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ミシシッピ・リバー・カントリーのグルメに夢中!

2021年10月20日

ケイジャン料理のひとつ、さまざまな香辛料で味付けしたザリガニ ©Louisiana Office of Tourism

ミネソタ州アイタスカ湖からメキシコ湾へ向かって、北米大陸を約4,800㎞にわたって縦断するミシシッピ・リバー。その流域には、“ハート・オブ・アメリカ”とも呼ばれるアメリカ人の心のふるさと、ミシシッピ・リバー・カントリーが広がっています。そこはまさに、アメリカ家庭料理の原点ともいうべき場所。それではさっそく、アメリカ人の食のふるさとを探りに、上流から下流へ向かって“食の旅”へと出発しましょう。今回は食とともに、アメリカ人にとっての心の拠り所であり暮らしに欠かせない“音楽”を添えて紹介していきます。心の中でビートやサウンドを刻みながら、心ゆくまでミシシッピ・リバー・カントリーのグルメを味わってみてください。

グルメシティで生まれた数々の名物料理

ウォールアイのフライ(中央)とワイルドライス(右上)©Explore Minnesota

“1万の湖がある地”として知られるミネソタ州。州都セントポールと大都市ミネアポリスが隣り合っていることから、2つの都市を合わせて“ツインシティー”の名前で親しまれています。そんな湖の都市で親しまれているのが、ウォールアイと呼ばれる北米産ペルカ科の淡水魚。ミシシッピ・リバー水系の湖や河川に生息する白身魚で、古くからさまざまな料理に使われてきました。シンプルにソテーやフライにしたものから、フランス料理風にアレンジしたものまで、バリエーション豊かに食卓に登場します。

昔からこの地でネイティブアメリカンの間で食され、後になって全土へと広まった食材もあります。そのうちのひとつ、ワイルドライスは湖や川の浅瀬などに生えるイネ科植物から採れる米で、もちもちとした食感と炒ったナッツのような微かな風味が特徴。今も昔ながらの手作業で収穫しているため通常の米に比べてかなり高価ですが、一度食べたら癖になる独特の味わいと栄養価の高さから全米にファンを増やしつつあります。

★Music Tips:80年代に「ミネアポリス・サウンド」と呼ばれる新ジャンルの音楽を確立して以後の音楽史に大きな影響を与えたプリンス、シンガソングライター・ボブ・ディランが活動拠点としたのがミネアポリス。

プリンス


ボブ・ディラン

アメリカ屈指の大都市シカゴの名物料理とは?

リーズナブルな店から高級店まで各種ステーキハウスが数多くある ©iStock

アメリカを代表するグルメといって、まず思い浮かべるもののひとつがステーキ。実はイリノイ州シカゴはアメリカ屈指のステーキの激戦区で、世界でもトップクラスのステーキハウスが数多く点在しています。米国農務省認定のプライム熟成肉を扱う店や、専用の乾燥熟成ルームを備えた店も。フランスやドイツ、日本料理などの要素を取り入れた進化系ステーキも続々登場しています。

食べ応えたっぷりのディープ・ディッシュ・ピザ ©Illinois Office of Tourism

シカゴ名物といえば、もうひとつ忘れてはならないのがディープ・ディッシュ・ピザ。深皿を使って焼くピザは生地の淵部分が高く、その分たっぷりチーズやソースなどの具材を詰め込むことが可能です。ポリューム満点で、ひとたびナイフを入れれば滝のように流れ出すチーズは、ピザ好きにはたまりません。シカゴのピッツェリア「ウノ」発祥といわれ、いつしかシカゴ・スタイル・ピザとして全土に知られるようになりました。現在、ディープ・ディッシュ・ピザを提供するレストランは、シカゴ内だけで50軒以上もあります。

★Music Tips:南部からミシシッピ・リバーを遡るように北へ広がり、シカゴで独自のスタイルに発展したジャズとブルース。町なかには多くのライブハウスが点在し、毎年6月にはアメリカ最大のブルース・フェスティバル「シカゴ・ブルース・フェスティバル」が開催されています。

