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一度は行ってみたい! 世界一豪華(!?)なヴェルサイユ宮殿の魅力

2019年10月05日

バロック様式で建てられたヴェルサイユ宮殿

「世界一豪華な宮殿」と人々の称賛を集めるヴェルサイユ宮殿。フランスのみならず、ヨーロッパの絶対王政を象徴するこの宮殿は、一生に一度は訪れたい場所。フランス史上最も有名な女性、マリー・アントワネットが過ごしたことでも知られています。豪華な歴史の舞台をじっくり見学しましょう。

ヴェルサイユ宮殿の場所・行き方(おもな交通手段)

宮殿に最も近いヴェルサイユ・シャトー・リヴ・ゴーシュ駅

ヴェルサイユ宮殿は、パリの南西約20kmのヴェルサイユにあります。鉄道駅が3つあり、パリから列車で行く方法は3つ。パリ市内からメトロとバスを乗り継いで行くこともできます。

列車で行く場合、宮殿にいちばん近いのは、RER(高速郊外鉄道)のヴェルサイユ・シャトー・リヴ・ゴーシュ(Versailles Château Rive Gauche)駅。パリ市内のRER(C)線の各駅から所要30~40分。宮殿まで徒歩約10分。宮殿までの途中に観光案内所があります。パリ市内からRERでヴェルサイユへ行くときは、ゾーン(Zone)が異なる(ヴェルサイユは4zone)ので、切符には注意が必要です。

ふたつめは、ヴェルサイユ・シャンティエ(Versailles Chantiers)駅を利用する行き方。国鉄モンパルナス駅からパリ近郊路線トランジリアン(Transilien)で所要15~30分。宮殿まで徒歩約25分。

3つめはヴェルサイユ・リヴ・ドロワト(Versailles-Rive Droite)を利用する行き方。国鉄サン・ラザール駅からトランジリアンで所要約40分。宮殿まで徒歩約25分。

メトロとバスを利用する場合は、メトロ9号線の終点ポン・ド・セーブル(Pont de Sèvres)駅発の171番のバスで20~40分。シャトー・ド・ヴェルサイユ(Château de Versailles)下車。宮殿の前に停まります。

ヴェルサイユ宮殿の歴史

宮殿正門前の広場にあるルイ14世の騎馬像

●ヴェルサイユ宮殿の沿革
ヴェルサイユ宮殿は1661年に太陽王ルイ14世の「有史以来、最も大きく、最も豪華な宮殿を!」というひと声で建設が始まりました。パリから20kmも離れた、もともとは沼地であったこの土地に森を造り、セーヌ川の流れを変え、噴水のために巨大なポンプを造ってセーヌ川の水を汲み上げるといった自然の大改造まで行ったのです。

宮殿にはありとあらゆる装飾を施し、贅の限りを尽くしました。このためフランス中の建築家、画家、彫刻家、造園家、そして何万人という労働者が駆り出されました。この途方もないプロジェクトの中心となったのが、建築家のルイ・ル・ヴォー、画家のシャルル・ル・ブラン、そして造園家のアンドレ・ル・ノートル。当時最高レベルのスタッフによって生み出されたのが、ヴェルサイユ宮殿だったのです。

1682年には宮廷と政府がヴェルサイユへと移されました。1715年にルイ14世が亡くなった後、ヴァンセンヌやパリへ移転された時期もありましたが、1722年、ルイ15世がヴェルサイユにふたたび政府を置きます。

ヴェルサイユ宮殿は、ルイ14世に続くルイ15世、ルイ16世の治世下でも、それぞれの趣味を反映した改装がなされましたが、1789年のフランス革命によって王政が廃止されると、権力の中枢としての役割を終えました。

その後、ナポレオンによる修復を経て、王政復古で王位に就いたルイ・フィリップ王によって歴史博物館に生まれ変わります。1919年には鏡の回廊にて、第1次世界大戦を終結させるヴェルサイユ条約が調印され、1979年にはヴェルサイユ宮殿と庭園がユネスコの世界遺産に登録されました。

ルイ・フィリップ王による博物館改修時に造られた「戦闘の回廊」

●マリー・アントワネットのエピソード
マリー・アントワネットは1770年にルイ16世と結婚。オーストリアからフランスへ嫁いできたとき、彼女はまだ14歳でした。ヴェルサイユ宮殿にあるオペラ劇場は、ルイ16世とマリー・アントワネットの結婚式を機に造られ、その後は仮面舞踏会や祝宴に利用されたものです。

ヴェルサイユ宮殿の日常は、起床から3度の食事、就寝までルイ14世が定めた厳格な儀式の形で行われていました。ハプスブルク家の末っ子として自由奔放に育ったマリー・アントワネットにとっては、とまどうことばかりでした。堅苦しい宮殿は退屈そのもので、夜ごと踊りに出かけたり、ドレスや宝石を次々と注文したりして、満たされない心を埋めていたのです。

