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“水の都”イタリア・ヴェネツィアの歩き方~観光からグルメまで

2020年07月19日

昼間はもちろん夕方や夜の姿も美しい ©iStock

7世紀から18世紀末まで続いたヴェネツィア共和国の首都として繁栄した町。全体が海に浮かぶ干潟の上にあり、運河が巡らされた町は「水の都」と呼ぶにふさわしい景観です。名物のゴンドラや徒歩で、入り組んだ運河や小路を散策しましょう。

【はじめに】2020年7月17日現在、外務省は不要不急の海外渡航を止めるよう勧告を出しています。『地球の歩き方ニュース&レポート』では、昨今の世界情勢をふまえ観光地情報の発信を抑制してきました。しかし、2020年5月31日で「期間限定の電子書籍読み放題サービス」が終了したこともあり「近い将来に旅したい場所」として、世界の現地観光記事の発信を2020年6月以降、再開することにいたしました。

世界各地のまだ行ったことのない、あるいは再び訪れたい旅先の詳しい情報を入手して準備をととのえ、新型コロナウイルス禍収束後は、ぜひ旅にお出かけください。安心して旅に出られる日が一日も早く来ることを、心より願っています。

ヴェネツィアについて

高速鉄道を利用すれば都市間の移動も楽々

●位置・行き方
北部イタリア、ヴェネト州の州都。南北に細長い長靴型の国土を持つ、イタリアの北東部に位置しています。ローマやミラノからの国内線のほか、ヨーロッパ各地から国際線がフライト。日本からはローマへの直行便を利用すると、出発日の夜に到着できます。鉄道も発達していて、ローマから約4時間、ミラノから約2時間30分、フィレンツェからは約2時間でアクセスできます。

≫≫≫ ヴェネツィア旅行ガイド

運河を巡るゴンドラ。ルートや時間、料金はゴンドリエーリと相談して決める ©iStock

●町の魅力
町全体が干潟の上にあるという世界でも類を見ない地形から、「水の都」と呼ばれるヴェネツィア。町中を巡る運河を進むゴンドラは、絶対に体験したい名物アトラクション。中世に隆盛を誇った海洋王国「ヴェネツィア共和国」の首都として発展した町なかには、往時の歴史的な建造物が点在。迷路のように入り組んだ小路を歩けば、中世ヨーロッパの世界にタイムスリップできますよ!

SNSで人気急上昇中のブラーノ島 ©iStock

●世界遺産
町全体が「ヴェネツィアとその干潟」として世界遺産となっています。ヴェネツィアンガラスで有名なムラーノ島、カラフルな町並みで人気のブラーノ島など周辺の島々も一緒に登録されています。

ヴェネツィアの主要交通手段であるヴァポレット ©iStock

●交通事情=水上バス
ヴェネツィアの市街地には車の進入が許されておらず、メインの交通手段はカナル・グランデを行く水上バス(ヴァポレット)です。サンタ・ルチア駅や空港からもこのヴァポレットを利用することになります。

アクア・アルタとは

水没したサン・マルコ広場 ©iStock

●発生する時期
アクア・アルタとはイタリア語で「高潮」の意味。平均海抜がわずか80cmほどのヴェネツィアでは、このアクア・アルタが起こると町のいたる所が浸水・水没してしまいます。アクア・アルタの発生は秋~冬に多いのですが、春~初夏にかけても発生することがあります。
特にここ数年は水位の上昇が激しくなることが多く、2019年11月に起こったアクア・アルタでは、観光の中心であるサン・マルコ広場が完全に海面下になる事態となってしまいました。

長靴を履けば町歩きも可能だ ©iStock

●発生時期の観光の注意点
アクア・アルタは自然現象なので、完全に予測することは難しいです。発生時には各ホテルで長靴をレンタルしてくれることも。観光地も水位の上昇が少なければ通常通りオープンし、数時間すれば水も引くので、観光ならそれほど心配することはありません。

ヴェネツィアのおすすめ観光スポット

サン・マルコ広場。鐘楼の横にあるのはサン・マルコ寺院 ©iStock

●サン・マルコ広場 Piazza San Marco
ヴェネツィア共和国時代から町の中心であり、「世界で最も美しい」といわれる広場。周囲には、サン・マルコ寺院やドゥカーレ宮殿、カルパッチョ作の『ヴェネツィアの二人の婦人』などが見られるコッレール博物館と、ヴェネツィアの観光名所が並んでいます。
広場の中央に建つのは鐘楼。高さ96.8mの塔は展望台となっていて、上部からはヴェネツィアの町を一望できます。広場を見学した後は、1720年に創業した伝説のカフェ、「カフェ・フローリアン」でひと息入れましょう。


