東部ニューイングランド ハロウィン間近のセーラムの街を探訪しよう

公開日 : 2016年10月28日
最終更新 :
ハロウィン間近のセーラムの商店街の窓の装飾
ハロウィン間近のセーラムの商店街の窓の装飾

マサチューセッツ州(Massachusetts)の州都ボストン(Boston)。アメリカ合衆国国勢調査局(United States Census Bureau)の調査によると、2015年7月1日付のボストンの人口は667,137人。同調査におけるメリーランド州ボルチモアの人口の831,128人と比べると人口は少ないですが、ボストンは、アメリカで最も古い歴史を持つニューイングランド地方の文化や芸術面において要となる都市としてみなされています。

ここには、ボストン大学(Boston University) 、ハーヴァード大学(Harvard University) 、マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology)をはじめとする多くの大学や、ボストン美術館(Museum of Fine Arts, Boston)、ボストン交響楽団(The Boston Symphony Orchestra)のコンサート会場であるシンフォニーホール(Symphony Hall)、メジャーリーグ・ベースボールチーム(MLB) のボストン・レッドソックス(Boston Red Sox)の本拠地であるフェンウェイ・パーク(Fenway Park)もあります。


自家用ボートが停泊するセーラムのマリーナ
自家用ボートが停泊するセーラムのマリーナ

さて、そのボストンから主に1‐A(MA-1A)と107号線(MA-107)を車で北北東に約15マイル(24㎞)ほど海岸沿いを北上すると、古くから貿易港として栄えたセーラムという都市に到着します。国勢調査によると、エセックス郡セーラムの2015年現在の人口は42,869人。今でこそ観光地として栄えていますが、17世紀には魔女狩りが行われており、1692年に魔女裁判で有罪となったブリジット・ビショップ(Bridget Bishop)が処刑された後、女性13人男性5人が次々に絞首刑に処され、拷問中に圧死したり獄死した人々が実際に存在した無残な歴史がある場所として知られています。蝋人形を置いて当時の魔女狩りや魔女裁判のイメージを再現している「セーラム魔女博物館(Salem Witch Museum)」には、1980年代後半にも訪れたことがありますが、博物館の方にお聞きしたお話によると、今日では年間およそ368,000人の人々が訪れるようになっているそうです。

七破風の屋敷
七破風の屋敷

セーラムには、1668年にジョン・ターナー船長 (Capt. John Turner)によって建てられ、作家ナサニエル・ホーソーンの著書「七破風の屋敷(The House of the Seven Gables) 」の舞台となった大邸宅「七破風の屋敷」もあります。敷地内には、数年前に移設されたホーソーンの生家も建っていて、ホーソーンの生家の中が自由に見学できるようになっています。

また、近くには「ピーボディ・エセックス博物館(Peabody Essex Museum)」もあります。東京大学で教えたことがあり大森貝塚を発掘したエドワード・シルヴェスター・モース(Edward Sylvester Morse)がかつて館長を務めた縁でか、日本の江戸時代後期から明治時代の初期の美術作品のコレクションが豊富なことで知られるこの博物館では、今、オクラホマ州出身の芸術家パトリック・ドハティー(Patrick Dougherty) の特別展示会が開催されており、彼の「スティック・ワーク(Stickwork)」は、2017年3月31日まで近くの公園に展示されています。

日本の芸術作品が豊富なピーボディ・エセックス博物館
日本の芸術作品が豊富なピーボディ・エセックス博物館
パトリック・ドハティー作「スティック・ワーク」
パトリック・ドハティー作「スティック・ワーク」

博物館や美術館、おススメの観光スポットはもとより、この時期のセーラムの見どこといえば、何といってもハロウィンの装飾とハロウィン関連のイベントでしょうか。

レストランの窓辺でお出迎えのオバケに、思わず笑みがこぼれます
レストランの窓辺でお出迎えのオバケに、思わず笑みがこぼれます
PSYCHIC FAIRE Salem MA.
PSYCHIC FAIRE Salem MA.
セーラムのハロウィンの装飾は半端じゃありません。
セーラムのハロウィンの装飾は半端じゃありません。

通りでは、お茶目でかわいいお馴染みの人気キャラクターのアイテムを施した装飾も見かけますが、小さな子どもを連れて歩いていてふとお店の方に視線を向けた時、消灯後の店内の薄明りに照らし出された窓ガラスの向こう側でじっとこちらをにらんでいる亡霊の影や骸骨と目が合ってしまったら、思わず「ギャーッ!」と悲鳴を上げて幼い我が子をその場に置き去りにして逃げ出してしまうかも、なんて想像してしまうような不気味な形相の人形の装飾もかなり多いのです。

ぎょっとするような装飾の窓辺。度肝を抜かれました
ぎょっとするような装飾の窓辺。度肝を抜かれました

自分の選択でお化け屋敷に入ってそういう感覚を味わいたいならともかく、普通にストリートを散歩していて、お店の窓辺を見ただけで一瞬背筋が凍りつくような恐怖感を覚えることなど、まずあり得ませんよね?

