北ポーランドの美しき千年都市グダンスク

公開日 : 2022年03月17日
最終更新 :
運河沿いにカラフルな建物が並ぶ
運河沿いにカラフルな建物が並ぶ

ポーランド北部に位置する港町・グダンスクは、1000年の歴史をもつ古都です。歴史的な建物が並ぶ旧市街やかつての運河沿いを歩き、古い市庁舎や教会、博物館を回りましょう。港町ならではのシーフードグルメや琥珀などのショッピングもお忘れなく!

グダンスクについて

グダンスクについて
鉄道のほかトラムやバスの停留所もあるグダンスク本駅

●場所・行き方
ポーランドの首都・ワルシャワ、随一の観光都市であるクラクフをはじめ、ヨーロッパの主要都市と空路で結ばれています。ワルシャワからは鉄道で3時間弱とアクセスもよく、グダンスク~ワルシャワ~クラクフとポーランドを南北に縦断するルートは、旅のゴールデンルートとして知られています。

朝から夜までにぎわいを見せるドゥーギ広場
朝から夜までにぎわいを見せるドゥーギ広場

●町の概要と観光エリア
グダンスクの都市としての起源は、10世紀頃にさかのぼります。14世紀半ばにはドイツ(チュートン)騎士団の庇護のもとハンザ同盟の貿易都市として栄え、その後プロイセン、ポーランド領など帰属を次々と変えてきました。
観光スポットは旧市街に集中しています。メインストリートはドゥーガ通りDługa。西にある「黄金の門」から「緑の門」まで一直線に続く、500mほどの通りです。石畳の道の両脇にはゴシックやルネッサンス、バロックなどさまざまな様式の建築物が並び、豪華な装飾とカラフルな色合いは目もくらむほどの美しさです。緑の門を過ぎると、モトワヴァ運河に出ます。ここからは、運河に沿って北へと歩きます。琥珀小路として有名なマリアツカ通りと聖マリア教会を見学したら、運河に戻って船の博物館に入ってみましょう。さらに北上してラドゥニ運河まで行くと、観光ポイントをざっと回ったことになります。1日あれば充分に歩き回れるほどコンパクトにまとまっています。

グダンスクの見どころ

グダンスクの見どころ
見事な天井画が見られる「赤の間」

●市庁舎 Ratusz Głównego Miasta(Main Town Hall)
ドゥーガ通りの中心にあるドゥーギ広場Długi Targに面したゴシック様式の市庁舎です。1379年に着工、高さ82mの尖塔は1561年に完成しました。内部は現在、グダンスク博物館として公開されています。セルフツアーで豪華なインテリアの部屋を回ることができます。数ある部屋のなかでも最大の見どころが、「赤の広間Sala Czerwona」と呼ばれる評議会室。壁面上部や天上を細かな装飾や絵画が埋め尽くす光景は圧巻です。市庁舎の尖塔からはグダンスクの郊外からバルト海まで見渡すことができます。尖塔への入場は夏季のみとなっています。

(DATA)
■グダンスク博物館 Muzeum Gdańska
・住所: Długa 46/47
・URL: https://muzeumgdansk.pl

世界最大のレンガ造りの教会である聖母マリア教会
世界最大のレンガ造りの教会である聖母マリア教会

●聖母マリア教会 Kościół Najświętszej Marii Panny(St. Mary's Church)
1343年から建造を開始、約160年の年月をかけ1502年に完成したゴシック建築の教会です。レンガ造りの教会としては世界最大となっています。内陣には15世紀の天文時計や聖母像、祭壇などの見どころがあり、なかでも戦災を免れたステンドガラスは必見。高さ82mの塔の頂上まではロの字型に長い階段が続きますが、その眺望のすばらしさは疲れをすっかり忘れさせてくれます。

(DATA)
■聖母マリア教会
・住所: Podkramarska 5
・URL: https://bazylikamariacka.gdansk.pl

内部が博物館となっているソウデク号
内部が博物館となっているソウデク号

●グダンスク国立海洋博物館 Narodowe Muzeum Morskie w Gdańsk(National Maritime Museum in Gdańsk)
船舶にまつわる技術や文化、生活様式などを学べる博物館です。いくつかの分館がありますが、モトワヴァ運河近辺ではオウォヴィアンカ島にあるレンガ造りの穀物倉庫Spichlerze na Ołowiance(船の博物館)が見ごたえがあります。海と船がテーマで、ヴァイキングや大航海時代から近代までの船の展示は年齢に関係なく楽しめます。博物館の前には第2次世界大戦後初のポーランド製バラ積み貨物船であるソウデク号Sołdekが停泊しています。現存する世界唯一のスチーム動力の運搬船で、内部を見学することができます。

