入りの味がある

デニッシュペストリー
Danish Pastry(Wienerbrød)

バターや卵をたっぷり使って作られる菓子パン。クロワッサンのようなサクサクとした軽い食感の生地が特徴で、ジャムやクリーム、チョコレートのほか季節のフルーツを使ったものまでバリエーションが豊富です。各国でデニッシュ・ペストリーの名前で呼ばれますが、デンマーク語では「ウィナーブロード(ウィーンのパン)」となり、オーストリアが発祥だといわれていたりします。デンマークでは専門店もあるくらい、地元の人に愛されています。

甘い香りに引き寄せられる、ベルギーのスイーツ

甘い香りに引き寄せられる、ベルギーのスイーツ
リエージュは楕円、ブリュッセルは四角と形も違う

ベルギーワッフル
Belgian waffle

日本でも大人気のベルギーワッフル。現地では表面にベルギー産のパールシュガーをまぶしたリエージェタイプと、薄く焼き上げられたブリュッセルタイプの2種類があります。いずれもデコボコした格子柄の焼き跡が特徴です。リエージュタイプは甘めの生地で、トッピングもシンプルに食べられます。日本でよく見かけるのはこちらのタイプです。一方ブリュッセルタイプは甘さ控えめで、大量の生クリームやチョコレート、フルーツなどと一緒に食べられます。

食べ歩きにぴったり、チェコの映えスイーツ

食べ歩きにぴったり、チェコの映えスイーツ
屋台ではいつでも熱々が食べられる

トゥルデルニーク
Trdelník

金属の筒に小麦粉の生地を巻き、回しながら焼く伝統的な串焼き菓子。チェコ各地の屋台で食べられるソウルフードです。砂糖やシナモンをまぶしたシンプルなものが一般的ですが、最近ではアイスやチョコレート、フルーツなどをデコデコにトッピングした「SNS映え」するものも登場し話題になっています。発祥は隣国であるスロヴァキアやハンガリーという説もあって、両国でも同じようなものを食べることができます。

ふんわりしっとり、ポーランドの日常スイーツ

ふんわりしっとり、ポーランドの日常スイーツ
しっとりした食感で思ったより軽やか

ポンチキ
Pączki

バラのジャムが入ったポーランド風ドーナツです。油脂を多く使った生地を揚げ、砂糖をコーティングしたりパウダーシュガーをまぶしたものが定番。ポーランドではイースターに向けた2月の「脂の木曜日」にこのポンチキを食べる習慣があって、当日は専門店に行列ができます。各町に名物といえる専門店があるので、回って食べ比べてみるのもおすすめです。カフェのメニューやスーパーでもよく見かけることがあり、味もさまざまです。

いかがでしたか?
スイーツはその土地ごとの食文化が色濃く反映され、目も舌も楽しませてくれるもの。過去の旅で食したあのスイーツ、次の旅で味わいたいこのスイーツ、皆さんも思い浮かべてみてくださいね。

筆者

地球の歩き方書籍編集部

1979年創刊の国内外ガイドブック『地球の歩き方』の書籍編集チームです。ガイドブック制作の過程で得た旅の最新情報・お役立ち情報をお届けします。

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