また、ルイ14世から贈られた離宮プティ・トリアノンをこよなく愛し、友人や家族だけを招き、親密な時間を過ごすようになります。庭園の奥まった所には「王妃の村里」まで造り、子供たちと疑似農村生活を楽しみました。

王妃としては、ひとりの女性としての幸せを味わいたかっただけですが、これらの浪費に次ぐ浪費が民衆の反感と憎しみを呼び、やがて革命へとつながっていきました。革命勃発とともにマリー・アントワネットは捕らえられ、1793年コンコルド広場にて、断頭台の露と消えたのです。

プティ・トリアノンにあるマリー・アントワネットの肖像画

ヴェルサイユ宮殿の見どころ

宮殿観光のハイライトとなる「鏡の回廊」


見どころ満載のヴェルサイユ宮殿。太陽王ルイ14世の夢が結実した華麗な宮殿と庭園、マリー・アントワネットがひとときの安らぎを得た離宮プティ・トリアノンなど、見逃せないポイントがたくさんあります。そんな見どころを詳しく紹介。華麗な歴史の舞台をぜひ体感してください。

●鏡の回廊
宮殿のなかで最も壮麗な空間。1684年、ルイ14世の時代に完成しました。73mもの大回廊の壁一面に、当時非常に高価だった鏡が357枚も張り込まれています。王族の結婚式の際の舞踏会場など華やかな祝典の舞台となり、1919年には第1次世界大戦を終結させるヴェルサイユ条約調印の場所ともなりました。豪華絢爛なこの回廊は、フランス王室の栄光をヨーロッパ中に鳴り響かせ、ヨーロッパの王侯貴族の憧れの的となったのです。

典型的なフランス式庭園の「オレンジ園」

●庭園
フランス式庭園の最高傑作といわれる。設計したのは、「王の庭師にして庭師の王」と称される天才造園家アンドレ・ル・ノートル。ルイ14世は宮殿の建設中、毎日のように工事現場を見て回り、不十分な所、気に入らない所は直接指示を与え、細部まで直させるほど力を入れていたといいます。この庭園はルイ14世の自慢の作品で、『ヴェルサイユ庭園案内の手引き』と題したノートの中に、来客を連れて庭園を鑑賞させるにはこれがいちばん、という道順まで書き残しています。背後の敷地も含めた庭全体の面積は800ha以上と広大なので、移動にはプチトラン(小さな観光用のバス)などを利用するといいでしょう。

宮殿のほぼ中央に位置する「王の寝室」

●王の寝室と王妃の寝室
王の寝室は、王の生活の場であると同時に王の執務室であり、君主制の聖域でもありました。当時は、起床と就寝の儀式も行われていたそうです。ルイ14世は1715年9月1日にここで息を引き取りました。

王妃の寝室は、ルイ14世妃以来、歴代の王妃が使用しました。最後にこの部屋を使用したのは、マリー・アントワネット。王妃はこの部屋で大半の時間を過ごし、人々の訪問を受けました。「公開出産」が行われたのもこの部屋で、19人もの王の子供がここで生まれました。現在公開されている家具や内装は、マリー・アントワネットが使っていた時代のものを再現しています。

“アントワネットの時代”で保存された「王妃の寝室」

●ドメーヌ・ド・トリアノン
庭園内にある運河の北側には、グラン・トリアノンとプティ・トリアノン、王妃の村里からなるエリア「ドメーヌ・ド・トリアノン」があります。堅苦しい宮廷生活に疲れた王家の人々が、息抜きをした場所です。

グラン・トリアノンは、ルイ14世が愛人と過ごすために建てさせたもので、優美なイタリア風邸宅。バラ色の大理石でできた美しい列柱回廊は、ルイ14世の発案で生まれたといいます。フランス革命でルイ14世時代の調度品はすべて失われましたが、ナポレオン1世が使っていた頃の調度が保存されています。

バラ色の列柱が美しい「グラン・トリアノン」

●プティ・トリアノン
プティ・トリアノンは、もともとはルイ15世とその愛妾ポンパドゥール夫人のために建てられましたが、後にマリー・アントワネットに贈られました。ここで彼女は、子供たちや親しい友人だけをそばに置いて、自由気ままな日々を過ごしていました。宮殿とは正反対の軽やかで可憐な内装に、彼女の繊細なセンスが感じ取れます。

プティ・トリアノンの「お供の間」

●王妃の村里
庭園の外れには、素朴なわら葺き農家を集めた王妃の村里があります。派手好きというイメージとはうらはらな、マリー・アントワネットの田園趣味がうかがえる場所です。ここで彼女は子供たちと疑似農村生活を楽しんでいました。王妃の家の外観はわら葺屋根の田舎家ですが、内部は離宮プティ・トリアノンを思わせるエレガントな造りになっています。