シカゴ・ブルース・フェスティバル2019(Chicago DCASE)


ミシシッピ・デルタで育まれた独特の食文化

フライドチキン、カントリーハム&グレイビーといった典型的な南部料理 ©Visit Mississippi

ミシシッピ・リバー下流では、歴史的背景からアメリカのなかでも独特の食文化が育まれてきました。なかでもミシシッピ、テネシー、ルイジアナ、アーカンソー州にまたがる流域は“ミシシッピ・デルタ”と呼ばれ、“アメリカ南部で最も南部的な場所”として、アメリカの食文化や音楽に大きな影響を与えてきました。

この地域には、フライドチキン、ビスケット&グレイビー、コーンブレッド、グリッツなど、南部料理を代表するアフリカ系アメリカ人、ネイティブアメリカン由来のソウルフードが数多く受け継がれています。

★Music Tips:ブルース、ジャズ発祥の地。ゴスペル、ロックンロール、カントリーミュージック、フォークなどもこの地で生まれた音楽がもとになって誕生しました。“永遠のキング・オブ・ロックンロール”と称されるエルヴィス・プレスリー、“キング・オブ・ブルース”と呼ばれるB.B.キングゆかりの地としても知られています。また、“カントリーミュージックの父”と呼ばれるジミー・ロジャーズ、各分野で活躍するジョニー・キャッシュの音楽の旅が始まったのもこの地です。

エルヴィス・プレスリー


B.B.キング

ディープな南部 in ナッシュビル&メンフィス

メープルシロップの甘さとチキンの辛さが絶妙にマッチ ©iStock

アフリカ系アメリカ人のソウルフードを代表するフライドチキン。もともとは骨部分が多く残った鶏肉をいかにおいしく調理するかという考えの末に考案された料理で、次第にヨーロッパ系アメリカ人の間にも広まっていきました。調味料やスパイスの効いた衣で揚げた外はカリッと香ばしく、中にはジューシーな肉汁が閉じ込められた味わいは、今では世界中で愛されています。

コールスローやビスケット、マッシュポテト、マカロニ&チーズなどを添えて食べることが多いフライドチキン。アメリカ南部では、ワッフルにフライドチキンをのせ、メープルシロップをたっぷりとかけたチキン&ワッフルは朝食の人気メニューです。

通常のフライドチキンに比べてかなりスパイシー ©Visit Mississippi

テネシー州ナッシュビルでは、さらにホットチキンと呼ばれる独特のフライドチキンが誕生。ピリ辛く揚げたフライドチキンに、さらにラードと乾燥スパイスを混ぜて作ったペースト状のソースを塗り込んだもので、ガツンとくる独特の舌ざわりと辛味が後を引く味わい。ナッシュビルを訪れた人々によって食され、「ナッシュビル・ホットチキン」として全米へと知れ渡るようになりました。

今ではファンが多いホットチキンですが、もともとは浮気性の夫を懲らしめようとした妻が、ありとあらゆるスパイスを駆使して作った激辛フライドチキンが起源なのだとか……。あまりものおいしさに感動した夫は、ナッシュビル名物になるまでに商品化してしまったのだそうです。

肉の下準備にも各店の秘伝が詰まっている ©Tennessee Tourism

また、スモークした肉を特製ソースで絡めて焼いたバーベキューは、テネシー州の名物。なかでもメンフィスはアメリカ屈指の“バーベキューの街”として知られ、多くのレストランで肉のうま味を最大限に引き出すためのオリジナルマリネソースが生み出されています。各店によってこだわりがあり、肉の種類や切り方、味付け方法など、実にバラエティー豊か。なんとメンフィスには、100店舗以上ものバーベキューレストランがあるというから驚きです。

