ロブション仕込みのシンガポール風フレンチ「アッパー・プレイス」

公開日 : 2016年11月08日
最終更新 :
キハダマグロのタルタル
キハダマグロのタルタル

カフェが立ち並ぶおしゃれエリアにあるウェットマーケットとして人気のチョンバルマーケットのすぐそば、ワンズ・ホテル(Wangz Hotel)の最上階にオープンしたばかりのレストラン、アッパー・プレイス(Upper Place)。シンガポール唯一のミシュラン三ツ星で、セントーサ島にあるファインダイニングレストラン、ジョエル・ロブション(Joel Robuchon)でスーシェフを務めたグレゴリー・ラウ(Gregory Lau)シェフによる料理が楽しめます。

「屋外席からの眺めも最高ですよ」とグレゴリーシェフ

「屋外席からの眺めも最高ですよ」とグレゴリーシェフ
シンガポール出身のグレゴリーシェフ

シンガポール出身のグレゴリーシェフは、ジョエル・ロブションの前には、セント・レジス(St.Regis)ホテルのブラッスリー・レ・サヴール(Brasserie Les Saveirs)で、現在ミシュラン二ツ星のフレンチ、オデット(Odette)のジュリアン・ロイヤー(Julien Royer)シェフの下で働くなど、シンガポール最高峰のレストランでキャリアを重ねてきた人物。
フレンチのテクニックを生かし、シンガポールらしさを取り入れたメニューが、お手頃価格で楽しめ、せっかくシンガポールに来たのだから、シンガポールらしいものを食べたい、という方にもお勧め。


白い花のような香りのヒマラヤのお茶、カンジュンガ(S$16)

白い花のような香りのヒマラヤのお茶、カンジュンガ(S$16)
香りのよいヒマラヤ茶

もう一つの魅力は、幅広い中国茶のラインナップ。インドの王族が創業したロンドンのお茶ブランド、ニュービィ(NEWBY)のお茶(S$9~)が楽しめます。ポットでサーブされ、お湯は継ぎ足してくれるので、ゆっくりとおしゃべりを楽しみたいときもぴったり。

まずは、トップ写真にある、キハダマグロのタルタル。
サクサクのパイ生地の上に、旨味たっぷりの玉ねぎとトリュフのコンポート。マグロの角切りの上には、相性抜群のアボカドのクリームに、シンガポールで愛されているカフィライムの葉で香りをつけたソース、そしてトビコ。サクサクの食感のある海塩、フルール・ド・セルを散らして、食感にもアクセントがつけられています。

Robster Kueh Pie Tee(S$10)

Robster Kueh Pie Tee(S$10)
ロブスター・クエパイティ

シンガポールで伝統的なプラナカン料理の代表格として親しまれているのが、クエパイティ。本来は野菜などを煮たものを入れるのですが、何とロブスターの身をたっぷりと入れた豪華版、ロブスター・クエパイティ

ほんのり唐辛子を利かせたトマトソースで和えた甘いロブスターの上には、マンゴーのエスプーマが。カリカリの薄いクエパイティのケースが、食感のコントラストになっています。

Pork Belly Tacos(S$10)

Pork Belly Tacos(S$10)
ジューシーな豚バラ肉のタコス

続いてはタコス。
トマトと一緒にじっくりと煮込んだ豚バラ肉に、自家製のバーベキューソース、そしてカフィライムのドレッシングをかけた紫キャベツや玉ねぎ、コリアンダーなどのシャキシャキした野菜をトッピングしています。タコスの皮は、とってもふわふわで柔らかく、ジューシーな煮込み、フレッシュな野菜を包み込みます。

Short Ribs Congee(S$17)

Short Ribs Congee(S$17)
ショートリブが入ったおかゆ

そして、フレンチで研鑽を積んだシェフにしては珍しい一品、おかゆ。
牛のショートリブをカダイフで巻いて揚げた具が入ったおかゆで、ベースは醤油味の牛肉の出汁。そして、ゆでたピーナッツや細かく刻んだ生姜、温泉卵などが入っています。

とろりととろける黄身がコクをプラス

とろりととろける黄身がコクをプラス
とろとろの黄身をプラスすると最高

真ん中の温泉卵を割って、トッピングの白髪ねぎやコリアンダーと共に全部かき混ぜて食べると、牛肉と卵のコクが絡み、カダイフのサクサクとした食感や香味野菜のフレッシュさが混ざり合う、まったく新しい、ちょっと西洋風のおかゆとして楽しめます。全体にコクを加える、仔牛のリードボーも入った、まさにアジアと西洋の魅力がミックスされた一品です。


Laksa Risotto(S$27)

Laksa Risotto(S$27)
シンガポールラクサを再構築したリゾット

シンガポール料理のラクサを再構築したリゾット。
ロブスターと北海道産のホタテ、そして、その日の鮮魚(この日はソフトシェルクラブ)を上に乗せたリゾット。シンガポール料理の味の決め手、サンバルが周りにあしらわれ、好みで混ぜながら辛さを調節することもできます。リゾットにはラクサリーフがたっぷりと使われた自家製のラクサソースが使われ、上には、ココナッツのフォーム。緑色の粉は、ラクサリーフのパウダーです。火を通しすぎないプリプリのロブスターやホタテの食感と甘み、そして程よくアルデンテのリゾット。洗練されたシンガポールの味に仕上がっています。

Matcha Parfait(S$8)

Matcha Parfait(S$8)
抹茶のパルフェ

そして、デザートは抹茶のパルフェ。
一番下には粒あん、そしてその上には抹茶のムース。そして上には黒ゴマのクリーム。まず、抹茶がとてもコクがあって程よい苦み、そして、粒あんはもちろん、上の黒ゴマとの相性も抜群。一番上に、ヴァージンオリーブオイルを一たらししてあるのも、甘さの輪郭を引き立たせる印象で好みでした。グレゴリーシェフにお聞きすると、最初はゴマ油にしようと思ったけれども、アジアな感じになりすぎると思って、オリーブオイルにしたのだとか。ベトナムのライスペーパーを上にのせてありますが、少し塩気を感じるおせんべいのような感じで、甘すぎずちょうどよかったです。

美しい盛り付けも魅力の一つ

美しい盛り付けも魅力の一つ
盛り付けも美しい

ランチの2コースはS$19.90とお手頃価格。テラス席もあり、夜は夜景もきれいなロケーション。フレンチをベースにしたシンガポールの味、ぜひ気軽に訪れてみてはいかがでしょうか?

モダンアートに囲まれた、明るい日差しが差し込む開放的な空間。

モダンアートに囲まれた、明るい日差しが差し込む開放的な空間。
広々とした店内

<DATA>
■ アッパー・プレイス(Upper Place)
営業時間:朝食 7:00~10:30(ホテルの朝食メニューの提供のみ)、ランチ 12:00~14:30、ディナー 18:00~22:30、無休
住所:Rooftop, 231 Outram Road, Singapore 169040
電話: +65 9643 4366
アクセス:MRTチョンバル駅徒歩14分
http://www.wangzhotel.com/eatdining


筆者

シンガポール特派員

仲山今日子

趣味は海外秘境旅行、現在約50カ国更新中。

【記載内容について】

「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。

掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。

本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。

※情報修正・更新依頼はこちら

【リンク先の情報について】

「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。

リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。

ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。

弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。