世界の珍獣に出合えるスポット12選(前編)。かわいい小動物から巨大な海の生き物まで

公開日 : 2020年04月28日
最終更新 :
マダガスカルに生息するワオキツネザル ©iStock
マダガスカルに生息するワオキツネザル ©iStock

世界には動物を見られる場所がたくさんありますが、その地域でしか見られないレアな“珍獣”に出合いに行きませんか? 自然の宝庫マダガスカルから南米の熱帯雨林アマゾンまで、13のスポット別にご紹介します。まずは6スポットの8種類から。

コモド島/Pulau Komodo(インドネシア)

コモド島/Pulau Komodo(インドネシア)
ふたつの海流が交じり合い、ダイビングスポットとしても人気がある ©iStock

インドネシア南部の小スンダ列島にある島で、周辺の島々を含む173平方キロメートルがコモド国立公園に登録されています。観光のメインは、島と同じ名前のコモドドラゴンのウオッチング。ガイドと一緒に島内を回りながらコモドドラゴンをはじめとする貴重な動植物を見るトレッキングが人気です。なお、2019年10月より、環境保護のためコモド島の入島人数が制限されています。

●コモドドラゴン/Komodo Dragon
「ドラゴン」の異名を持つ巨大なトカゲ。正式名称はコモドオオトカゲと言い、大きい個体だと全長3mを超すことも。肉食で歯の間に毒を持っているため、安易に近づくことはできません。コモド国立公園には約3000匹が生息していますが、年々減少し続けており、絶滅危惧種に指定されています。

まるで恐竜のような見た目 ©iStock
まるで恐竜のような見た目 ©iStock

ボホール島/Bohol Island(フィリピン)

ボホール島/Bohol Island(フィリピン)
高さ20~30mほどの円錐状の丘が連なるチョコレート・ヒルズ ©iStock

フィリピン随一のリゾート、セブ島の東に浮かぶボホール島。島のマスコットとして愛されているのが、世界最小のメガネザルであるターシャ。とても臆病な性格なので、野生のターシャを見ることはほぼできませんが、島内に2ヵ所ある保護施設で愛くるしいターシャを見学できます。島内にはほかにも1200を超える丘が連なるチョコレート・ヒルズなどの絶景ポイントもあり、セブから日帰りツアーも多く催行されています。

●ターシャ/Tarsier
世界で最も小さいメガネザルで、成体でも大きさは大人の手のひらサイズ、体重は100gにもなりません。とても繊細かつ臆病な性格で、人間が触れることはもちろん、カメラのフラッシュや大きい声に驚いて死んでしまうことも。木にしがみついている姿を見かけても、声などを出したりせずそっと見守りましょう。

大きな瞳がとってもキュート。夜行性なので昼間はまどろんでいることも ©iStock
大きな瞳がとってもキュート。夜行性なので昼間はまどろんでいることも ©iStock

ボルネオ島/Borneo(インドネシア/マレーシア/ブルネイ)

ボルネオ島/Borneo(インドネシア/マレーシア/ブルネイ)
島内最高峰のキナバル山は標高4095m。島の中央を貫く山脈が望める ©iStock

マレー半島の東に浮かぶボルネオ島は、面積が約12万5500平方キロメートル。日本の実に1.9倍もの面積を持つ巨大な島で、インドネシア、マレーシア、ブルネイの3ヵ国に領有されています。島内には手つかずのジャングルが残り、オランウータンやテングザルなどの固有種をはじめとした200種の哺乳類が棲息しています。マレーシア領のコタキナバルでは、オランウータンやテングザルの保護区を訪れるツアーが人気を呼んでいます。

●オランウータン/Oranghutan
ボルネオを代表する動物で、アジアで唯一の大型類人猿。マレー語で「森の人」という意味を持つとおり、生涯のほとんどを木の上で生活します。体長はオスで1m近く。腕が脚の倍ほども長く、木から木へと移動するため握力も非常に強いとされています。個体数が著しく減少しており、絶滅危惧種に指定されています。

木の枝にぶら下がって移動する ©iStock
木の枝にぶら下がって移動する ©iStock

●テングザル/Proboscis Monkey
天狗のように長く大きな鼻が特徴のテングザルは、ボルネオ島の固有種。鼻が大きくなるのはオスのみで、大きければ大きいほどメスにモテるのです。ぽってりした太鼓っ腹もユニークで、体長はオランウータンよりふた周りほど小さな75cm程度。オランウータンと同様、普段は木の上で生活していますが、泳ぐこともできます。