★Music Tips:“カントリーミュージックの首都”として知られるナッシュビルには、カントリーミュージック殿堂博物館をはじめとする見どころが満載。エルヴィス・プレスリーの活動拠点であったメンフィスには彼の邸宅「グレースランド」があり、今でもレジェンドの魅力に迫ろうと多くの人々が訪れます。

RAY FULCHER • LIVE AT THE HALL, 2021(カントリーミュージック殿堂博物館)
・URL: https://watch.countrymusichalloffame.org/videos/ray-fulcher-live-at-the-hall-2021

ディープな南部 in ミシシッピ州

キャットフィッシュのフライ(手前)とハッシュパピー(右上)©Catfish Island

全米のなかでも、圧倒的なナマズ養殖場の数を誇るミシシッピ州。キャットフィッシュ(ナマズ)は南部を代表するソウルフードで、白身魚のように淡泊でありながら、口に含むとじわりと広がる上品な甘味が特徴です。

南部では、フライにして食べるのが一般的。切り身にコーンミール(トウモロコシ粉)の衣を付け、黄金色になるまでじっくりと揚げます。クリスピーに揚がったキャットフィッシュには、フライドポテトやコールスロー、そしてハッシュパピーと呼ばれる余ったコーンミールの生地で作った揚げパンが添えられます。ちなみにこのユニークな名前のパンですが、ナマズを揚げている際にうるさく吠える子犬を鳴きやませるため、フライ用の衣をひとすくい鍋に入れて揚げ、「Hush, puppy!(しっ!ワンちゃん)」と言って与えたのが由来なのだとか……。

トウモロコシの皮に包まれたタマーレは持ち運びにも便利 ©Visit Mississippi

また、ミシシッピ州を訪れると、道端にタマーレを売るフード・スタンドをよく目にします。タマーレとは中南米に由来する食べ物で、ラードで練ったトウモロコシ粉でひき肉を包み、トウモロコシの皮で巻いて蒸したもの。メキシコからの移民が伝えたとも、アメリカ・メキシコ戦争から帰ってきた軍人が伝えたとも、もともと先住民が食べていたものともいわれています。

まさに家庭料理でもあるタマーレは作る人によってもそれぞれですが、中南米のタマーレとの大きな違いは、サイズが小さく、コーンフラワーの代わりに粒々感のあるコーンミールを用い、蒸す代わりに煮て作ること。豚肉が主流ですが、牛肉や七面鳥を用いることもあります。また、食べ方も人それぞれです。そのまま食べる人もいれば、チリソースやチーズを付けて食べるのがお好みの人も。

ディープな南部 in リトルロック

フライドポテトやコールスローが添えられていることがほとんど © the LIttle Rock Convention & Visitors Bureau

バファロー・リブといえば通常、アメリカバイソンのリブステーキのこと。バファローは北米に生息する野牛で、昔からネイティブアメリカンの重要な食糧でもありました。今では食用として飼育もされ、牛肉同様にステーキやハンバーガーにして食べられています。

ところがアーカンソー州の州都リトルロックでバファロー・リブを注文しても、出てくるのは魚のフライ。バファローとはミシシッピ・リバーに生息するアメリカ最大級の淡水魚で、大きなものは1m以上にも成長。その巨大で茶色がかった外見と大きな頭、背中の盛り上がりがバファローに似ていることから、そう呼ばれるようになりました。

リブ肉のように大きくて長い骨付きのまま切り分け、調味料やスパイスで味付けした衣をまぶしてフライにするのが一般的。チキンのような淡泊な味わいで、骨まわり部分の身をそぐようにしてかぶりつきます。バファロー・リブのお供といえば、冷たいビール。揚げたてのスパイシーなリブとの相性が抜群です。

移民文化が融合して誕生したクレオール&ケイジャン料理

ハーブ、香辛料たっぷりのオクラのスープ、シーフード・ガンボ ©Louisiana Office of Tourism

多彩な移民文化を色濃く反映しているのが、ルイジアナ州最大の都市ニューオーリンズ。この街では、地元食材に各国移民が持ち込んだ調理法が融合し、クレオールおよびケイジャンという新たなカテゴリーの料理が生み出されました。

