地球はアート! 『テーラ・マニフィカ(Terra Magnifica)』展(フランス・パリ)
19世紀末に活躍した、オーストリアを代表する画家グスタフ・クリムト(Gustav Klimt)。そんなクリムトの作品を中心に鑑賞できるデジタルアートセンター「ラトリエ・デ・リュミエール(L’Atelier des lumières)」が、2018年4月に誕生しました。クリムトはもとより、新進気鋭のアーティストの作品も次々と展観されています。2018年秋は、夜だけ特別上映される『テーラ・マニフィカ(Terra Magnifica)』を開催中です。今回は、地球の美しさを再認識できる『テーラ・マニフィカ(Terra Magnifica)』を紹介します。
気球から見た地球
『テーラ・マニフィカ(Terra Magnifica)』とは、素晴らしい地球、壮大な大地、といった意味です。撮影したのは、ヤン・アルチュス=ベルトラン(Yann Arthus-Bertrand)。写真集『La Terre vue du ciel(空から見た地球)』が、1999年の発売以来、世界中で反響を呼び、ベストセラーとなった写真家です。
彼の名は知らなくとも、表紙となったハート型の森の写真を目にすれば、ああ、あの写真かと、大抵の人は頷くのではないでしょうか。
当時、ヤン・アルチュス=ベルトランが撮った写真の大判は、パリのリュクサンブール公園を皮切りに、世界各国で野外展示され、多くの人の目を惹きつけました。筆者も当時住んでいたワルシャワの公園で、息をのんで写真を見て回ったひとりです。
「地球はアート」
気球から見える自然だけでなく、地上を生きるものが織り成す光景、人類の作り出した産物、大地を覆う鮮やかな色の数々は、一枚一枚どれもはっとさせられる魅力に溢れています。
「地球はアートであり、写真はそれを映すに過ぎない」と言うヤンの言葉には、芸術品であるのは自分の写真ではなく地球自体なのだという考えが、感じとれます。
万華鏡のような地球を映す『テーラ・マニフィカ』は、映画音楽を多く手掛ける作曲家アルマン・アマル(Armand Amar)の音楽を伴い、見るものを空中へと誘います。空の上から地球を俯瞰するうち、この地球を守りたいという気持ちが生まれてくるような気がするのは、筆者だけでしょうか。
夜のみの限定上映
『テーラ・マニフィカ』の上映日時は下の通りです。入場数が限られていますので、「ラトリエ・デ・リュミエール」の公式サイトから予約をすることをおすすめします。なお、『テーラ・マニフィカ』上映の収益は、環境問題に力を入れるGood Planet基金に役立てられることになっています。
■ラトリエ・デ・リュミエール(L’Atelier des Lumières)
・住所:38, rue Saint-Maur, 75011 Paris, France
・最寄駅:メトロ9番線Voltaire(ヴォルテール)、Saint-Ambroise(サンタンブロワーズ)、3番線 Rue Saint-Maur(リュー サン・モール)、2番線Père Lachaise(ペール・ラシェーズ)
・URL:http://www.atelier-lumieres.com/
いかがでしたか。地球を、大地を、そうしてそこに住む動物と人類を、愛おしく感じずにはいられない『テーラ・マニフィカ』。この期間、パリを訪れる方にはぜひ鑑賞してもらいたい作品です。
筆者
フランス特派員
冠 ゆき
1994年より海外生活。これでに訪れた国は約40ヵ国。フランスと世界のあれこれを切り取り日本に紹介しています。
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