(DATA)
■グダンスク国立海洋博物館
・住所: Tokarska 21/25
・URL: https://nmm.pl

川の北にあり、旧市街からは徒歩20分ほど
川の北にあり、旧市街からは徒歩20分ほど

●第2次世界大戦博物館 Muzeum II Wojny Światowej(Museum of the Second World War)
グダンスク郊外のヴェステルプラッテから勃発した、第2次世界大戦に関する博物館。旧市街の北、モトワヴァ運河とラドゥニ運河が合流する場所に位置しています。展示スペースは5000㎡ あまりで、戦争の経緯を詳細に紹介するコーナーや戦時の町の再現などテーマの違う18の展示室に分かれています。市井の人々の日常生活や戦争の悲惨さを伝える展示もあり、平和の意義を感じ取ることができます。英語など外国語の音声ガイド端末が借りられます。

(DATA)
■第2次世界大戦博物館
・住所: pl. Władysława Bartoszewskiego 1
・URL: http://muzeum1939.pl

グダンスクのおすすめレストラン

グダンスクのおすすめレストラン
カシューブ風料理のひとつ、ニシンのサワークリーム漬け

●伝統料理
ポーランドの伝統料理のほかに、グダンスク近郊のカシューブ地方の郷土料理も味わえます。ニシンやタラといったバルト海の魚を素朴な味付けで仕上げた料理は、日本人にも人気です。

<カシューブ料理の人気店>
■タヴェルナ・メストウィン
Taverna Mestwin
・住所: Rynek Główny 10
・URL: https://www.facebook.com/Tawerna.Mestwin/

タルク・リブニィ・フィッシュマルクトの名物、ブイヤベース
タルク・リブニィ・フィッシュマルクトの名物、ブイヤベース

●シーフード
グダンスクでは、欧州各国のシーフード料理も味わえます。本格的なフレンチやイタリアンの店も多く、人気店の前には行列ができるほど。旧市街付近でおいしいシーフードを食べるなら、事前の予約がおすすめです。

<シーフードの人気店>
■タルク・リブニィ・フィッシュマルクト
Targ Rybny Fishmarkt
・住所: Targ Rybny 6C
・URL: http://targrybny.pl

グダンスクでおすすめのおみやげ

グダンスクでおすすめのおみやげ
琥珀の専門店が軒を連ねるマリアツカ通り

●琥珀
グダンスクを代表するおみやげといえば、琥珀です。天然の樹液が何千万年もかけて化石化したバルト海の琥珀は、高い品質で世界に知られています。旧市街には多くの琥珀専門店がありますが、モトワヴァ運河から西に延びるマリアツカ通りMariackaは見逃せません。石畳の小路の両脇に宝飾店が続く様子は、まるで「琥珀小路」。軒先には琥珀アクセサリーがきらめくショーウインドウが並びます。高価な逸品からスマートカジュアルにぴったりのペンダントやリングまであり、世代に関係なく楽しめるアクセサリーとして人気です。

グダンスクのおすすめホテル

グダンスクのおすすめホテル
世界のVIPも利用する格式あるホテル

ホテルはドゥーガ通りとモトワヴァ運河の周辺に多く、有名チェーン系ホテルから邸宅風のプチホテル、ホステル、民泊まで揃っています。ワルシャワやクラクフからの列車が到着する鉄道駅からは少し距離がありますが、観光には非常に便利な場所です。

●グダンスク Hotel Gdańsk
旧市街のヨットハーバーに隣接する5つ星ホテルです。歴史的建造物である穀物倉庫を改装した本館、隣にはヨットをイメージした新館があります。本館は古い赤レンガ造り。内部はモダンに改装され、上品なインテリアは心地抜群です。メインレストランの「チェルヴォヌィ・グジェビェク」では伝統的なポーランド料理を提供。流行のクラフトビールも味わえ、地元の人にも人気があります。

(DATA)
・住所: Szafarnia 9
・URL: https://www.hotelgdansk.com.pl/


●ハンザ Hotel Hanza
川を見下ろす一等地に建つ、グダンスクを代表する高級ホテルです。外観は古いレンガ造りですが、内部はモダンに改装されていて快適に過ごせます。

