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フランスの秘境コルシカ島のおすすめ観光情報

2020年06月26日

青い海と切り立った崖、赤い町並みが織りなすボニファシオの景観 ©iStock

手つかずの自然が残り、フランスの秘境と称される地中海の島、コルシカ(フランス語名はコルスCorse)。一度訪れれば、再訪を願わずにはいられないと言われるほど、誰もがその美しさに魅了される人気の観光地です。

【はじめに】2020年6月26日現在、観光目的の海外渡航は難しい状況です。『地球の歩き方ニュース&レポート』では、昨今の世界情勢をふまえ観光地情報の発信を抑制してきました。しかし、2020年5月31日で「期間限定の電子書籍読み放題サービス」が終了したこともあり「近い将来に旅したい場所」として、世界の現地観光記事の発信を2020年6月以降、再開することにいたしました。

世界各地のまだ行ったことのない、あるいは再び訪れたい旅先の詳しい情報を入手して準備をととのえ、新型コロナウイルス禍収束後は、ぜひ旅にお出かけください。安心して旅に出られる日が一日も早く来ることを、心より願っています。

コルシカ島とは

クルーズ船の重要な中継地でもあるアジャクシオ港

●コルシカ島の主要都市
コルシカ島を巡る拠点となる都市は、アジャクシオ(Ajaccio)とバスティア(Bastia)です。アジャクシオは島の西海岸にある港町で、ナポレオン1世の生誕地としても知られています。

イタリアの町並みに似た趣のバスティア港 ©iStock

バスティアは島の北端にあるコルス岬の付け根に位置する港町。14~18世紀、ジェノヴァ共和国領だった時代の要塞が残り、イタリアを思わせる家並みが特徴です。

アジャクシオのフォッシュ広場に立つナポレオン像

●ナポレオン1世の出身地
ナポレオン・ボナパルト(1769~1821年)は、コルシカ島のアジャクシオでイタリア系貴族の家に生まれました。フランス革命後、天性の軍事的手腕を発揮して、ヨーロッパ広域に勢力を拡大、フランス第一帝政の皇帝まで上り詰めました。その生家は、現在記念館として公開されています。

アジャクシオ・ナポレオン・ボナパルト空港

●位置、行き方
地中海に浮かぶ島コルシカは、南仏コート・ダジュールの町ニース(Nice)の南東約180kmの沖合にあります。

島へはパリからの飛行機、もしくはニース、マルセイユ(Marseilles)、トゥーロン(Toulon)などからの船を利用します。パリ・シャルル・ド・ゴール空港またはオルリー空港から、アジャクシオ・ナポレオン・ボナパルト空港まで飛行機で約2時間。トゥーロンからアジャクシオまで船で約6時間15分。ニースからアジャクシオまで船で約7時間40分。

コルシカの美しい自然 ©iStock

●「イル・ド・ボーテ」とは
コルシカ島は、古代ギリシアの時代には「最も美しい」を意味する「Kallisté」と呼ばれました。現在は「イル・ド・ボーテ(Ile de Beauté=美の島)」の別称が与えられ、豊かな自然と美しい風景で、訪れる人を魅了しています。

コルシカビール「ピエトラ」€2.20

●コルシカ島の産業
観光業はコルシカ島にとって最も重要な産業です。20年ほど前から、観光客の数は増え続けており、夏は宿泊ホテルの確保が難しくなるほど。旅程が決まったら、早めにホテルを予約することをおすすめします。

山岳部の多いこの島の名産物は、栗。粉末にしたものを使ったケーキなどが作られるほか、「ピエトラ(Pietra)」という島を代表するビールにも、栗が使われています。

コルシカ島の歴史

ジェノヴァ時代に築かれたカルヴィの町 ©iStock

●古代から中世へ
ヨーロッパ大陸から近い距離にあり、天然の良港をもつ地中海の島コルシカ。その地理的条件により、古くから沿岸諸国の海洋交易の中継地となり、支配者が変遷していきました。紀元前3世紀にはローマ帝国の支配下に置かれ、いくつかの都市が建設されています。

ローマ帝国が分裂し支配力が弱まると、海賊や異教徒による襲撃を受けるなど、不安定な時代が続きますが、1077年、都市国家として栄えていたピサ共和国(現在のイタリアのピサ)の統治下に置かれることになりました。

13世紀まで安定した時代が続きましたが、ライバル的存在でもあったジェノヴァ共和国が、沿岸地域にカルヴィなどの城塞都市を建設、支配するなど、その勢力を広げていきます。

