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ワイン用の苗を安く 山梨・笛吹市 ぶどう増産の切り札

2019年03月11日

接ぎ木によるワイン用ぶどうポット苗とは!? ©iStock

 日本のワイン発祥地、山梨県笛吹市の果樹苗木専門店「前島園芸」が、接ぎ木によるワイン用ぶどうポット苗を商品化し、販売しています。ハウス栽培での試行錯誤を重ね、寝る間も惜しんで研究した成果です。需要の高まる「日本ワイン」増産の切り札として期待を集めています。

ワイン用の接ぎ木のぶどうポット苗を手にする前島郁夫さん=山梨県笛吹市八代町北の前島園芸で

 社長は前島郁夫さん(42)で、同県果樹試験場に勤めた経歴を持ちます。同社は病害虫に強く果実の実りがいいことから、土台の枝に別の枝や芽をつなぐ接ぎ木の苗を専門に扱います。ぶどうについても以前から、直径、高さとも10センチのポットを使った接ぎ木による苗の栽培技術は持っていました。

 ワイン用ぶどうポット苗は半年で約1メートルに育てて出荷します。通常の畑で生育する苗より出荷期間が短く料金も安い。だが、温度管理など育て方が難しく採算に合いませんでした。2013年に地元ワイナリーから商品化の要望があった時も見送っていました。

 しかし、国税庁が15年に100%国産ぶどう原料のワインを「日本ワイン」と定めたことでブランド価値と人気が上昇。全国的な苗不足に陥りました。前島さんは「地域産業振興のためにも低コストの苗を販売しよう」と家族の反対を押し切り、接ぎ木ポット苗の商品化に着手しました。

 栽培はハウス。まず質の良い枝を厳しく選定しました。また、ハウスの室温管理を徹底。夜中も温度や枝の状態を確かめました。最適な環境を探して観察・生育を続け、17年に大量栽培のメドを付けました。

 現在の年間注文数は4万本で、出荷は2万本。しかし、今後は需要に応えられるといいます。前島さんは「果樹王国を根っこから支え、ブドウの収穫とワイン製造の喜びを多くの人に提供したい」と意欲を見せています。

 この記事は、全国商工会連合会が地域活性化のキーマンとなる若手経営者育成のため開催した「次世代地域リーダー塾」プログラムの中で、毎日新聞記者の指導を受けて作成されたもので、「地球の歩き方ニュース&レポート」でも掲載しました。
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