(DATA)
・住所: Tokarska 6
・URL: https://hotelhanza.pl/en/

グダンスクの夏のイベント

グダンスクの夏のイベント
グルメや雑貨などエリアにより出ている屋台の種類が異なる

750年もの歴史がある聖ドミニコ市は、ポーランドを代表する夏のフェスティバルのひとつです。開催は、毎年7月末から8月半ばまで。期間中は屋台や蚤の市などの常設市に加え、パレード、花火などのイベントが開催され大いににぎわいます。屋台は旧市街を中心に1000店近くも出て、ご当地グルメのほか琥珀アクセサリーや陶器、ハンドメイド雑貨、日用品や農産物までバラエティ豊か。ポーランドの文化と伝統を丸ごと体験できます。蚤の市では社会主義時代のレトログッズや掘り出しもののアンティークが見つかることも。

(DATA)
■聖ドミニコ市
・URL: https://jarmarkswdominika.pl

グダンスクの天気・おすすめの服装

グダンスクの天気・おすすめの服装
北国だけに夏でも夜は冷えるので羽織るものを忘れずに

海に近いグダンスクは、ポーランドの中では温暖で過ごしやすい気候です。夏は涼しく、数年に1度40℃近くまで気温が上昇するときもありますが、空気が乾燥しているためにまとわりつくような暑さがありません。旅のベストシーズンは4月下旬から10月上旬です。真冬になると日中は0℃前後、夜はマイナス10℃以下まで気温が下がる日もあります。防寒対策は万全に。ただし、外が寒くても室内は20℃超で暖かいため、脱ぎ着が簡単な重ね着を心がけましょう。

グダンスク周辺の観光スポット

グダンスク周辺の観光スポット
第2次世界大戦で破壊されたがその後再建された

●マルボルク城 Zamek w Malborku(Malbork Castle)
グダンスクから鉄道で約30分、マルボルクにある巨大な城塞です。1274年に築かれ、1309~1457年まではドイツ騎士団の居城として栄枯盛衰の舞台となりました。堅固な三層構造をした難攻不落の城として知られ、第2次世界大戦末期にはソ連軍と籠城したドイツ軍との攻防戦が行われました。激しい戦闘で城の8割が破壊されましたが、修復工事により復元。1997年にはユネスコの世界遺産に登録されました。

(DATA)
■マルボルク城
・住所: Starościńska 1, Malbork
・URL: https://www.zamek.malbork.pl

海に向かって延びる木造桟橋MOLO
海に向かって延びる木造桟橋MOLO

●ソポト Sopot
グダンスクの隣にあるソポトは、バルト海の保養地として知られてきました。町のシンボルは、全長511mの木造桟橋MOLO。木造の桟橋としてはヨーロッパ最長で、夏には涼しい海風を受けながら散歩を楽しむ人々でにぎわいます。海辺にはプライベートビーチを持つホテルやレストランが並びますが、なかでもひと際エレガントな外観をもつのが、創業1927年のホテル・グランド。世界の王族や政治家、映画俳優などの著名人が滞在したことでも知られます。
ソポトの中心部には構造自体が湾曲しているゆがんだ家Krzywy Domといわれる建物があってインスタグラマーに人気のスポットとなっています。
グダンスクからのアクセスは近郊線SMKが便利です。


ポーランド政府観光局の公式ホームページや公式SNSでは最新のポーランド情報が満載です。もっとポーランド情報が知りたいという人はぜひチェックしてみてください!

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※当記事は、2022年3月17日現在のものです。

〈地球の歩き方編集室よりお願い〉
2022年3月17日現在、国によってはいまだ観光目的の渡航が難しい状況です。『地球の歩き方 ニュース&レポート』では、近い将来に旅したい場所として世界の観光記事を発信しています。渡航についての最新情報は下記などを参考に必ず各自でご確認ください。
◎外務省海外安全ホームページ
・URL: https://www.anzen.mofa.go.jp/index.html
◎厚生労働省:新型コロナウイルス感染症について
・URL: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html
旅したい場所の情報を入手して準備をととのえ、新型コロナウイルス収束後はぜひお出かけください。安心して旅に出られる日が一日も早く来ることを心より願っています。

筆者

地球の歩き方観光マーケティング事業部

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