●サン・マルコ寺院 Basilica di San Marco

細かなモザイクに圧倒される ©iStock

サン・マルコ広場に面して建つ教会で、豪華なロマネスク・ビザンチン様式の建物はヴェネツィアのシンボル的存在となっています。
祀られているのは、ヴェネツィアの守護聖人である聖マルコ。シンボルとなっているのが翼をもった獅子で、寺院はもちろん町のあちこちで同じ獅子の像を見ることができます。ファサードをくぐり内部に入ると、そこには壁から天井まで細かなタイルを敷き詰め作ったモザイク画がびっしり! サン・マルコ広場を見下ろすバルコニーに出ることもできます。

■サン・マルコ寺院 Basilica di San Marco
・住所:Piazza San Marco
・URL: http://www.basilicasanmarco.it


●ドゥカーレ宮殿/Palazzo Ducale

美しいアーチが連なる柱廊を歩いてみよう ©iStock

ヴェネツィア共和国を支配した総督の居城で、かつては政治や軍事の中心として機能していました。創建当時は城砦としての目的がメインの質実剛健な建物だったのですが、時代と共に彫刻や装飾が増え、現在の華麗な建物へと変化していきました。
ビザンチン様式の美しいアーチが連続する柱廊や繊細な彫刻が施された尖塔に、その名残が見られます。内部も豪華絢爛な造りで、最大の見どころはヴェネツィア派の巨匠、ティントレット作の『天国』がある大評議の間。54×25mの部屋の正面の壁一面を覆っています。

■ドゥカーレ宮殿 Palazzo Ducale
・住所: Piazzetta San Marco
・URL: https://palazzoducale.visitmuve.it/


●溜息の橋 Ponte dei Sospiri

史実とはうらはらの美しい言い伝えが残る ©iStock

16世紀半ばにドゥカーレ宮殿に併設された、新牢獄へと続く橋。有罪者がこの橋を渡る際、この世に別れを告げ溜息をつくことからこの名が付きました。映画『リトル・ロマンス』において、この橋の下で夕方にキスをした恋人同士は永遠に結ばれるとされ、一躍世界中の恋人たちの憧れの地になりました。橋の下へは、運河を巡るゴンドラで行くことができます。


●カナル・グランデ Canal Grande

昔も今も、多くの船が行き来する大運河 ©iStock

干潟に浮かぶヴェネツィアの町を蛇行して流れる大運河。幅の広い運河を水上バスのヴァポレットやゴンドラが行き来する様子は、まさに「水の都」ヴェネツィアを代表する風景です。全長約4kmの運河に沿って12~17世紀の歴史的な建物が並び、壮観です。
全部で4つの橋が架かっており、最も有名なものが以下に登場するリアルト橋です。大運河はさらに細かく枝分かれし、小さな運河が町中を巡っています。


●リアルト橋 Ponte di Rialto

ゴンドラやヴァポレットで橋の下をくぐることもできる ©iStock

カナル・グランデに架かる橋のひとつ。長さ48m、幅22.1mと最も大きく、大理石の華麗な彫刻が橋を彩っています。最初は1264年に木造で造られましたが、1444年にフェラーラ伯爵の行進の際に群衆の重みで落ちてしまい、16世紀末に架け替えられました。
橋の周辺にはみやげ物店やブランドショップ、カフェが並び、そぞろ歩きが楽しい。中心部から橋を渡った先はヴェネツィアの下町、サン・ポーロ。市場やヴェネツィアならではの立ち飲み屋台、バーカロが並ぶ通りもあります。


●アカデミア美術館 Gallerie dell’ Accademia

ヴェネツィア・アートの殿堂 ©iStock

ヴェネツィアを代表する美術館で、14~18世紀のヴェネツィア派の絵画コレクションは世界随一です。回廊式の建物内に20以上の展示室が並んでいます。
カルパッチョ作の『リアルト橋から落ちた聖遺物の奇跡』やベッリーニの『サン・マルコ広場の祝祭行列』など、共和国時代のヴェネツィアを題材とした作品が多く、現在見られる景色との違いが見て取れるのも興味深いです。

■アカデミア美術館
Gallerie dell’ Accademia
・住所: Accademia, Dorsoduro 1050
・URL: http://www.gallerieaccademia.it


●ムラーノ島 Murano

手作りのヴェネツィアングラスは、すべて1点物 ©iStock

ヴェネツィア代表するおみやげといえば、ヴェネツィアングラスです。優美なフォルムと繊細な装飾が施されたヴェネツィアングラスは、ヴェネチアの北約1.5kmにあるムラーノ島で造られます。大小5つの島からなり、島内にはガラス工房やショップが軒を連ねています。
ショッピングのほか、工房の中には工場見学ができる場所もあります。1000年以上の歴史を誇るヴェネツィアングラスの歴史が学べる、ガラス博物館も訪れてみましょう。島へは、ヴェネツィアからヴァポレットでアクセスできます。

■ガラス博物館 Museo del Vetro
・住所: Murano, Fondamenta Giustinian 8
・URL: https://museovetro.visitmuve.it/