お土産屋さんの窓辺もこの通り!かなり不気味でした
お土産屋さんの窓辺もこの通り!かなり不気味でした

大げさにいえば、今の時期のセーラムは、街中が肝だめしの世界のような雰囲気にあふれているのです。

「魔女狩り」をテーマにしたセーラムの蝋人形の館
「魔女狩り」をテーマにしたセーラムの蝋人形の館

観光情報満載の小冊子「セイラム・ハウンテッド・ハプニングス(Salem Haunted Happenings)」によると、 10月末のハロウィンまでは大人も子どもも楽しめるイベントが毎日盛りだくさんですし、ハロウィンが終わってからも思う存分楽しむことができる催し物が目白押しです。

ボストンからコミューターレイルを使えば30分程度で訪れることができるマサチューセッツ州セーラムはこれから寒さに向かいますが、今が旬の、とてもホットな一押しの都市のうちのひとつです。

セーラムの人気のゴースト・ツアー。
セーラムの人気のゴースト・ツアー。

【データ】
マサチューセッツ州セーラム観光案内の公式ウェブサイト(Salem:The official travel & visitor information site for Salem, Massachusetts)
URL:http://salem.org/

アクセス:お車での移動でない場合、ボストンから、マサチューセッツ湾交通局(MBTA)運営の地下鉄やコミューターレイルをご利用ください。コミューターレイル利用の場合ロックポート・イプスウィッチ(Rockport/Ipswich)線でセーラム駅下車。所要時間約30分。

セーラム・トローリー(Salem Trolley)
URL:http://salemtrolley.com/

七破風の屋敷(The House of Seven Gables)
住所:115 Derby Street, Salem MA. 01970
TEL:978‐744-0991
URL:7gables.org / www.7gablesgab.blogspot.com
開館時間:10:00~17:00 延長時期6月~10月:10:00~19:00)
入館料:大人$14.00 シニア (65歳以上)$13.00 大学生(要IDカード)$13.00
子ども(13-18歳)$11.00 子ども(5-12歳)$9.00 子ども(5歳以下)無料
劇場イベント
10月「破風の精神(Spirits of the Gables)」
11月「クラシック・クリスマス(Classic Christmas)」
*日本語によるパンフレット有

ピーボディ・エセックス博物館(Peabody Essex Museum)
住所:East India Square 161 Essex StreetSalem, MA 01970-3783
TEL:978-745-9500, 866-745-1876 
  プログラムの予約(Program Reservations) :ext. 3011
開館時間: 火~日曜日(10:00~17:00) 第3木曜日(10:00~21:00-9:00) 月曜日閉館
*11月5日(土曜日)ガラの特別の催しの準備のため2時半以降アクセスできないギャラリーがありますので、入館前にお確かめください。
入館料:大人$20シニア $17学生 (要IDカード) $12
    子ども (16歳以下) とセーラム在住者無料(要IDカード) (グループツアーを
    除く) 夜間(17:00~)$12

パトリック・ドハティー(Patrick Dougherty)
URL:http://www.stickwork.net/
連絡先:stickwork@earthlink.net

セーラム魔女博物館(Salem Witch Museum)
住所: 19 1/2 Washington Square North Salem, Massachusetts 01970
TEL:978-744-1692
開館時間:10:00~17:00 (7・8月 10:00~19:00、サンクスギビング・クリスマス・年末年始 10:00~15:00)
*2017年は改装工事のため1月第3週まで閉館
入館料:大人$11.00 シニア $9.50 子ども(6 - 14歳) $8.00
*日本語によりパンフレット有

セイラム・ハウンテッド・ハプニングス(Salem Haunted Happenings)
URL:http://www.hauntedhappenings.org/


筆者

アメリカ・ワシントンDC特派員

舞林鳥 恵

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