温厚な性格で争いを好まない ©iStock
温厚な性格で争いを好まない ©iStock

シミエン国立公園(エチオピア)/Simien National Park

シミエン国立公園(エチオピア)/Simien National Park
国立公園にはシミエン山地の切り立った山々が見られる ©iStock

エチオピア北部に広がる国立公園で、アフリカ大陸を南北に縦断する大地溝帯(グレート・リフト・バレー)の一角にある山岳地帯です。園内には標高3000mを超える山が屹立し、非常に厳しい自然環境となっています。ガイドと一緒にトレッキングをしながらゲラダヒヒをはじめとする希少動物を見るツアーが人気です。野生動物のほか、高山植物も見ものです。

●ゲラダヒヒ/Gelada Baboon
シミエン国立公園の厳しい自然環境に適応してきたのが、胸元に赤いハートのような模様を持つゲラダヒヒです。模様はオスメスともに見られ、メスは模様の周りに白い縁取りがあります。5頭ほどの小さな家族単位で生活しますが、こうした家族が集まり、やがて100頭を超える群れになることもあります。

草を食べて生活する ©iStock
草を食べて生活する ©iStock

ベレンティ保護区/Berenty Reserve(マダガスカル)

ベレンティ保護区/Berenty Reserve(マダガスカル)
樹齢1000年を超すバオバブ並木でおなじみのマダガスカル ©iStock

アフリカ南東部に浮かぶ島国であるマダガスカルは、珍しい動物の宝庫です。大陸との生物の往来が少なかったため、島内の生態系は独特の進化を遂げてきました。南東部にあるベレンティ保護区は、固有種のキツネザルを保護するために作られた私設の保護区。リゾート施設催行のサファリに参加すれば、6種のキツネザルをはじめとしたさまざまな動植物を見ることができます。

●ワオキツネザル/Ring-tailed Lemur
マダガスカルの国獣に指定されているワオキツネザル。体長は約45cmで、体よりも長い白と黒の縞模様の尻尾を持っています。ふさふさとした尻尾は、仲間同士のコミュニケーションにも用いられます。昼に行動し、夜は木の上に登って寝ています。

しっぽを高々と上げて歩く ©iStock
しっぽを高々と上げて歩く ©iStock

アマゾン河/Amazon River(ブラジル)

アマゾン河/Amazon River(ブラジル)
地球上の熱帯雨林の半分をアマゾンが占める ©iStock

流域面積世界一のアマゾン河は南米大陸の実に7ヵ国にまたがる大河ですが、半分以上がブラジルを流れています。周囲は熱帯のジャングルになっており、多様な動植物が暮らしています。アマゾン観光のゲートウェイであるマナウスの周辺にはジャングルロッジという宿泊施設があり、クルーズやジャングル・トレッキングなどを楽しむことができます。最近では、アマゾン河に生息するピンクイルカを観察するツアーが話題となっています。

●ピンクイルカ/Pink Dolphin
アマゾン河に生息するピンクイルカは、昔、海で暮らしたイルカが地殻変動により川に閉じ込められ、そのまま独自の進化を遂げたものとされています。正式にはアマゾンカワイルカといい、クリームがかったピンクやグレーの体色が特徴。海で暮らすイルカよりも口吻が細長く、狭い川でも魚を捕らえるのに適しています。

一緒に泳いだり餌やりができる施設もある ©iStock
一緒に泳いだり餌やりができる施設もある ©iStock

●ナマケモノ/Sloth
ゆっくりとした動作から不名誉な名前がついたナマケモノも、アマゾンのジャングルで暮らしています。弱肉強食の中、どのように生き抜いてきたのかと不思議に思う生き物ですが、動かないことで体力の消耗が抑えられ、天敵にも見つかりにくいのです。なお、水の中では陸の3倍の速さで動くことができます。

温和な表情を浮かべるナマケモノ ©iStock
温和な表情を浮かべるナマケモノ ©iStock

世界の珍獣に出合えるスポット12選(後編)はこちら

TEXT: グルーポ・ピコ
Photo: iStock

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※当記事は、2020年4月23日現在のものです。

筆者

地球の歩き方書籍編集部

1979年創刊の国内外ガイドブック『地球の歩き方』の書籍編集チームです。ガイドブック制作の過程で得た旅の最新情報・お役立ち情報をお届けします。

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