一般的にクレオール料理と呼ばれるのは、フランス植民地時代に持ち込まれたフランス風ソースをベースとした料理を原点としたもの。そこに当時、料理を担当していたアフリカ人の食文化、さらにスペイン領になってからは香辛料や香料で風味を強めるなど、スペイン風にアレンジされていきました。後にはイタリア、ドイツなどの食文化の影響も受けています。地元食材でブイヤベースを作ったことから生まれたガンボ、スペインの代表的な料理パエリアをアレンジし、ハーブ、香辛料などを混合したスパイスで味付けしたジャンバラヤなどが代表的な料理です。

ケイジャン料理のジャンバラヤには通常トマトソースは入っていない ©Louisiana Office of Tourism

一方、ケイジャン料理は、カナダ南東部のアルカディア地方から移住してきたフランス人によって広まったもの。タマネギ、ピーマン、セロリ、豆といったルイジアナで手に入る食材をベースに香辛料を多用し、独自の料理を作り出していきました。代表的な料理に、オクラと一緒に鶏肉と香味野菜を煮込んだチキン・ガンボ、ジャンバラヤ、何種類もの香辛料を使って鶏肉を焼き上げたケイジャン・チキン、オクラのフライなどがあります。

ただし、常に進化しつつあるクレオールおよびケイジャン料理は違いが微妙で、ひと目見ただけでは区別しづらい面も。今では両方が融合したルイジアナならではのクレオール&ケイジャン料理も続々と誕生しています。

今も続々と新しいカクテルが生み出されている ©Louisiana Office Tourism

ちなみにアメリカで最も多くのカクテルが生まれたのが、ニューオーリンズ。“世界最古のカクテル”ともいわれるウイスキーベースのサゼラック、ラム酒に柑橘系ジュースを加えたハリケーン、ジン・フィズの原型ともいわれるラモス・フィズなどが有名です。バーテンダーにその誕生秘話など聞きながら、バーやラウンジでグラスを傾けてみるのもおもしろいかもしれません。

★Music Tips:ジャズをはじめ、さまざまな音楽がここで誕生したことから“音楽の聖地”といわれるニューオーリンズ。フレンチクォーターやフレンチマン・ストリートにはライブハウスが立ち並び、多くの音楽ファンたちを惹き付けています。また、ジャズフェストやフレンチクォーター・フェスティバルなどの音楽祭も見逃せません。

New Orleans Road Trip(New Orleans Tourism)


■ミシシッピ・リバー・カントリーの観光情報:
ミシシッピ・リバー・カントリー USA 日本事務所
*公式サイト: https://mrcusa.jp/
*公式Facebook: https://www.facebook.com/mrcusajapan
*公式YouTube: https://www.youtube.com/user/thegreatriverroad

■ミシシッピ・リバー・カントリーの魅力あふれる小さな町の記事はこちら

■こんな時だから旅を語ろう 特集ページはこちら
・URL: https://pu.arukikata.co.jp/tabiwokataro/

※当記事は、2021年10月20日現在のものです

〈地球の歩き方編集室よりお願い〉
2021年10月20日現在、観光目的の海外渡航は難しい状況です。『地球の歩き方 ニュース&レポート』では、近い将来に旅したい場所として世界の観光記事を発信しています。渡航についての最新情報は下記などを参考に必ず各自でご確認ください。
◎外務省海外安全ホームページ
・URL: https://www.anzen.mofa.go.jp/index.html
◎厚生労働省:新型コロナウイルス感染症について
・URL: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html
旅したい場所の情報を入手して準備をととのえ、新型コロナウイルス収束後はぜひお出かけください。安心して旅に出られる日が一日も早く来ることを心より願っています。

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