1284年、ジェノヴァ共和国はピサの艦隊を破り、勝利します。その後500年にわたり、フランスが部分支配した一時期を除き、コルシカはジェノヴァの支配下に置かれました。

コルシカ独立運動の英雄パスカル・パオリの像

●コルシカ独立戦争
ジェノヴァ領時代、その抑圧に対する反乱がたびたび起こるようになります。その都度、鎮圧されてきましたが、1729年に勃発した独立戦争は、1769年に完全に集結するまで続き、「40年戦争」とも呼ばれています。

この独立戦争は、もともと小さな反乱から勃発したものでしたが、島民の間に広がっていた啓蒙思想の影響もあり、次第に規模を拡大していきます。当時のジェノヴァはかつての勢いを失い、その蜂起を抑えることができませんでした。

1755年には、亡命先から帰ったパスカル・パオリ(1725~1807年)によって、独自の憲法草案が作成され、コルシカ共和国の誕生が宣言されました。

最後の戦いの舞台となったポンテ・ヌオヴォ ©iStock

●フランス領へ
独立の機運が高まるなか、すっかり経済力を失っていたジェノヴァは、1768年、フランス王国との間にヴェルサイユ条約を結び、コルシカ島の領有権を譲渡します。これに憤ったパオリたちとフランス軍との間で、戦争が始まりました。フランス軍に勝利することもありましたが、その戦力の差は歴然としており、1769年、ポンテ・ヌオヴォの戦いで敗れた後、パオリは英国に亡命。コルシカはフランスの領土となりました。

コルシカ島のおすすめ観光スポット

ボニファシオの城塞都市 ©iStock

●断崖の上に築かれた城塞都市「ボニファシオ」
コルシカ島の名所のなかでも、絶景ポイントとして多くの観光客を集めているのが、最南端にあるボニファシオ(Bonifacio)です。激しく侵食された石灰岩の断崖が地中海からそそり立ち、その上に9世紀に形造られた城塞都市があります。ダイナミックな全景を眺めるなら、ボニファシオ港から出ている遊覧船がおすすめです。

断崖に彫り込むように造られたアラゴン王の階段 ©iStock

町から海際まで続く「アラゴン王の階段(L’Escalier du Roy d’Aragon)」も見逃せないパノラマスポットです。15世紀、アラゴン王のアルフォンソ5世(1396~1458年)の命令を受けてひと晩で造られたという伝説の残る階段で、下りた先は遊歩道になっています。

高さ80mの断崖に45度の角度で彫り込むように造られた187段の階段の上り下りはスリル満点。岩に打ちつける波の音を聴きながら、エメラルドグリーンの海を間近に見ることができます。

遊覧船で楽しむスカンドラ自然保護区

●世界遺産に登録されたスカンドラ自然保護区
島の西海岸にあるスカンドラ自然保護区(Réserve de Scandola)とジロラッタ湾(Golfe de Girolata)、ポルト湾(Golfe de Porto)を含む一帯は、1983年、ユネスコの世界遺産に登録されました。

赤い花崗岩の断崖に挟まれた湾は、厳しい管理のもとで保護されています。車でアクセスすることは禁じられているため、ポルト(Porto)、もしくはアジャクシオからの観光船を利用して遊覧することになります。半日~1日ツアーが催行されており、日本からオンライン予約も可能です。

山間の美しい村ピアナ ©iStock

●「フランスの最も美しい村」に登録されたピアナ
スカンドラ自然保護区を巡る遊覧船が出るポルトへは、くねくねとした山道をたどっていきます。その途中にあるのが、「フランスの最も美しい村」に登録されているピアナ(Piana)です。

「カランケ」と呼ばれる奇岩群を背景に、赤屋根の民家が寄り添う、かわいらしい村です。春先なら、まだ雪をかぶるコルシカの最高峰モンテ・チント(2706m)を遠望することもできます。

ナポレオンの生家

●アジャクシオにあるナポレオンゆかりの場所をめぐる
・ナポレオンの生家 Maison Bonaparte
ナポレオンが生まれ、10歳までを過ごした家。当時の様子を再現した模型やデスマスクが展示されています。

ノートルダム・ド・ラソンプシオン大聖堂

・ノートルダム・ド・ラソンプシオン大聖堂 Cathédrale Notre-Dame de l’Assomption
ジェノヴァ時代に造られた大聖堂。ナポレオンが洗礼を受けた場所として知られています。

市庁舎にあるナポレオンの間

・市庁舎「ナポレオンの間」 Salon Napoléon de l’Hôtel de Ville
アジャクシオの市庁舎2階にある「ナポレオンの間」。ナポレオンの肖像画、資料などが展示されています。