島内は狭く、半日あれば十分に回れる ©iStock

ヴェネツィアで開催される仮面のカーニバル

中世のヴェネツィアで、貴族と平民がそれぞれの身分を隠すために仮面を身に着けて遊んだのが始まりといわれる ©iStock

●概要
11世紀から始まったとされるヴェネツィアのカーニバルは、1年に1度、謝肉祭に開催されます。ブラジルのリオ・デ・ジャネイロ、トリニダード・トバゴと並ぶ“世界3大カーニバル”とも呼ばれ、期間中は仮面を着け中世の衣装に身を包んだ人が町中にあふれかえります。
サン・マルコ広場ではさまざまなイベントが催され、昼夜を問わず大盛り上がり。特に12人の未婚女性がパレードを行う「マリエの祭り」やマリエに選ばれた女性がサン・マルコ広場の鐘楼から滑空する「天使の飛行」は必見! カーニバルに参加したい!という人は、中世の衣装や仮面をレンタルすることもできます(要予約)。

市内のおみやげ物店で仮面が購入できる

●開催時期
謝肉祭は復活祭(イースター)前の四旬節が始まる前に行われます。もともとは、復活祭の洗礼者が40日の断食期間に入る前に行われるパーティでした。期間は年によって異なり、1月末~3月上旬の2週間です。最初はプレカーニバルで、本期間は後半の1週間ほど。

■ヴェネツィアのカーニバル Carnevale.di Venezia
・URL: https://www.carnevale.venezia.it/

ヴェネツィアのおすすめレストラン

トラットリア・ダ・フィオーレの前菜盛り合わせ

●シーフード
四方を海に囲まれたヴェネツィアでは、シーフードが名物! シンプルにオリーブオイルのみを使ったアンティパストは絶品です。またヴェネツィアの名物パスタといえば、イカスミのパスタ。真っ黒な見た目から「スパゲティ・ネーロ(黒)」とも呼ばれます。見た目はびっくりしますが、食べるとそのおいしさに感動します! ただし、口の中は真っ黒になります。

本場のイカスミパスタ。イカの身もどっさり

<シーフードの人気店>
■トラットリア・ダ・フィオーレ Trattoria da Fiore
・住所:  San Marco 3461 - Calle delle Botteghe
・URL: http://www.dafiore.it


●ワイン立ち飲みのバーカロが楽しい!

オーダーは指さしでOKなので、とっても簡単

バーカロとは立ち飲み形式のイタリア風居酒屋。スペインのバルのようなもので、チッケッティと呼ばれるおつまみを片手にワインを楽しみます。夜はもちろん、朝やランチも営業しており、地元の人のなかには朝一番にワインをひっかけてから仕事に行くなんていう強者も。
リアルト橋そばのサン・ポーロ地区にはバーカロが集まったエリアもあり、数件はしごするのがとっても楽しい!

チッケッティはひとつ€2程度と格安!

<人気のバーカロ>
■カンティーナ・ド・モーリ Cantina Do Mori
・住所: San Poro 429 - Calle dei Do Mori

■オステリア・アッラルコ Osteria all'Arco
・住所: San Poro 436 - Calle Do Mori

ヴェネツィアの天気、気候

日差しが強いので帽子を忘れずに ©iStock

北イタリアの海岸線に位置するヴェネツィア。四季がはっきりと分かれており、月別の平均気温は東京とほぼ同じ。降水量は年間を通して日本より少なく、特に夏は乾燥し暑さが厳しく感じます。

■ヴェネツィア(イタリア)の天気&服装ナビ
・URL: https://www.arukikata.co.jp/weather/IT/VCE/

ヴェネツィアのおすすめホテル

メトロポールのクラシックな客室

メトロポールは、運河の目の前にある16世紀の邸宅を利用した5つ星ホテル。アンティーク調のインテリアで統一された客室は落ち着いた雰囲気です。ミシュラン1つ星獲得のイタリアンレストラン「MET」を併設しています。

■メトロポール Hotel Metropole
・住所: Riva degli Schiavoni 4149
・URL: https://www.hotelmetropole.com/

まとめ

狭い水路と小路を回ろう ©iStock

海洋王国として栄えた水の都、ヴェネツィア。有名なゴンドラ以外にも、迷路のような町歩き、豪華な宮殿や教会の見学と、楽しみはたくさん! 町の中心を見学した後は、周辺の島々へも足を延ばしましょう。夜は、ヴェネツィア名物のバーカロで飲み歩きを楽しんで。

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TEXT: グルーポ ピコ
PHOTO: 武居台三、iStock

※当記事の観光関連情報は、2020年6月30日現在のものです

〈地球の歩き方編集室よりお願い〉
2020年7月17日現在、イタリアへの日本からの渡航には制限・条件があります。渡航についての最新情報、情報の詳細は下記などを参考に必ず各自でご確認ください。
◎外務省海外安全ホームページ
・URL:  https://www.anzen.mofa.go.jp/index.html
◎厚生労働省:新型コロナウイルス感染症について
・URL: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html

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