のどかな風景が印象的な「王妃の村里」
王妃の村里にある「王妃の家」

●噴水ショー
ルイ14世時代、庭園ではさまざまな趣向を凝らした余興が毎日のように開かれていました。それを再現する「大噴水ショー」という水と音楽のスペクタクルが春から秋の間に行われています。噴水のからくりは300年以上前とまったく同じで、数ヵ所の大貯水池から全長約30kmの配管を通して、サイフォンの原理を用いた水の圧力を利用しています。夏には庭園が色とりどりにライトアップされる「夜の大噴水ショー」も開催されます。

華やかな噴水(大噴水ショーではありません)

ヴェルサイユ宮殿の基本情報

多くの観光客が訪れるヴェルサイユ宮殿 ©iStock

■ヴェルサイユ宮殿の開館時間
・4~10月 9:00~18:30
・11~3月 9:00~17:30
(入場は閉館の30分前まで)
*月曜、1/1、5/1、12/25、公式行事のある日は休館。
・入場料は€18、18歳未満と11~3月の第1日曜は無料。

■ドメーヌ・ド・トリアノンの開館時間
・4~10月 12:00~18:30
・11~3月 12:00~17:30
(入場は閉館の30分前まで)
*月曜、1/1、5/1、12/25、公式行事のある日は休館。
・入場料は€12、18歳未満と11~3月の第1日曜は無料。

■庭園の開館時間
・4~10月 8:00~20:30
・11~3月 8:00~18:00
*無休。悪天候を除く。季節により異なる。
・入場料は無料。大噴水ショー、音楽の庭園開催日を除く。

宮殿、ドメーヌ・ド・トリアノンがセットになった「1日パスポート」もあるのでおすすめです。€20。宮殿の切符売り場のほか、宮殿のWEBサイトからの購入も可能。
・URL: http://www.chateauversailles.fr/

また「パリ・ミュージアム・パス」も使えるので、他の美術館&見どころを訪れる予定がある場合は購入しておくと便利です。
・URL: http://www.parismuseumpass.com/ 

周辺のおすすめグルメ

宮殿内の「アンジェリーナ」のクロック・ムッシュー(€16)
庭園内の「ラ・プティット・ヴニーズ」のテラス席

ヴェルサイユ宮殿の本館内にはモンブランで有名なサロン・ド・テ「アンジェリーナ」があり、ランチも取ることができます。また庭園内にもレストランやサンドイッチスタンドがあります。落ち着いて食事をしたいなら、「ラ・プティット・ヴニーズ」がおすすめ。庭園内のアポロンの泉と大運河の間にあり、木立の中にひっそりとたたずむイタリアンレストラン&サロン・ド・テ。ルイ14世がイタリアのヴェネツィアから呼び寄せたゴンドラ職人の工房を改装しています。夏はバラに囲まれたテラスで食事を取るのも楽しいものです(ア・ラ・カルトの予算は€35程度~)。

■アンジェリーナ Angelina
・住所: 宮殿内
・URL: https://www.angelina-paris.fr/

■ラ・プティット・ヴニーズ La Petite Venise
・住所: Parc du Château de Versailles
・URL: https://www.lapetitevenise.com/

おすすめの近隣観光地

ルイ14世の不興を買ったというヴォー・ル・ヴィコント城 ©iStock

ヴェルサイユ宮殿のほかにもパリから日帰りできる城館があります。王家の歴史を巡る旅に出てみましょう。

【1】ヴェルサイユ宮殿のルーツとなったヴォー・ル・ヴィコント城 Château de Vaux-le-Vicomte
ルイ14世はこの城の豪華さに嫉妬し、城主を投獄。その後ルイ14世は、この城の建設に携わった同じスタッフを使ってヴェルサイユ宮殿の建設に着手したという、いわくつきの城です。
・URL: https://vaux-le-vicomte.com/

ブルトゥイユ城内では、ペローの童話の登場人物に出会える

【2】フランス王家にまつわる芸術品の宝庫ブルトゥイユ城 Château de Breteuil
童話集で知られるシャルル・ペローが17世紀に逗留していたことから、「ペローの城」とも呼ばれます。
・URL: http://www.breteuil.fr/

フランス初の本格的なルネッサンス建築のフォンテーヌブロー城
フォンテーヌブロー城の「フランソワ1世の回廊」

【3】マリー・アントワネットも訪れたフォンテーヌブロー城 Château de Fontainebleau
フランス初の本格的なルネッサンス建築の宮殿といわれます。なかでもフランソワ1世の回廊と舞踏の間は必見です。ヴェルサイユ宮殿と同じくル・ノートルが手がけた花壇も見ることができます。
・URL: https://www.chateaudefontainebleau.fr/

まとめ

宮殿のフェンスには太陽神をかたどったルイ14世の紋章が  ©iStock

ルイ14世によって建設の始まったヴェルサイユ宮殿。豪華絢爛なこの宮殿は多くの歴史の舞台となってきました。現在はフランス屈指の観光スポットとして、たくさんの観光客が訪れています。フランスの太陽王と絶対王政の時代をしのび、じっくりと見学してみてください。

TEXT: オフィス・ギア
PHOTO: オフィス・ギア、iStock

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