コルシカ鉄道で絶景を楽しむ

コルシカ鉄道

●コルシカ鉄道の魅力・特徴
コルシカ島は「海に立つ山」と呼ばれるほど、山岳地帯の多い島です。海岸線のすぐそばまで、断崖絶壁と険しい岩山が迫ることも珍しくありません。そんな野性味あふれる自然のなかに敷かれたのが、「コルシカ鉄道」です。

コルシカ鉄道は、南西部にあるアジャクシオから北部のバスティア、また途中分岐してカルヴィまで結んでいます。いずれの町も地中海に面した港町で、その沿線の大部分は山岳地帯。つまり、海と山の両方を楽しめる鉄道として、観光客にも人気です。

岩肌を露わにした山岳風景、深い渓谷など、ダイナミックな沿線風景が続くなか、ハイライトとなるのはギュスターヴ・エッフェル(1832~1923年)が設計したヴェッキオ橋(Pont du Vecchio)。90mを超える高さがあり、ちょっとしたスリルを味わえます。

アジャクシオ駅

●切符の買い方
コルシカ鉄道は、事前の予約はできません。当日あるいは前日に駅の窓口で購入します。夏のシーズン中は、早めの時間に購入し、乗車することをおすすめします。
・URL: https://cf-corse.corsica/

コルシカのグルメ

ブロッチュチーズ€8.50

●コルシカの名産品
自然に恵まれたコルシカ島では、さまざまな名産品に出合えます。まず、ヤギの乳を使ったチーズ「ブロッチュ(Brocciu)」。あっさりとした味で、料理にも使われます。

コルシカ名物のカニストレリ€4.70

お土産にするなら、名物の栗の粉を使ったお菓子「カニストレリ(Canistrelli)」もおすすめ。そのほか、「セドラ」と呼ばれるコルシカ産の柑橘を使ったジャムも人気です。

ブロッチュチーズのカネロニ€14.50

●コルシカの料理の特徴
コルシカ料理は、その歴史的背景から、イタリアの影響を受けていることが特徴です。たとえば、名物のブロッチュチーズを使ったカネロニやナスのファルシは、代表的な料理のひとつです。

コルシカワイン€20

ほかに、やはり名産品で種類が豊富なハム類は、コルシカ産のワインに合います。

リーズナブルな値段のア・メランデラ・シタディナ

●おすすめレストラン
地元の素材を味わえるアジャクシオのレストランを紹介しましょう。

■ア・メランデラ・シタディナ A Merendella Citadina
ハムなど地元の素材を使った料理がリーズナブルな値段で楽しめます。細い路地に張り出したテラス席も雰囲気があります。
・住所: 19, rue Conventionnel Chiappe
・電話: 09.67.78.99.13

シーフード・レストランのル・カバノン・ブルー

■ル・カバノン・ブルー Le Cabanon Bleu
アジャクシオから西へ約2kmの所にあるシーフードのレストラン。波打ち際のテーブルで、鉄板焼など新鮮な魚介類を味わうことができます。
・住所: 65, Cours Lucien Bonaparte
・電話: 04.95.51.02.15
・URL: https://www.facebook.com/cabanonbleu/?rf=191279917556537

コルシカ島の天気

山岳地帯では冬に雪が降ることも ©iStock

コルシカ島の気候は、典型的な地中海性気候で、夏は暑く乾燥した日が続き、冬は比較的温暖で雨の日が多くなります。ベストシーズンは4~6月。ホテルやレストランのなかには、冬季に休業する所もあるので、注意しましょう。

■コルシカの天気&服装ナビ
・URL: https://www.arukikata.co.jp/weather/MC/13Q/

まとめ

「海に立つ山」の言葉が実感できるコルシカの立体地形図 ©iStock

自然が生み出した絶景と、独自の文化を育んできたコルシカ島。ゆっくりと時間をかけて、フランス本土とは違ったこの島の魅力を堪能してはいかがでしょう。

TEXT: オフィス・ギア
PHOTO: オフィス・ギア、iStock

フランス旅行に役立つ記事はこちら

※本記事の観光関連情報は2020年6月11日現在のものです。

〈地球の歩き方編集室よりお願い〉
2020年6月26日現在、フランスへの日本からの観光目的の渡航はできません。渡航についての最新情報、情報の詳細は下記などを参考に必ず各自でご確認ください。
◎外務省海外安全ホームページ
・URL:  https://www.anzen.mofa.go.jp/index.html
◎厚生労働省:新型コロナウイルス感染症について
・URL: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html

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